記録72_無限の血
昨日投稿できなかった分です
1時間後に今日の分を投稿します
「いいか《食龍》、能力の乱用は厳禁だ!いいな!?」
「能力の強化に来てるのに、なんで使用を控えないといけないんだよ!!」
と言いつつ、《集眼》の言うように、《食龍》は能力を使用していない。
《集眼》が《ブラッディ・グリム》の横を通り抜け、その背後を、檻から飛ぶ血槍が追う。
《集眼》は手鏡を宙に投げた後、手鏡から反射して見えた槍を、ノールックでリボルバーで撃つ。
だが、血で形成された槍ならば、すぐに元に戻ってしまう。
それに、敵意を感じたからか檻から出る血液の量が多すぎる。
そのせいで、もう普通の地表は血液の海だ。
もう着地は無理だと思ったほうがいい。
と考えている次の瞬間、片方の檻にヒビが入る。
「この檻さえ無くなりゃ、血も止まるんじゃねぇのか?」
「ナイスだ、《食龍》!もうちょっと攻撃を続けろ!!」
空飛ぶ雲………アーティファクト《入道》に乗った《食龍》が、《ブラッディ・グリム》の背後から出てきた。
アーティファクト《入道》に乗り、薙刀によって檻をぶら下げている鎖に攻撃を続け、その結果、鎖にダメージが蓄積され、鎖にヒビが入ったのだ。
「よっし、もう一回頼むぞ、《食龍》!!」
そう言いながら、《ブラッディ・グリム》のヘイトを稼いで、この調子で武器の片割れを壊そうと画策したが………。
「それは、ちょいと愚策じゃあねぇか?」
「「え゛」」
《睡魔》からの呟きに、何処がどう悪かったのか理解しようと眉を顰める。
だが、次の行動で理解が及んだ。
《ブラッディ・グリム》が、持っている檻を床に叩きつけたのだ。
当然ヒビが入っている方の檻も、そうでない方の檻も壊れた。
するとどうなるか。
檻という名の出口があった血は、たった今出口を失った。
つまり、何処かも分からぬ虚空に血が溜まり続ける。
そうなれば、時期に限界を迎えて破裂する。
虚空、もしくは亜空間から、『檻』という名の出力調節装置を失った無限の血が溢れ始める。
つまり、突如として宙空から無限の血が流れ出すのだ。
流れ出すというより、ダムの決壊による、爆発的な放出。
《ブラッディ・グリム》が使うのは、それを使った…………
「あー。これは………」
「血の、波…………?」
圧倒的物量による、圧殺である。
〉〉〉
「《ビリー・ジーン》」
時間が逆行し、すぐに檻に攻撃を入れる前に戻った。
「っぶねぇ!!死ぬかと思った!!」
「はぁ………。初っ端からこれとは、かなり危なっかしいな」
《ブラッディ・グリム》に見つかる前に二人を回収してある程度離れた場所に着地する。
もうここら一帯は瓦礫の山だ。
脱コロシアムの平民たちが暮らしていた場所でもあったが、環境の変化に惑星が適応するべく現れた《惑星主》によって、今の惑星の環境である『有を作り出す破壊』に合わせて破壊されてしまった。
「とりあえず、檻は破壊しない方向だな。檻は無限の血が湧き出る量を調節するしぼりの役割をしていたわけだから」
「そうと決まれば、叩くのは胴体になるが………、やはりいかんせん、天使かアンデッドかわからないな。どんな攻撃が効くかもわからない」
《集眼》は銃を取り替え、刀にちょっとした細工をする。
「………なに?刀についてるそのゴツいやつ」
刀のつばの部分に、四角い箱状のものを取り付けた。
無論、この箱でなにができるのかはお楽しみである。
「まず手順としては、よく効く攻撃の種類を実戦の中で絞っていき、ある程度まで決まったらその攻撃を順に試していけば、ダメージは蓄積されて行くだろう。とりあえず今はこの方法でなんとかしていくぞ」
「長くなりそう」
こうして、《集眼》、《食龍》、《睡魔》の三人の『ブラッディ・グリム』討伐は再スタートを始めた。




