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さらに遠出する者達

「むう。人ごみすげえな」


「まあ仮にも駅だし」


二人は今、駅に来ていた。


「しっかし、電車乗ってどこに行くというのだ」


「欲しいものがあったんですけど」


「うん」


「ネットに出回ってなかったのです」


「おおう」


「なので直接探しに行く」


「へえ。ちなみに何さ」


「とあるイラストが入ってる同人誌」


「あっはい。近所にはねえの?」


「なかった。だから探しに行くのです」


「ということは行き先はやっぱりその手のお店」


「そういうこと」


「あるんですかね」


「なかったらまあネットにあったその画像だけ落として終わらせる」


「最初からそれでいいんでは」


「その作者さんの描いた他の絵も気になるので」


「イラストレーターの血が騒ぐとかそういうのか」


「うん。見てたら気に入ってしまったので」


「さいですか」


こちらに来てからは一回も電車系統は利用していなかったため定期券のようなものは持っていない。

なので切符購入にまずは向かう。


「というか早めにいかなきゃいけなかったりするか?」


「んー、そうでも。なんかのイベントとかってわけじゃないから」


「じゃあまあ普通に乗れる時間に乗ってけばいいね」


「うん」


休日であるのだが、意外と人が多いので背の低い優美は見失いそうである。


「というか休日の割にアホほど混んでるな」


「なんかあるのかな」


「一月ってなんかあったけ?」


「お正月と始業式と入学式くらいじゃないの?」


「じゃあこの人ごみは何ぞ」


「分からないね」


切符売り場も結構並んでいたのでしばらく待ってようやく売り場までこぎつける。


「で、どこまで行くのです?」


「えーとここですね」


「ふむ320円じゃな」


「このお金は何処負担なの?」


「ん、まあ交通費くらいは家計でいいんじゃねーの」


「やった。お金が一部浮いた」


「えー…で大人2枚よね」


「優美ちゃん子供料金でいけないかな」


「詐欺だろそれ」


そのまま駅のホームで待つ二人。


「そういや今日は土曜日だっけか?」


「そうだよ」


「ああ、だから仕事ある人はあるのね」


辺りを見てみるとリーマンとかもいたりする。


「とりあえずですね」


「はい」


「俺らみたいな美少女がこう電車に乗るとするじゃないですか」


「うん。今から乗りますね」


「で、車内は結構満員なわけですよ」


「そうですね」


「そこで何が起こるでしょうか」


「アンサー。それを見て興奮したおじさまが触ってきます」


「正解。要するに痴漢なのー」


「優美ちゃんテンションおかしくない?」


「いっつもだろ。まあとりあえず、冗談で済めばいいけどありえるからよ」


「確かにね」


「あったらこう腕掴んでこの人痴漢なのだわ!ってやるのよ」


「えー、その勇気はちょっと」


「じゃあそのまま触られ続けるのだわ?」


「それも困る」


「まあ最悪私に合図出してくれればとび蹴りでも食らわしてやるのです」


「痛くなさそう」


「まあとび蹴りは嘘だがね。とりあえず告発くらいはしてやる」


「じゃあちゃんと見ててくださいね」


「まあ痴漢車両当たったら終わりだけど」


「逃げ場無いもんね」


「その時はあきらめよう」


「抵抗はする」


「割り切ってるな俺ら」


「私はあんまり割り切ってないです。そういうのにあたるのは回避する」


「誰も望んではいねえ」


それから数分。

駅に電車が到着する。


「うん、まあ混んでるけど。混んでるけどぎゅうぎゅうってほどでもねえな」


「そうだね。座るのはちょっと無理そうだけど」


「乗車率70%くらいか」


「そうなの?」


「電車の乗車率100%って座席とつり革全部埋まった状態の事を言うらしいので」


「へー」


「とりあえず都心部とかの満員電車ってあれ乗車率300%くらいじゃないのかね」


「恐ろしいよね。あれ」


「できればあれには乗りたくないものだ」


「押しつぶされそう」


そんなこんなで電車に乗り込む二人。


「…うん、少ないかと思ったけど結構乗ると多いな人」


「そう?」


「なんかね、視点低いせいか圧迫感半端じゃない」


「まあそれは私もあるけど」


「というかそれはお前の方がありそうだな」


小声で会話する二人。

元々の千夏の身長は180㎝程度。現在身長との差は30㎝くらい、下手したらそれ以上あるのである。

優美も20㎝近い身長差はあれど、視点の位置の変動は間違いなく千夏の方が大きい。


「というかさ」


「うん」


「この壁に半ばもたれてる状態って痴漢されないんじゃねえかと思った」


「確かに。前から来る人いないよね」


言ってる内容が内容なので周りにも聞こえないようにさらに小声で耳元で話す二人。

傍から見ると美少女二人が内緒話しているだけの光景だが内容がひどい。


「というか俺ってあの神社周辺エリアから外に出るの初めてかもしれない」


「ああうん。私もあそこの周辺はさんざん歩いたしいろんなとこ行ったけど、別の場所に行くのはこっち来てから初めてだね」


「初めての遠出ですな」


「ですねー。いつか旅行でもしようか」


「それいいな。あー、なんか露天風呂行きたくなってきた」


「なんで?」


「いや、旅行先のホテルとかってよくあるじゃん。そこに朝早くに行ったりするのが好き」


「ああー。というか優美ちゃん本当にお風呂好きなのね」


「露天風呂は大好物」


「でも次行くとしても女風呂の方だけど」


「どうしよ。鼻血噴かないで耐えてられるだろうか」


とりあえずそんなこんなしてるうちに目的地の駅である。


「よいしょっと。毎回この人ごみの中から外に降りる時が一番困る」


「ちょっと通してくださいってやるっていう」


「前はちょっと通してくださいって言いながら持ってる鞄で押しのけながら進んでたけどな」


「ひどい」


「そうでもしないと道がなかなかできてくれないっていうね。偶に同じ駅で降りる人が前にいるとその人の後ろに道ができるから楽なんだけどな」


そうして駅から出ようとする二人。


「ちゅーかどこから出ればいいのん」


「えーっとですね」


「あ、地図見に行くのね」


駅構内にある地図を確認しに行く千夏。


「あ、えーっとあっちだって」


「へい。あっちだね」


「行きましょ」


「せやな」


そうして出口と思しき方向に向かっていく。

だがなかなか着かない。


「遠いな出口」


「だいぶ道うねうねしてたねー」


「本当にあってんでしょうね」


「最悪間違っててもどこかには出るでしょう」


「そのまま謎の空間とか」


「ないない」


そうこうしてるうちに出口も無事に見つけて外に出た。


「うお。人多いな。ここ都市部かだいぶ」


「みたいだよ」


「久しぶりに見たこういうの」


道を多量の人間が歩いている構図である。


「こりゃ帰ったら疲労困憊ベッドダイブ確定」


「そんなに疲れる?」


「人ごみは死ぬほど疲れるんですよ。というか中にいる間はそうでもないんだけど、帰った後に一気に疲れが来る」


「なるほど」


「それで目的地はどこぞ」


「あっちですね」


人の波を抜けながら歩き出す二人。


「こう、なんかちゃらい感じの男とか喋りかけてきたりしないもんかね」


「期待してるの?」


「いや、現実問題あるのかなーと」


「あるんじゃないの?」


「だとしたら俺たちにも来る可能性」


「ちょっと来られても困りものですね」


「へーい彼女―。俺らと一緒に遊ばなーい?ってさ」


「なんというテンプレ」


「そう来たら今デート中なんです!言っとけ」


「デートって誰と?」


「俺と」


「レズじゃないんで」


「そう言わずに一緒に堕ちちゃおう」


「嫌なのです」


「全力否定されてもうた」


「というか優美ちゃんやたらそれ押してくるよね」


「女になったらやってみたいこと。可愛い子とレズる。やっぱこれっしょ」


「男の人じゃないんですか」


なおたどり着いた先の目的地に無事に買いたい物はあった。

帰りも電車に乗ったが痴漢に襲われることは無かった。


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