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記録67_《七点抜刀》






 惑星主から逃げるために、《咎人》による無駄な爆発でボロボロになったコロシアムの廊下を歩いていく。







「《風姫》の実力もどっかで見てみたいが、そんなことができる暇があるかどうか……」




「え、ウチがなんかしないといけないの?」




「仲間内でチカラを知らないのは、まずいんじゃないでしょうか?」







 《カタクリフト》に諭され、《風姫》にはしょうがなくどこかで能力(アビリティ)を見せることにした。






「ちなみに、攻撃能力(アタックアビリティ)だよな?」




「いいや?事象(マター)だけど??」








 と言った瞬間、《錬金翁》は膝から崩れ落ちる。





「………何。私の能力(アビリティ)がハズレだったって言いたいの?」



「まぁ……事象(マター)能力(アビリティ)はあまり使い手がいないから詳しい検証も難しいですし、使い勝手が悪く、扱いも難しいものばかりですからね」





「ウチだって望んでこんな能力(アビリティ)貰ったわけじゃないわぁっ!!」







 一纏めにしていた髪がブンブンと揺れる。



 男勝りな性格をしている《風姫》だが、そういった部分は女子っぽくしようと頑張っているようだ。









「………で?発動条件は話せるか?」



「まぁ、ウチのやつは知っていても対策できるものじゃないしね」






 そういうと《風姫》は刀を取り出した。




「それがアンタの武器か?」


「そそ。ししょーの技はこれで使うのが一番しっくりくるんだわ」






 そうして、刀の柄をにぎる。





「ウチの能力(アビリティ)の条件は、『抜き身の武器を振るう』こと。効果は『その行動の拡大』。名を《武功超過》」





「《武功超過》ね………。それ、《隼鬼》と同じ動きができるか?」




「……まだ、この能力(アビリティ)を使っても追いつかないよ。《錬金翁》はどうなのよ。あのじっちゃん(師匠)に追いつけるわけ?」





「見える程度だ。追いつこうとは思わないし、対策だけなら見えるだけでも立てられる…………っと」









 先陣を切っていた《錬金翁》が止まる。





「やっぱり、剣闘奴隷は多いな。労働時間になるべく多くの奴隷と接したつもりだったが、《内壊針華》から逃れられた幸運な奴らが一定数いる」




 その先にいたのは、剣闘奴隷のグループの一団だった。






「………ちょうどいいな。《風姫》、その《武功超過》って能力(アビリティ)、使ってみろ」





「うへぇ。チラッと顔見知りが見えるけど…………。やるっきゃないかぁ!!」







 そういうと、《風姫》は一人で剣闘奴隷の群れへと突進していった。




「ちょ!!危ないですよ!!追いますよ、《錬金翁》さん」



「別にいいだろ。対して緊急事態じゃあなさそうだ。」



「なんですか!!彼女が危険な目、に………」








 次の瞬間、《カタクリフト》は目を見張った。






「しっつれいするぜぃ」




 《風姫》は刀に手を構えながら突進していき、一人目の股下をくぐった。



 そして剣闘奴隷達の中心にたどり着くと、《風姫》は刀を少し鞘から抜く。








 そうすると、彼女から7つの太刀筋が見えた。



「!?!?」





 その結果に、《カタクリフト》は目を疑った。




 一人で7つの太刀筋!?


 そんなの、阿修羅などの腕が多い神様ぐらいしかできない。







「なんだ……それ」



 7つの太刀筋は見事7人を一刀両断し、全てが刀の鞘に戻っていた。






 だが、あと数人は残っている。




「なぁ、彼女一人で相手するには………」







 そう言いかけた時、《風姫》は再び刀を抜き、各相手に一太刀の斬撃を浴びせて屠っていった。








「……….なんですか?今の」




「……《隼鬼》直伝、風走一刀流居合い奥義、《七点抜刀》」





 《風姫》がゆっくりと刀を鞘に戻しながら答えた。





「《隼鬼》とほぼ同等の速さを出せていたぞ。なぜそれを使わない?」




「使いましたぁ!!あの時!!!ウチこの技で切ったしぃ!!!」





 と、実力は《隼鬼》には劣らないものの、《隼鬼》の真似事であればできる弟子が仲間になった。











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