記録95_《聖典:禁戒》
「く、ふふふふふ。いやはや生意気ですねぇ。なんと言いましょうか、自信過剰?我らを煽り散らかして、私に勝てる気であると見えますなぁ?」
「あっちで《錬金翁》さんが頑張ってんだ!若いウチらがやらないと日本の将来心配されちゃうってのよ!!」
「そうですね。あの人、歳の割に元気ですから……」
《風姫》と《カタクリフト》に立て続けに失礼なことを言われる《錬金翁》。
「……舐められてるようですね。いいでしょう。私の能力。避けられるものならば避けてみなさい!!」
そう宣言すると、手元に分厚めの本が現れる。
「来ます。構えてください!!」
「は、はい!!」
《カタクリフト》の宣言により《風姫》も同時に構えを取る。
そして、そこで停止する。
「は、ははははは。本当に愚か。いつ私の能力が、構えなければ防げないと言いましたか?」
「「……………」」
二人は動かない。
「所詮あなた方はその程度。私の《聖典:禁戒》の能力の前では抵抗なんてものも虚しいだけなんですよ」
《聖典:禁戒》。
《愚聖者》の《隠し能力》
自身が敵意を持っている任意の相手を最大で5人まで補足可能である。
しかし、人数は少なくなるにつれて能力の効きは良くなるし、人数が多いと抵抗されやすくなる。
その効果は、『異常を平常であると認識する』という、なんとも曖昧なチカラだ。
聖典というものは、ざっくり言ってしまえば『人々が目指す偶像が書き綴ってあるもの』だ。
その聖典に書いてあるものを目指して、それを日常、つまり『平常』とするためのものだ。
ならば、その聖典で禁じられているものは『平常』ではなく、『異常』にあたる。
《聖典:禁戒》はそのような概念を具現化したものである。
起きている状態を『平常』であるとするならば、寝ている状態は『異常』だ。
だから、《聖典:禁戒》を使えば、寝ている状態を『平常』とするため、起きることが容易にはできなくなってしまう。
そのように、おとなしい人間を凶暴にさせたり、攻撃を回復にしたりできる。
それが、この能力のチカラだ。
ちなみに、本人たちの意識は『平常』のままだ。
つまり、この状況が異常であることに気づいているわけで………。
対策は、如何様にもできる。
『《機械化》、フルオートモード!』
その機械音声と共に、《カタクリフト》の能力の真価が発揮される……。




