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記録12_真人の試練・4





 気づけば、そこは真人の本拠地前だった。

 俺が恐怖の館(スリラー)で試練をしている間に、時間遡行はうまく行ったらしい。


「…俺、生きてる?」

「まぁ、ギリギリだけど合格かな。にしても作者。かなり強引だったよね?」



 あー。

 まぁ、館壊したり、テレビを強制的に壊したり、脳死状態で進んだり、リモコンに関する勘が冴え渡ってたりしたが、もうしょうがない。しょうがないよ……。



「まぁ、合格は合格。とりあえず、君は普通の戦闘種族と同等ぐらいかな。頑張ればバトロワで1位取れるレベル」


「よかったぁ…」

「と、いうわけで。次行ってみますか!」

「!?な、にを…」


 次出てきたのは、白い石膏のような素材でできている人形だ。


 だが、ただの人形じゃない。


 動く石人形だ。

 それは自分が見上げるほど大きい。

 パッと見、2m前後と言ったところだろう。



 だが、大きさもさほど問題ではない。



 一番の問題は……数だ。







 人海戦術と言っても過言ではないほどの物量押しだ。


「おい!これなんだよ!?」

「何って見ての通り、ゴーレム」

「それで何すんだよ!」

「簡単だよ、倒してもらう以外になんかある?」

「…そうかよ……」

「ちなみに、それ恐怖の館(スリラー)の応用でね?外壁を人の形にしてゴーレム作ったり、そん中に人を入れて拘束できたり、自分が入って強化したり、かなり色々な応用の仕方があるんだよねぇ!」




 真人が手を振り上げると、一斉に動き始めるゴーレム達。


 行く先はやはり、翔だ。



「ゴーレムに効く武器…銃試してみるか…」


 ドンドンドン!



 3発。見事に命中した。

 貫通はしているが、うまいとこを狙わないと1〜2発では倒せない。


 3発でテキトーなところに撃てば、ギリギリ倒せなかった。




 他のやつに、頭に2発。

 うん。これが正解だ。

 1発でも瀕死だから1発撃ってから刀や剣でもありかもしれない。


「じゃ、全員倒したらまたくるよ。総勢248体。がんばっね〜☆」


 これが地獄か…



 真人の試練、その二


 ゾンビ・パーティ




〉〉〉




「クソッ!キリがねぇだろこれ!」


 最初は何体か数えていたが、倒した後に徐々に再生していたから再生しないように粉々にしていたらもう忘れた。


 計250体も徹底的に倒さないといけないのだ。

 気が遠くなるったらありゃしない!



「クソッ、クソッ、クソッ!クソッ!クソがあぁ!」

「荒れてるねぇ、翔君」

「ウルセェんだよ!後何体だチクショウ!」

「もうそろそろ終わりだ。今生きてるのが43体。再生中が14体だ」

「はぁ、はぁ、合わせて3桁じゃないだけまだましか・・・」

「強化入れようか?」

「マジで過労死するからやめてくれ」




 再生するとわかってから倒し方は変わった。


 行動不能にした後、途中で真人から支給されたデカハンマーで砕くことにした。

 かなり重いし、いちいちめんどくさいが、これをしないと永久に終わらない。




「あ、やべー」


 明らかな棒読みの声に振り向くと、そこで真人は、



「いやー、これで簡単にクリアされてもねぇ、もうちょっと尺伸ばせって作者がうるさそうなんでね?やはり強化と数を増やそうかと思いましてだね。とりあえず、男のロマンの変形と、あと100体程度増やしておくとしよう」


「……お、おい!よくわからないけど理由で俺の負担増やすんじゃねぇ!」

「これじゃ試練にならないってんだよ!口ごたえするならプラス50体だからな?」



 クソッ、会話が支離滅裂すぎて話にならない…。


 俺はもう疲れのピークにいる。


 早昌との一騎討ちから始まり、恐怖の館(スリラー)からゴーレムだ。

 泣いて逃げ出したいのは事実だ。


 でも、ここで勝たないと真人とゲームはできない。



 早昌との約束を思い出す。


 ゲームスキルが高すぎるから友達がいない。

 寂しがり屋だから友達が欲しい。






 ここで勝たないと、誰も報われない!





 刀を握りしめて、手近なゴーレムに叩きつける。

 かなり強化されたはずのゴーレムは、一撃で粉砕された。



「さぁ来い、ゴーレムモドキが。

誰であろうとだな、










俺の理想の邪魔してくるんじゃねぇぞ!」


 激しくカッコつけた啖呵で、彼は覚醒した。




〉〉〉





 一撃一撃が重い。


 なるほど。

 何を思ったのか、かなり吹っ切れて強さが倍増してるじゃないか。


 うんうん。

 強くなったのはいいことだな。


 いいことだ。だから——————





「次はようやく、俺が出番かなぁ?」



 真人は、期待に応えた新人に歓喜を覚えながら不吉な笑みを浮かべていたのだった。






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