記録43_数多の帰還者
「…………なんで、お前が、ここに、いるんだ!《錬金翁》!!!」
「なんだよ。俺がここにいると、不都合っかぁ!?!?」
《錬金翁》が空気中から鋼鉄の槍を作り出すと、一斉に射出する。
「っ、ちい!」
舌打ちしながらも、自身で壁を作りながら槍の雨を防ぐ。
「どうしたんだ?アイツら、お前が来ることが予想外だったみたいだが」
まぁ、この惑星の主なのだから、自身の惑星に侵攻されているとなれば行動を起こすのが普通だ。
だが、彼らは知っているのだろう。
俺と《ドクター》が戦うこと。
ほぼ確実に、《ドクター》が勝つこと。
だが、一つ見誤ったのは俺の能力だ。
俺の能力は、『無』から『有』を作り出すチカラだ。
だが、それはかなりの精神力を使う。
だから、今までは動けなかった。
彼らが来る前から、ずっと。
ずっと、彼は能力を使っていた。
彼はその昔、自身そっくりの偽物を錬成したことがある。
それが完成した日。
一つ、大きな空き部屋ができた。
誰も入らない、誰も知らない、空き部屋ができた。
そこに眠っている男はただ一人、これからの人生をゲームのように楽しむことにした。
楽しんでいた、心の底から。
自身は最強であるという感覚で、自身の代わりを自由に動かす。
《睡魔》が来た時はびっくりして、惑星を買う時は興奮して、何を作りたいか考えて。
これをゲームと言わず何と言おう。
目には目を。
歯には歯を。
物量には物量を。
《翔身》の大量の分身を押し除ける。
そして、そこから飛び出してきたのは………。
「おいおいおいぃ!!こんなのどうやって勝てって言うんだよぉ!!!!」
《翔身》の能力、《通身》は、自身の分割だ。
分割すればするほど、脆くなり、弱くなり、徐々に頭が悪くなり、小さくなっていく。
しかし、俺の《錬金術》は、そんなものじゃない。
《錬金術》は、『無』から『有』を、作り出すチカラ!!
大量の《翔身》を押し除けたのは、それ以上に大量な、《錬金翁》の、《錬金術》で作った分身だった。
「おい、俺ども。蹂躙しろ」
「「「「「「了解」」」」」」
「あと、こいつを持ってけ」
《錬金翁》は、分身達に、とある物を渡した。
「使える時になったら使え。俺は違う方の支援をする」
「「「「「「了解」」」」」」
大量の《錬金翁》の分身を置いて、他の助勢へと急ぐ。
次、助けが必要な場所は、どこだ………!
「そこだな。お前はなんだ」
「《死神》に立ち向かう、愚か者がアァ……………ッ!」
《鯱鉾》と《カタクリフト》と戦う《隠れ能力》組。
《死神》の元へと向かって行った。
〉〉〉
「いやはや、暗殺者時代には見たことのなかったほどの本気だったね」
自身の傷を軽くしながら、彼………《引力核》は言った。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
「物静かな君にしては大きい息切れだね。全く、暗殺集団を抜けてから、真面目に体力をつけることをしたか?」
「まだ、抜けて……そこまで経ってない……………」
「そういえば、そうだったね。最近は時間の流れが遅すぎて日にち感覚が狂っちゃうな」
頭をポリポリと掻きながら、下に目を向けて、今《引力核》が座っている《スナイパー》を見下ろした。
「哀れなものだよ。勝てないとわかっていたはずなのに、愚かにも挑んできてしまうとはね」
「あなたに、あの設定を、解いてもらう、ためよ」
「そういえば、つけてたね。『実死設定』」
『実死設定』。
《引力核》が、暗殺メンバーに入れた裏設定。
脳波を操り、もしこのゲームで死んでしまった場合。
現実世界でも、脳波により心臓を止めて死亡させる、恐ろしい設定。
「あの設定の、せいで、私たちは、ゲームを、楽しむことが、できなくなった。私は、まだまだ、やりたいことが、あるって、いうのに!!」
《スナイパー》は必死に叫んだ。
「私は!自由が!!欲しい!!!!」
「よぉく言ったよ。あとは経験日数1週間の俺に任せておけや」
《引力核》の背後から、刀を持った男が斬りかかってきた。
「!?」
《引力核》は反射的に反撃するが、それは鋼鉄によって受け止められた。
「《鋼鉄魔人》…………お前、今までどこに………」
「彼を呼びに行っていたのさ。置いてけぼりは、流石に可哀想だったのでね」
《鋼鉄魔人》の傷は粗方回復している。
そして、《引力核》は、《鋼鉄魔人》の背後からもう一度斬りかかられる。
「じゃあ、コイツは……….」
「よくもまぁ。ビルの屋上では散々無視してもらったからな」
刀を背負って、前へ出てきた。
その男、《集眼》が《断罪の巨城》へと足を踏み入れていた。
新しく短編を描きました。
連載候補だったものなので物語が粗いです
神々の異世界転生
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