戦闘《vs勇儀》
私たちは場所を変えて人気のない広場に出ていた。
「ここなら誰も来ないだろう。さ、始めようか!」
「いいでしょう」
「じゃあ、初撃は譲ってやろう」
「…そうですか」
油断をしている。でも相手は鬼。私に鬼を一撃で仕留めるような技はない。ならどうするか…
「では行きます」
私はゆっくりと彼女の腹に手を当てる。そして…
「《心想:悪夢》」
「ッ…!?」
彼女は思いっきり後ろに下がる。私と距離を取るように…それにより私の手のひらは彼女から離れていた。
「初撃は譲ってくれるのでは?」
「そのつもりだったんだがね…さっきのはなんだい?嫌な予感がヒシヒシと伝わってきたが」
「さぁ…当たればわかるのでは?」
やはり厄介だ。鬼というだけでも嫌なのに、この勘…勘による条件反射は心で行なっていることではない。読むのは難しい。
「やはりさっきのはなしだ。私が思っている以上にあんたは強いらしい。」
「はぁ…覚妖怪と鬼が戦うなんて…そうそうないですよ」
「そうだろうね、私も初めてさ。覚妖怪の知り合いではここまでワクワクしないんでね」
「そうですか…」
初撃が簡単に決まると思っているほど私も甘くはない。だからさっき仕込んでいた。
「むっ…?」
彼女の足にはいつのまにか細い糸で掴まれていた。それは私の手元にある糸と繋がっている。私が少し引くと彼女の体勢が少しだけ揺らぐ。だが流石鬼、糸が持たずにちぎれさる。だが一瞬で十分、私のは全力で距離を詰めて触りに行く。
「《鬼符:怪力乱心》」
彼女がそう唱えた瞬間、周囲に大量の弾幕が生成される。
「これはズルでしょ」
「あんたは今、鬼と戦ってんだよ?ズルも何もないさ。それにあんた、これぐらい避けられるだろ?」
どこからその地震が出てきているのか不思議でならない。普通の覚妖怪だったら即死級だ。でも私は違う。その弾幕たちはあたかも私を避けるように通り抜けていった。
「…は?」
「避けられると思ってたんでしょ?」
再び距離を積める。彼女は驚きで反応が遅れる。3度目はない。私は彼女に触れて、唱える。
「《心想:悪夢》」
「…ッ!」
能力が発動した。そして彼女はその場で気絶をしてしまった。
「あー…これは起きるまで待つ流れかな…」
勝てたのはいいがこうなるなら別の方法を取るべきだったと後悔するのだった。




