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記録26_《隠者》




 白龍墜落地点。






 ある地点を境に、その場は焼け野原へと変わっていた。



 《フルチャージ・バスター》。




 緊急時に使えるように用意しておいた、魔力ドーピング剤によってようやく扱える特大爆撃魔法。




 真人達にはあの男は認識できないみたいだが、この攻撃は認識できたみたいだ。


 真人と《食龍》がこっちにやってくる。





「どうしたんだ!?何があった!?」

「おい、街がめちゃくちゃだろ!何やってるんだ!!」



「恐ろしい敵がいたんだよ。この被害は許してくれ」

「恐ろしい敵って……」






「もちろん、その理由だけで看過できる問題でもないな」




「「「!?!?」」」



 避難は完了して、だれもいないはずだと思っていたところから声がした。



「《鋼鉄魔人》か」


「然り。そして、この愛すべき街の管理者でもある」





 なるほど。


 この街の管理者。

 なら、この問題に取り掛からないわけがない。





「すいません。我々、今はぐれた仲間を探していまして、その最中に敵に襲われました。その時、私以外どうにもできなかったので、この方法しかなく、跡形もなく吹き飛ばすが最高率だと思いました。修復費は私が持ちますのでご安心ください」





「え、真人慣れてる」

「あー、なんか察しついたわ。どうせ昔からこうなんだろ」





「察するな《食龍》。こういうのも社交辞令なんだぞ。暗殺者にはわからないだろうがな」


「………チッ」







 憎まれ口を叩き合う2人。


 もうあの野郎の影響はなさそうだな。












 その時。




「はぁ〜、《鋼鉄魔人》も来たかぁ…。」





「!?」

「「「?」」」







 焼け野原の上に立つ、男が1人。



 攻撃を喰らった素振りはなく、ただそこに降り立ったように佇んでいる。




 今の攻撃を、避けたのか……?



「あり得ないものを見るような顔らやめてくれないか?」


「お前、あの命乞いは嘘だな。なんで今の攻撃を避けることができた!?」




「まぁ、高速移動的な?もう一回は使えないけど、こんくらいの攻撃なら別もう一回アバター作ればいいから大打撃なわけではないかな」






「新しくアバターを作る……」



「?俺は何かおかしいことを言ったか?」




「あぁ、言ったな。このゲームは、()()()()()()()なんて作れないんだよ」




「……………どういうことだ?」


「言葉の通りだ。この《メビウス》というゲームに、新しいアバターなんて概念はない。誰だ?そんな誤情報吹き込んだやつは」








「クソ」


「?おい………」








「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソが!!!!」



「!?」


「また、また騙された!なんでだ!俺が何か悪いことでもしたか!?!?おい、よぉ!?どうせ聞いてるんだろ!?反応しろよ!そして否定しろよぉ!!!」








 なんだ?

 雰囲気は仲間割れだが、話は詳しく伝わってこない。




 でも、コイツはまずい。



 どんどんと、アイツが正気を失い始めた。




 俺は刀を構える。




「や、やめろよ!俺たちは殺し合うほど憎む関係だったか!?」





「死にはしない」



「死ぬんだよぉ!殺される!ここで死んだら俺も死ぬんだ!!助けてくれよおぉ!!!」






「それでも、お前は危険だ。倒しておくに越したことはない、ほら、ここらで終わりの時間だ」




「あの男っ、あの男おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!!!」





 俺が首めがけて刀を振り下ろそうとした。



「こんなところで………こんなくだらないことでぇ!!」








 ……………刀を振り下ろす。



 ガン!








 首を切った後ではなかった。

 突然彼が見えなくなったのだ。



 見えなくなったは不適切だ。


 厳密に言えば突然に消えたのだ。




 周囲に気配を感じない。







「どこに行った………?」



 周囲を警戒するも、異変なんて一つもない。


 彼が()()()()()()()()()ことぐらいしか、変わったことない。






 次の瞬間、背中に衝撃が走った。



「!?そこか!」


 だが、刀を振り下ろしても、そこにはだれもいない。







 何が起きている?


 俺にアイツの《能力(アビリティ)》が突然効き始めた?


 でも、だとしたらなんで………



 こんな考えをしてる間にも、見えない攻撃は続く。




 右斜め後ろから始まり、真正面、左斜め前、次は左かと思えば真正面から、そしていつの間にか背後を取られ、渾身の一撃が入る。





 フェイントを含みながらも、相手に次の攻撃を悟られないように動いている感じだ。




 なるほど、《霊卓》のちょっと面倒なパターンと考えればいいだろう。





 だが、肝心なのは見えないこと。



 目を凝らせば、何か見える気はするが、それでも到底戦える気がしない。





 なにか、なにか方法があれば………。






「チッ!」


 右斜め後ろから声が聞こえた。



 そうだ、認識できないのは、アイツだけ。



 他のものであれば認識できるんだ。


 例えば、声。

 これは空気の振動だから、アイツに関係なく認識できる。


 例えば、足跡。

 アイツがそこにいた証拠さえ掴めれば、認識できなくても迎え撃つことができる。





 右に足跡ができる。





「そこだああぁ!」


 ところ構わず、俺は水をぶちまけた。





「冷たっ……!」




 アイツにかかった水滴で、アイツが今どんな体勢なのかわかった。


 今狙うべきは、足!





 足元で刀を一薙ぎ。


「っ、クソどもがぁ…」






 アイツは、もう身動きが取れる体じゃない。




 そのまま、刀を掲げ………























 右に払った。




「やっぱり、こっちは身代わりかよ。案外冷静なんだな」



「命がかかってるんでね。にしても驚いた。《隠者》を他人に付与できることを知ってるなんてね」








 《隠者》が解かれ、俺も足元に倒れていたのは、《鋼鉄魔人》であった。










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