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第二章 黒い影(3)
× × × ×
ウィーゴはドワーフとしてはもう立派な成人の躰になっていた。しかも日々の訓練のおかげでサスカッチの扱いにも慣れ、希に現れる魔物達を倒していた。
だが、子供と言えばまだ子供。悪戯をしてはルシールに耳を引っ張られ懇々と説教された。
「おい、ウィーゴ。」
今日もニュールベルグの村中を闊歩するウィーゴに後から声がかかった。
「アレン。」
振り向いたウィーゴが嬉しそうに大声を上げた。
小さい時に会ったきりのアレンだったがウィーゴは良く覚えていた。
「ワーロックに会えないか。」
アレンは明るい声で言った。
いいよ。と軽く答え、ウィーゴは第二層、ニヴルヘイムに入っていった。
待つこと十日あまり、アレンの前にワーロックがいた。
「どんな感じです、世の中は。」
ワーロックの声は相変わらず優しい。
アレンは自分が見てきた各地の様子をワーロックに伝えた。どこも問題は抱えながらも安泰は保っている。が、ミッドランドの話になると、ちょっと・・とアレンは眉をひそめた。




