宿泊研修で青春イベントが起きるわけない 1
入学式から約2週間が経ちあらかたクラスがいくつかのグループに分かれてきた頃1年生最初の行事である宿泊研修の計画立てが行われていた。
各自仲の良い友達と班を作っているがその頃の晴馬はというと………
「・・・まじかよこれ」
またもやぼっちだった。アニメであるような教室の端にポツンと座っている典型的なぼっちである。またお得意のクラスメイトにもてはやされる妄想をしていたのになぜだろうか。
「おやおや?もしかしなくてもぼっちなのか
い?」
「言われなくてもわかっとるわい」
やめて!晴馬のライフはもうゼロよ!と頭の中の天使と悪魔が口を揃えて言っている。
「しっかたないなぁぁーこの花蓮様の班にお主
を入れてやろうではないか」
「まじでっ??!」
「お、おう、どうした急に」
「あ、ごめん女神が手を差し伸べていただ
いたように見えて。」
一瞬美少女とラブコメ展開になるかと思ったが肝心のヒロインがこんな感じではとすぐに頭の上の吹き出しをパッパと振り払う。
しかし美少女と同じ班になることの最大で唯一の欠点に気づいてしまった。
周りの嫉妬のこもった視線が背中に突き刺さるである。もともと自己紹介の時点で花蓮のビジュアルの良さには全員気づいていたのがなにしろ美少女すぎて誰も近づくことができなかったのだ。
「クッッッあいつ…あの朝嶺さんと同じ班に誘わ
れやがって」
「許さねぇぇぇ」
「背中の視線が痛い…」
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男子の嫉妬の視線に耐えながらもなんとか宿泊研修の話し合いを進める。
「それで結局宿泊研修では何するんだ?」
「んーと現地に着いたら学年集会してほんで
ちょっとグループワークして夜は座禅だって
さ」
「ざ、座禅??宿泊研修で??意味ある?」
「まぁ確かに青春っぽくはないよねぇ〜」
男子高校生に邪な感情(邪念)を無くせと?無理に決まってるじゃないかははははは。
(てかほんとに全く青春じゃないじゃん!!)
1年最初の行事が全く青春イベントの気配しないんですが。
「それで2日目は町を散歩するらしいよぉー」
「あ、ちなみにもちろん男子が女子部屋行くの
禁止ね。てか棟めっちゃ離れてるし」
「まじかよぉなんもできねぇじゃーん」
同じ班の人も俺と同じように嘆いている。
うん気持ちめっちゃわかるぞ同士よ。
アニメだったら好きな女子と夜に天体観測して告って付き合うみたいな流れあるのに座禅だぜ??おかしい…どうしてこうなった…
「てか集団行動もあるらしいよ」
「集団行動?何それ美味しいの?」
「あーなんか体育祭に向けて軍隊みたいな行進
とか練習するんだってー」
「おいおいまじかよ…」
ここまできたら監獄じゃねぇかおい。
「あらら晴くーん、なんでそんな暗い顔してんの
さっ」
花蓮が肩を叩きながら顔を覗いてくる。
「あーちょっとこれからの人生に絶望してただ
けだよ」
「…は?何言ってんのこいつ」
「おい引くなよッッッ」
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宿泊研修当日はバスで現地に行くことになっている。もちろんバスの乗車中はくじ引きで決めた。こうなるから俺はくじ引きなんて嫌だったのだ。乗車中は好きなように喋ってのいいのだがいかんせん陰キャの自分にとって知らない人と話すことは無理難題に近かった。
そんな俺にとって1番の選択肢は。。。。。。。。
「zzzzzzzz」
そう、寝ることである。面白くないと思われるかもしれないが今のところそれが1番最善の策なのだから仕方がない。
そうもしないうちに宿泊先に着いた。




