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記録63_《四天王》の一人








「にしても、(推測だが)《隼鬼(しゅんき)》の弟子がいるのか。《錬金翁》は大丈夫だろうが、《カタクリフト》の方はどうだ?」




「今さっき、労働の休憩にその可能性の話をしたら、顔を青白くさせて頭をプルプルさせてたぞ」





「まぁ、なんてったって、最近存在していたのがわかった、都市伝説みたいなもんだからな」







 日本のサーバーにいる《四天王》、その一角である《隼鬼》。




 最近、ようやく存在を確認できた、『認知できない最強』だ。






 存在が判明したのは前回の《隼鬼》が出た試合だった。








 観客が見ていた時の証言によれば、『全くステージに現れないからどうしたもんかと思い、不戦勝宣言をしようとした直前に、相手がトマトソースになった』らしい。





 まぁ、トマトソースというのは、見えない粒子ほどに刻まれた対戦相手だ。


 もしかすると、刀との摩擦で死体は気化しているかもな。






 《隼鬼》の試合はいつも、それほどの速さで行われていた。




 『《隼鬼》を見つける会』がその時の試合映像をスーパースローにして160fpsで再生すると、その内の一枚に《隼鬼》がご丁寧に礼をしているところが写っていたのだ。






 その次の一枚では、対戦相手の体に赤い線が走っている。


 《隼鬼》がその一瞬で斬られた証拠だ。








 それが、今観測されている唯一の《隼鬼》の戦闘記録だ。







 そのため、それが観測されるまでその話はガセであると囁かれていたが、この試合以降『彼は《四天王》の中だと1〜2番だ』と言われるようになった。





 ちなみに、世間からの評価ならば、1番は《睡魔》、《錬金翁》は3番である。











「都市伝説の弟子ってわけね………。で、《カタクリフト》はどんな対処法をするのよ?」



「まだ詳しい話は詰めれてないな。でも、できることは全てやってやりたい。万全を期して臨んでやらないと、あいつが死んじまう」









「………《実死設定》、ね……………。この設定、アレだろ?『脳波』によって脳を廃人化させて意識トバすんだろ?」




「あぁ。そういった使い方ができると思ってなかったらしい運営が早急に改良を進めてるよ」









「…………つまり記憶にも………」





「なんか企んでるところ悪いが、もうゲートに入る。とりあえずなってる奴らを全員連れて来い。身分証明しなきゃいけないんだ」







 そうして、《ドロース》を含めた《睡魔》一行は、《コロッシウム》の領空内に入ろうとしていた。













 〉〉〉








 今日分の労働が終わり、労働者全員を牢に入れる。





 ちなみに、牢は個別にあるわけじゃなく、全員で共通の部屋だ。



 だから、同じ牢の奴らと険悪になると地獄だ。






 だから、投獄初日でわざと殺されかけて目立った後に、《カタクリフト》共々ここの牢の奴らと仲良くやってる。







 《コロッシウム》で行われる賭博闘技は定期的に行われていて、明日がその日になる。






 明日から、賭博闘技大会が始まり、そこで優勝したやつには………。







「この《コロッシウム》の惑星内での権限を、なんでも一つ与えられる」





 その望む権限とは、なんでもいいのだ。










 美女を100人侍らせることもできれば、更なる力を得ることも、牢から出る権利ももらうことができる。



 だが、一つだけだ。







 《錬金翁》は楽に優勝できるだろうが、あの《隠し能力(チートアビリティ)》の一団が紛れ込んでいないとも断言できない……。




 《カタクリフト》も上位の戦闘センスの持ち主だが、ここにいる奴らに100%勝てるかと問われれば、そのようなことはない。








「くれぐれも気をつけて取り掛からなきゃな」




「あなた、そう言いながら私たちには理解できない突飛な行動をするんですから、気をつけてくださいね?」



「お前はオカンか」








 うん、このボケとツッコミのバランスがあれば余裕もあるだろう。





「さて、あの意味わからない労働のせいで疲れてるだろ。明日から大会なんだから、今日は休め」



「ですが………」







「おぉい!雑魚男!!こっち来いや!今日が最後の晩餐なんだからなぁ!!」



 ちょうど、ここ最近いじってくる奴らに呼ばれてしまった。






「俺はもう行くぜ。ちゃんと休めよ。じゃないと、優勝できねぇからな?」



「…………わかったよ。今日は休む」



「いい子だ。……おいてめぇら!!誰が雑魚男だオイィ!!俺は勝てるっつってんだろぅが!!」








 それだけ言うと、《錬金翁》は男の元へと走り出していった。






「まったく彼は……この中で1番強いからって、浮かれすぎですね…………」







 《カタクリフト》はそう言うと、《警戒モード》にして、一時休止に入った。











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