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記録22_【重さ】




 場所は移り、ある路地。



「…あああぁ、なんてことやってやがる。《鋼鉄魔人》が赤くなってんぞ」

「《睡魔》共、いつもこの街守ってるからって!今日だけはこの街ぐちゃぐちゃにするぜって意思が見えるな!!」


「おい、《翔身(とびみ)》、行ってみろよ」

「《カタクリフト》!冗談でもやめとけ!!」


「おい、惑星 ウォーマーのギルドメンバー共、気づいてるか?最近の《睡魔》のお気に入りが戦闘に参戦してるぞ」

「知ってるぞ、5日間で真人が自主作成した試練内容を攻略したっていうあれか!」


「今は屋上から援護してるみたいだ。それにあの《睡魔》の野郎、敵対してた暗殺者と共闘してるぜ」

「待て、そのボスが相手なんだろ?どういうことだ?おい、《鯱鉾(しゃちほこ)》、説明しろ!」


「え、その暗殺者チーム知ってる!なんか、()()()()を入れてるらしいよ!」

「あー、なんか脳波がどうたらってあったよな。こわいよなー」





「とりあえず、あいつらからのとばっちりにだけは絶対に避けろよ」

「「「「「「「りょうかーい!!」」」」」」」



 真人達から避難していた彼らからそんな会話が聞こえてくる。


 ウォーマーの都市で設立していたクランの一部だ。





 そんな声の中から、一つの通話の内容が聞こえる。



「えぇ、そろそろですか。はい、はい?今、『排除に失敗した』と言いました!?……はぁ、まぁ期待してないし、別に予想通りですからびっくりはしませんよ?驚きますがね」



『まぁ、移動お願いするよ。すぐ手を回してくれたまえ。―――君』


「…はぁ………まぁいいですが、納得はしませんし『彼女』はかなり有用に使えるんだから、排除、引き込むはできなくても、少なくとも捕らえるぐらいはしてほしかったと思いますよ?」



『話が長い!嫌われるよ?』

「これ以上何に嫌われるんですか」



「じゃあ、今()()()()()ので待っててください。移動する時は逐一報告するように。それでは良い旅を」



ツー、ツー、ツー



「すまん、お前ら、ちょい急用できたから一旦行くわ」

「またか、お前も大変だな。頑張れよー」

「「「「じゃーな!」」」」





 さらなる悪意は、今、動き出す。



〉〉〉




 《重力(グラビティ)》は、強い部類の能力(アビリティ)に入る。


 彼が今行っていることは《重力操作》。

 とてもポピュラーなチカラだ。


 だが、《重力(グラビティ)》は重力を操るだけの能力(アビリティ)ではない。



 この能力(アビリティ)は、【重さを操る】チカラだ。







 重力ではない、【重さ】だ。



 重力とは、物体に働きかける力のことだ。

 ならば、【重さ】とは何か。





 それは、簡単にいうと測る目安だ。


 例えば、物の重さ。


 例えば、責任の重さ。












 例えば、事態の重さ。


 このような、人が『重い』や、『軽い』と表現する物。

 その重さ、軽さを操る能力なのだ。




 そう、例えば、傷の重さ。




 いくら真人と言っても、流石に弟子(?)2人、《スナイパー》、ワタシと戦い、無傷で済むわけがない。






「君は気づいたかね?」


 この能力(アビリティ)を発動するには、条件は一つ。

 ただ一つの、とても簡単な条件だ。




 これから行うのは、もはや事実改変。

 これは、その儀式のようなもの。



「君の、スナイパーから受けた傷は、この戦いに置いてとても重い傷だということに!!」



 これはハッタリだ。


 根拠も、証拠もありはしない。


 だが、だからこそ。





 言葉は、事実をなぞる。


 だが、彼の場合。彼の能力(アビリティ)の場合。








 事実が、言葉をなぞることとなる。




「!、!?」


 変化に気づいたのは、その改変を受けた本人、真人だ。



「傷が……さっきまでかすり傷だったはずなのに………!」


 かすり傷が、ボスの言葉を受けどんどんと悪化していく。


 かすり傷が打撲となり、大きな裂傷となり、最終的に骨が折れ、肉が見えるほどに傷ついてしまった。




「ちっ、これがボスの能力(アビリティ)か。自分の価値観を押し付ける最低なチカラじゃないか」


「最低、ね。何でもかんでもなかったことにできる君には言われたくないよ」


「まぁ、戦闘においてこんな()()で済んだならまだいい方だ」


「……!?」




 今、彼は、さらっとボスを侮辱した。


 彼は今、『この程度は軽傷だがお前はこれを重傷というほど戦いに慣れていないのか』という皮肉を込めたことに、ボスは気付いたのだ。



「依頼に関係なく、君は僕の私怨で殺してやるよ」

「まぁ、依頼人ぐらいは吐いてもらうぞ、雑魚」



 この戦いで初めてダメージを受けた真人と、ボスが睨み合う。

















 だが、そこまでだ。



「はいはーい。《引力核(コア)》さん回収に来ましたよー。あれ?まだやってる。もう行きますよぉ?」

「………チッ、もうそんな時間か」



「どういうことだ」


「ですからぁ、これは別に裏切り者を処刑しに時間制限付きで外に出ていただけですから、もうその時間が終わって仕事の時間になったんですよ」


「くそ、白龍ぐらいは落としたかったんだがな」




「そいじゃ、この人とはここでお別れー、みなさんお疲れ様でしたー☆」


 と、かわいく去ろうとしていたが、


「あ、そうだ。後十数分後くらいに、最近買った新型狂人(バーサーク)を100体ぐらいは放出するのは許してますから、あとは好きなだけ、ね?」




 かなり理不尽な爆弾発言をして、一瞬で転移して行った。



 まるで、その身が翔んでいったかのように。








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