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記録30_情報交流




「…………ようやく、全員集まったな」




 《ウォーハーツ》(ウォーマーの街の名前)の中心地で、彼らは落ち合った。


 《女傑》、《スナイパー》、《霊卓》、《睡魔》、《食龍》、《集眼》、《鋼鉄魔人》………




「いや待って!いつこのおっさん紛れ込んだし!!」


 《女傑》こと、美花は《鋼鉄魔人》を指さして言う。


 前にも面識があるのだろうか。




「いやいや、私はこの街の責任者ですよ?この街を騒がせたテロリスト達についての処罰を考えなければなりません」



 言っていることはごもっともである。


 なんてったって俺たち。

 特に《スナイパー》と《食龍》はここを騒がせた張本人達だ。


「でも、こんなに酷い事態になったのはこいつらのせいじゃ……」


「だとしても、彼らが暗殺を始めなければ、ここでこんな事態にもなっていないはずです」


「うぐぅ…」





「何か異論は?」


「「「「「「ありません……」」」」」」


「てか、いや待て。あんたなんで逃げてなかったんだ」

「親衛隊と言えども、私の街へ入る許可を好き勝手奪う権利を与えていないはずだが?」


「はぁ〜〜。とりあえず、老害なのはわかった」

「うるさい!このくらいで老害と言っていたら、将来身が保たんぞ?」



 《鋼鉄魔人》は言うなれば、銀色で鈍い光を放ち輝くおじさんだ。


 まぁ、老けて見えるのもしょうがないか……。




「おい、状況を整理するからよく聞け」


 真人の号令により全員が静まり返る。


 さすがはトップランカー。

 人の上に立つ心得があるのかもしれない。

 しかも、こいつの親は『臣長 英二』だ。


 そりゃあそう言ったものも慣れているのかもな。



「まず報告は、俺の方は逃げられた。お前の方にもきた《翔身(とびみ)》とか言うやつ。あいつが逃して、呆気に取られている間に満面の笑みで自殺された」


「うちの方も同じ感じだったよ……喰われたから安心だと思ってたのになぁ……」




 真人と美花が同時に報告し出す。



 真人、翔、《食龍》サイドは、あの後《翔身》はニッコニコで自殺した。


 呆気に取られ、そのまま首をスパッとしやがった。





「それを踏まえて、どうしてこうなったか順番に確認していくぞ」


 真人の言葉に、この場の全員が頷いた。











「まず、《食龍》と《スナイパー》による《睡魔》の襲撃。ここで少し激し目な戦闘が起きた」



 《食龍》に目配せする。





「《食龍》は、白龍を召喚してこの街全体を覆った。この時に、《女傑》が来たな。避難警報が出されて全員避難したと思ったが……」


「《鋼鉄魔人》がいたのよねぇ〜……」

「いて悪かったな」




 美花がつく悪態に《鋼鉄魔人》が居心地悪そうに返す。





「そして、俺たちが上に登って戦おうとしたところで、ボスこと、《引力核(コア)》の乱入により、全員で一時共闘となった」



「待って。私、白龍が、召喚、された、時、には、共闘、してた」

「あぁ、それも一応入れておくか」

「その情報も重要だぞ。私としても、処罰の重さを測る判断材料にするからな」



 真人のテキトーな扱いに対して、《鋼鉄魔人》は少し怒っている。




「まぁ次だ。《引力核(コア)》と戦ってる最中に、俺たちの仲間が乱入。《引力核(コア)》は撤退した」



「この時にはもう《スナイパー》が行方不明だったな」

「1人で、突っ込んだ、のは、反省、してる………」

「分かればいいんだ。これからはもうそんなことするなよ」



 反省している《スナイパー》に《食龍》が寄り添っている。


 やっぱり、一緒に逃げてきたこともあって仲はいいようだ。




「そして、行方不明になった《スナイパー》を探すために手分けして探したら、美花は《引力核(コア)》と、《食龍》は《隠者》(仮)と会敵して、各々戦いを繰り広げたわけだ」




「まぁ、結局戦ってたのは《集眼》なんだけどな………。教えてもらったとしても、今もまだ思い出せずに曖昧なんだよ……」


 《食龍》はまだ記憶を取り戻していない。


 というか、記憶できていなくてわからない、と言った感じか。




「そして、《翔身(とびみ)》が出てきて全てワープさせて自殺していった」





「これで全部?」

「アイツはホントに怖かった。人として倫理観がぶっ壊れてるとしか思えない」








「後二つ、このゲームに追加された、新しいアップデートだ。恐ろしいことに、《メビウス》は脳波にまで研究し、頭の中に言葉や意思が伝わってしまうようになった」



 後二つ。

 一つは予想がつく。



「そんなことして、《メビウス》側はなにがしたかったんだ?」

「そんなの、魔法の精度をあげるためでしょ。意思疎通魔法とか、やりたかったんじゃない?」





 とりあえず、それと。


 もう一つ。



 それは………。



「あの男、《隠者》(仮)が言っていた、『別のアバター』について」


「「??別のアバター?そんなものないよな(わよね)?」」


 美花と翔が同じ反応をする。







「あぁ、俺らはそんなもの知らない。だが、《隠者》がそれを信じていた。そして、それを信じさせた奴がいる」




「つまりそれは………」


「《隠者》はその情報を知らない。ってことは初心者だ。そして、《メビウス》をやらないようなやつを言いくるめることができる弁の持ち主がいて、《隠し能力(チートアビリティ)》を付与できる。そんなやつ……………」





「あぁ、裏で糸を引いている奴がいる」


「その話をするってことは、なにか思うところがあるのか?」





「いや、こんなことが昔にもあった気がしてだな。もっと早く言っておかないと後悔が残るかもしれないからだ」










「とりあえず、情報交換はこれで終了だ。それじゃあ、これからの処置についてだが…………」





 この後もまだまだ情報交流は続く。










 その間、

「ふふふふふ……《睡魔》ぁ………もっと遊ぼうじゃないかぁ…………………!!」





 その陰で、ある男がこれからに向けて動いているのだった。




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