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記録94_《カタクリフト》と旧《四天王》






 《咎人》と《錬金翁》の争いの外れ。


 ここでは《風姫》&《カタクリフト》対《愚聖者》が戦っていた。





「中二病のネーミングセンスしてますね。ほんとに、聞いてるこちらが恥ずかしくなってきます」


「《カタクリフト》さん、普通に可哀想だからもう言わないであげて………」




「あぁ、あぁ嘆かわしいことです。なぜ、なぜ何故、それほどのチカラを持っておきながら、叛逆しようとするのですか?」



「知らないのですか?」



 《カタクリフト》は鼻で笑う。



「何をですか?ぜひ教えて欲しいのですが?」



「えぇいいでしょう。あのような輩に、首輪が付けられないということを」




 その話は、数年前。



 彼が鍛治師時代に一度のみ会った、とある男の話だ。





 〉〉〉











 その当時、今代の《四天王》とは違っていた。




 《錬金翁》は何年も不動であったが、数年前は《睡魔》も《Billie•Jean》を入手していなかったため、《四天王》いらしていなかった。


 《隼鬼》は都市伝説のようなものであり、《四天王》にふさわしいと証明できるほどの記録が残っていなかった為、二人は《四天王》ではなかったのだ。





 彼が会ったことがあるのは、旧四天王の一人。



 もともと《睡魔》の枠に入っていた四天王だ。


 名を《ジェムド》といった。






 彼が《四天王》に選ばれた理由は明白だった。




 ただ単純に、強かったのだ。



 《メビウス》の発売当初からプレイしているヘビーユーザーであり、その中でも最も実力を持ったプレイヤーで、先行プレイまでやっていたものだから、《メビウス》におけるプレイスキルは一番であった。




 さらに、出身も上位10%以下の人間しか入れない大学を卒業していたり、現実でも運動能力が高いというハイスペックぶり。



 《事象(マター)》系の能力(アビリティ)を自在に操ることができる数少ない人類、という異名すらあるらしい。



 まぁ実際、彼は《四天王》の中で強い方ではなかったのだが。



 《メビウス》の発売当初は、能力(アビリティ)と言うものがなく、後々に追加された要素だ。







 だが、次第に能力(アビリティ)は《メビウス》の中心を担う役割を持つようになり、やがて目当ての能力(アビリティ)を入手するために《メビウス》をプレイする人間も多くなっていった。



 結果、発売当初からプレイしていた人間は、能力(アビリティ)の発現方法から重要度まで、詳しく理解できていないまま能力(アビリティ)が発現する。





 能力(アビリティ)は、その人が今までプレイしてきた記録を反映して、それに合った能力(アビリティ)が発現するようになっている。



 つまり、《ジェムド》は今まで何の気なしにプレイしてきたプレイ記録から作り出された能力(アビリティ)とプレイスキルのみで《四天王》まで上り詰めた、秀才であった。









 だが、『PvPで負けると再ログインできない』というクソシステムが導入された時。



 まだ、『実死設定』が発明されてない時。










 再ログインできないように報告された、最初のプレイヤーが、その《ジェムド》となった。




 倒したプレイヤーは、同じ《四天王》。






 後に、《メビウス》のシステムへ介入して能力(アビリティ)を得たとわかり、《四天王》を引き摺り下ろされた黒幕。




 名は、《()()()()》。





 彼が、《ジェムド》を倒した。









 《カタクリフト》と《ジェムド》は旧知の仲だった。




 《カタクリフト》の鍛治スキルは他の追随を許さず、ゲームの鍛冶系統のスキルも、現実世界の鍛冶のスキルも上がり、《メビウス》でも有数の鍛治師となったのだ。




 《ドクター》と戦いに行く前、私とその話をしていました。




『《ドクター》ってやつなぁ、なーんか陰気くせぇし、地味にいけすかねぇんだわ』


『………《ジェムド》、お願いだから、《四天王》同士で戦うのはやめてくださいね。最近はあんな制度も追加されてますから……』




『あー、あれな。『プレイヤー同士で戦えば負けた方は再ログイン不可』ってやつだろ?大丈夫だって』


『仮にも相手は《四天王》ですよ!?《四天王》の中でも隔絶して強いとは言えないあなたが行っても………』




『大丈夫だって。ちょっとお灸を据えたら帰ってくるんだから。それよりお前、アレだからな?オレが頼んでおいた武器、そろそろ仕上げといてくれよ?』





『あとちょっとだよ。お前が帰ってくる頃にはもうできてる』









 結局、その後帰ってくることはなかった。



 『PvPであったとしても、コンテニュー可能である』というバトルフィールドで試合をしていたが、《ドクター》がそれをハッキングして、《ジェムド》を倒した。




 





 〉〉〉

















「やはり、そこで学んだんですよ。あーいう、馬鹿みたいに余裕を持ちながら戦うような奴らは、どれだけ止めても歯止めが効かない。なぜなら、自分たちが…………最強だと思っているから」





「ほほぅ。あなた、あの《ジェムド》とそのような仲だったとは。しかし、最強だと思っているならば都合が良い。私がその慢心を潰して差し上げますよ」



 《愚聖者》は、ぐちゃり、と顔を醜く歪ませて笑う。


 その顔を見て、《カタクリフト》は冷たく一言を言い放つ。





「…………馬鹿ですか?」




「はい?」






「だから、馬鹿なんじゃないですかって聞いたんです」


「だ、誰がバカだと。馬鹿だと言ってるんダァ?」





「もちろん、あなたですよ。だって…………」






















「そちらの大将(ドクター)は、反則勝ちしかしていないでしょう?」






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