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記録16_奇襲








「ビリー・ジーン」


 この能力(アビリティ)は正常に発動した。

 時間は秒単位で巻き戻る。



 録画の巻き戻し、その立体版を見ていると形容していい。


 あぁ、そういえば。

 急すぎて翔に《ビリー・ジーン》を施していなかった。




 この能力(アビリティ)、《ビリー・ジーン》は優秀だ。


 発動条件を果たせば必ず発動する。




 《ビリー・ジーン》の発動条件は、『ビリー・ジーン』と発動の合図を出す。

 そして、莫大な魔力をつぎ込む。



 ただ、それだけ。




 発動したら、俺が死んでいる間にも発動する。

 翔もどんどんと普通の姿に戻っていった。



 きっと、俺狙いの奇襲・復讐の類だろう。

 だが、ここまでの魔術を誰にもバレずに構築するのは難しい。特に、俺は気付くはずだ。


 つまり、この広範囲攻撃は能力(アビリティ)によるものだ。


 広範囲殲滅能力(アビリティ)

 それも、即死でどの範囲にいても同時。



 なるほど、考えられるのは核爆発を引き起こす類。

 強大なエネルギーを放出する類。

 空間を無くす類くらいか。




 考えられるのは一番最後。

 空間を無くす類だ。


 この能力(アビリティ)が発動した後の俺たちの死体は消えていた。

 そして、店と死体は消えたのに、()()()()()()()()()方法はこれしかない。



 そして、範囲の広さからして、俺の位置が把握できなかったから店全部吹っ飛ばそうって魂胆か。


 これほどの範囲の空間を無くすとなるとかなり時間がかかる。

 あともう少しで《ビリー・ジーン》で巻き戻せる時間は終わってしまうから、あの空間消滅能力(アビリティ)を止める方法はない。




 ならば、せめて被害者が出ないようにしておきたいというワガママで動くことにしよう。




 自分だけを加速させて運べば多分十数秒あればいけるだろう。



〉〉〉



「!?!?」


 どういうことだ?

 確かに、俺はここで能力(アビリティ)顎門(アギト)》を使ったはずだ。



 なのに、なんでまだここに店が立っている?

 これが、《メビウス》世界最強の男、《睡魔》のチカラなのか!?




「あのねぇ、俺を始末するのはいいけど、他の客まで巻き込むのはそれもうダメだからな?殺し屋として、俺だけ『暗殺』しないとね?」



 後ろから寒気のする声がした。


「そこのぉ!隠れてる君もだよぉ!」


 !?

 仲間の位置がバレている!?



 この男はどこまで知っているんだ。

 だが、あいつがどんな能力(アビリティ)かはわからないだろう。



 そこが勝機だ。


「撃て!!」



 その瞬間、真人の背後からの銃弾が真人の身体を………








 貫かず、そこにあるのは、鎧。

 あの、高位の装具、《アイギス》の鎧だ。


「チッ、その鎧は……」


 言い終える前に、もう一つの相棒、《地獄の門》を出す。


「どうして後ろから撃たれたのかはわからないが、付近の気配はお前らだけだ。コソコソ隠れているアイツの能力(アビリティ)だろう」



「チッ、なんでそこまで筒抜けなんだかな」

「状況判断だよ。まぁ、もしかすると君たちの中にスパイがいるかもね?」



 なんてこと言い出しやがる。

 これに乗れば疑心暗鬼に陥り計画はパーだ。

 慎重に行こう。




「じゃあ、君の相手はここまでだ。厄介な隠れている方を倒しに行くよ」


「あ?俺がさせるとおもって……」


「だから彼に武器を持たせたんだよ」





 後ろに、刀を構えた翔がいた。

 咄嗟に気づくが、彼の武器、薙刀(なぎなた)を取り出す時間がない。


 彼に今使える手段は………。


「ーーーー《顎門(アギト)》ぉ!」



 その瞬間、空間が歪み始めた。





〉〉〉



 一回経験した『空間を無くす』能力。

 もう見て。発動条件も予測できたから、対策はできる。



 それに、今のはすぐにエネルギーを溜めたものだ。

 そこまで脅威にはならない。



 

 だが、もう一度背後から銃弾が飛んでくる。

 真人が《アイギス》で防いでくれたからよかったものの、今のは普通に食らっていただろう。


「すまん!真人!ありがとう!」

「後でコーラ奢りな!」



 もう勝った気でスナイパーの方に飛んでいく。



 そういえば、来た時はそこまで気にならなかったが、ここの景色は異様で色々なものが混じったようなところだ。


 赤茶色の地面と空、そして近代的なビルが立ち並ぶ都市、そしてそこを蔓延る人外や時代外れの人たち。




 スナイパーは、かなり高いビルの屋上にいる。


 真人も真っ直ぐ飛んでいくという、なんというか、カオスといえばいいのか。



 そして、俺と相対する《顎門(アギト)》の奴は……。



 片腕から血を流している。

 やはり《顎門(アギト)》に()条件があった。



 前に聞いたが、一定以上強い能力(アビリティ)には条件があると聞いた。


 例えば、《ポルターガイスト》には、触れた部位しか操れない。

 さっき聞いたが、《恐怖の館(スリラー)》は、自分も中に入らなければいけないことや、真人でも全神経を注ぎ込まないと運営できないこと、つまり脳への高い負荷。

 それに、莫大な魔力に発動前の隙間(ラグ)


 それに当てはまると、《顎門(アギト)》なら発動前に技名をいうのと、規模によって変わる腕の負傷だろう。




「さっきから黙ってるが、テメェは誰だよ。お前と《睡魔》の野郎が話しているところなんて見たことねぇぞ」



 まるで他の奴と会話しているところだったら見たことあるみたいな言い方だな。ストーカーか?


 それに今気づいたが、ゲーム内じゃあプレイヤー名じゃないとダメなのか。


 まぁ、早昌やら真人やらに呼ばれたことはないが、俺にだってある。







「最近、アイツの戦闘相手をしている、《集眼》だ。これからも末永くよろしくな、《顎門(アギト)》」


「末永く?お前はこれから死ぬんだよ!なんだ、《顎門(アギト)》って、安直すぎなんだよ!!」





 翔の刀と、《顎門(アギト)》の左手に持っていた薙刀が、交錯した。





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