地霊殿
10分経過して勇儀さんがやっと目を覚ました。
「大丈夫ですか?もういいですよね?」
「あ、あぁ…大丈夫だし、満足…というかもうあれは嫌だな」
《心想:悪夢》は他者の記憶で一番辛いものを呼び起こす技、今回は多少加減をしたが、鬼のように長生きな種族はそれだけ辛い記憶も積み重なっている。加減をしても相当であることも多い。
「まさか、こんなことをさせられるとはな…」
「私の能力がそういうものなので」
「心を読む能力じゃないのか?」
「それは覚妖怪の基本能力です。私は少し違いますよ」
「そうかい。それじゃあ、約束さね。案内しようかね」
そして勇儀さんに案内されて、この地下、地底と呼ばれる場所の中央にあたる地霊殿に来ていた。
「ここの主人があんたと同じ覚妖怪さね」
「随分豪邸ね」
「はい、私には勿体無いほど」
落ち着いた声が響き渡る。私が声の方を向くとそこにはピンク髪の女の子が立っていた。だが、それ周辺には第3の目がある。
「あなたがここの主人かしら?」
「あなたなら心を読めばわかるのでは?」
「…わかったわ」
「あなたも大変でしたね」
「そう。あなたも相当らしいわね」
「あのぉ…私はもういいか?戦闘で酒抜けたからまた飲みに行きたんだが」
「わかりました。ありがとうございました」
そして勇儀さんは立ち去っていった。残ったのは私と少女、覚妖怪2人。
「私は古明地さとり、もうわかっていると思いますが覚妖怪です」
「私は古明地ゆき、同じく覚妖怪よ」
「同じ古明地の覚妖怪…どこかで血縁関係があるのでしょうか」
「さぁ、どうでしょうね。遠い親戚だとは思いますが」
そもそも古明地家はかなり大きい。同じ苗字の同じ覚妖怪でも古明地というだけで近い血縁関係とは言い切れない。ただ、さとりさんは見た感じ450前後、私は1200弱、覚妖怪は600くらいから結婚だから私からしてみたら娘程度、親戚ではないとも言い切れない。私自体は結婚したことも子供を産んだこともないけど、兄や姉は結婚したからそこ付近だったら確実に親戚と言えるだろう。
「…それで、本日はここにあなたを連れてきた正体を知りたいという理由でしょうか?」
「そうね…知っているかしら?心当たりでもいいわ」
「予想としては1人います」
「誰ですか?」
「八雲紫、この幻想郷を管理している大妖怪です。」
「なるほど…どうしましょうかねぇ」
「紫さんを探す前にいかないといけない場所があるんですが、ついてきていただけますか?」
「…そうなの?わかったわ。」
郷に入っては郷に従え、幻想郷のルールというのなら従うまで。そして私はさとりさんに案内されるがままについていった。




