記録32_彼の惑星
祝勝会や殺し屋テロの翌日。
クラン《ドロース》と《鋼鉄魔人》がある惑星集まっていた。
「あの爺さんは自分で私用の惑星を持ってやがるからな。そこに入るには、『案内人』と認められたやつが必要なんだ」
この際、『案内人』と認められているプレイヤーは、《睡魔》、《鋼鉄魔人》、《霊卓》だ。
『案内人』1人につき同行者1人が許されている。
今回は、『案内人』が3人しかいないため、1人だけ留守番することになった。
それが………。
「なぁ、俺だけ置いてくってのはかなり冗談きついんだけどよぅ、それよりよぅ、1人ぐらい置いてってくれてもいいじゃんかよぅ」
「ダメだ、翔。美花はほぼ絶対に早昌と行きたいだろうし、舞と洸也はまだ信用仕切っているわけじゃないし、体面上でも『監視中』だ。よって、消去法でお前だ」
「だからって1人にしなくてもいいじゃねぇかあああぁぁぁ!!!!」
と、駄々をこねる《集眼》であった。
ちなみに、『案内人』がいないのにその惑星に入るとどうなるのか。と《集眼》が質問していたが。
『別に『案内人』なしで入ってもいいけど、集光レーザーで細切れに焼き切られた後に次元の狭間に放り捨てられて未知の神獣に喰われて現実でも廃人になってもいい、って言うんだったらいいよ』
『やめときまーす』
と言うやりとりがあったので、《集眼》は仕方なく大人しくしている。
さて、《錬金翁》の、《断罪の巨城》。
今回はクリアできるかなー………。
〉〉〉
今、《睡魔》はあるものから全力で逃げている。
それは…………。
「ねぇ、ちょっと。真人。こんなの、聞いてない。なに、これ。答えろ。おい。これ、なんだ。おい。真人。無言で、逃げようと、するな。待て。おい。コラ」
ドス黒いオーラを放ちながら《睡魔》に詰め寄っている《スナイパー》からである。
そんなスナイパーは今、鈍色に光る謎の金属生命体に追われている。
「いやぁ、説明するの忘れてたね!今回はちゃんと説明してからいこうと思ってたのになぁ!」
「そんなことは、いい。これ、何。答えろ。早く」
謎の金属生命体に追われながらも、スピードを上げて《睡魔》に追いつく。
「お前、囮。私は、逃げる。それじゃあ」
それだけ言うと、《スナイパー》は《睡魔》を後ろへ放り投げ、さらにスピードを上げて退散した。
「反省してるさからさぁ〜!もうちょっといい扱いなかったかなぁ〜〜〜!!!」
放り投げられながら、《睡魔》は叫ぶ。
時は、数十分前に遡る……。
〉〉〉
『案内人』の権限により、《錬金翁》の惑星に入ることができた6人。
連絡はしてある。
出迎えがあるはずだ。
「おぅい。こっちだ!早くしろ!!」
見た限り好青年の様な見た目をする男が現れた。
「よっ、爺さん。元気っぽそうじゃないか」
「おうおう、ゲーム内のこの姿でも爺さん呼ばわりたぁ、ちょいとマナーがなってねぇんじゃないかね?」
『爺さん』と呼ばれた好青年と《睡魔》が談笑を始める。
「真人、この人が《錬金翁》?爺さんにはとても見えないけど」
「おう、若い女にそんなこと言われちゃあ嬉しいってもんだ」
「ちなみに、俺の彼女だからな?ジジイ」
「なんだ、この歳で若い女を娶ろうなんで考えてると思ったか?」
《女傑》を取り合う様に《霊卓》と《錬金翁》が睨み合う。
そして、《錬金翁》がこちらに向き直る。
「改めまして、ごきげんよう。テキトーに設定してたらこんな姿になっちまった爺さんこと、《錬金翁》だ。名前の由来は、老後の楽しみで昔の厨二病だかの頃に憧れた『魔術』ってもんを納めてみようって子供心からだ。よろしく」
「なんだ、かなり好感が持てる人じゃないか。兄貴、さっきめっちゃ顔引き攣ってたけど、なんかあるんスか?」
「今にわかる………」
《睡魔》がそういうと、《錬金翁》は両手を広げ歓迎のポーズをした。
が。
「まずは、新参者の実力を確かめてから話をしようじゃないか。それじゃあ、頑張ってくれたまえよ?」
そういうと、彼は地面に手をつけた。
瞬間、俺たちが立っていた地面にポッカリと穴が広がった。
「チッ、またかよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
彼らは綺麗に分断されて、穴の最奥まで落ちていった。
〉〉〉
《睡魔》が落とされたのは、この惑星内に作られたエリア。
その一部である《森林エリア》に落とされた。
「いっててて……相変わらずなことやってくんなぁ………っ!うお!?」
穴の一番下まで落ち、安心したのも束の間、新たな落下者が穴から落ちてきた。
「………舞」
「ねぇ、こうなること、もしかして、知ってた?」
ちょっと怒ったふうに《睡魔》を攻め立てる。
「ごめんごめん。そうなるだろうなぁ、とは薄々思ってたけど、本当にこうなるとは思ってなかったから」
「で、ここ、どこ?」
「ここは、《断罪の巨城》内のエリアの一つ、《森林エリア》だ。ここでなんらかのお題が出されるから、それをクリアするだけ」
「なんだ簡単」
「じゃあ、早めに先に進むか」
そう言って、《スナイパー》が一足進めると……。
「あ、ごめん、言ってなかったけど、そこトラップ」
「は?」
その瞬間、森の至る所から、流体金属が流れ出てきた。
「真人、それを、早く、言え」
「だって君が先走るから……」
「あ"?」
流体金属の謎生命体は、襲いかかってきた。




