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記録118_《霊卓》のここがスゴい!






 『裏世界』。



 ピクセル状の何かが『裏世界』の天上から降り注いで人型を作る。



 それはやがて光りだし、《カタクリフト》へと姿を変えた。




「うへぇ、ここが《ガーデンコール》の『裏世界』………。空は黒いし、なんか地平線は白いし、ゲームのプログラミングの中って言われた方が納得いくぜ、コレ」



「だから、これはバグ技だと思われてたんだよ」




 すでに到着していた《霊卓》が近づいてくる。



「どうだ?追手はやったか?」


「知ってるだろ?《ガーデンコール》はPvP禁止エリアだ。俺からダメージを与えることは無理。『落下ダメージで倒せる』なんて()()()()()で何とか怯ませてたけどね」





 《霊卓》は、《ドクター》の追手の存在を事前に勘付いていた。


 そのため、追手が来るであろう場所の花を触っておき、《ポルターガイスト》を発動させて、追手の隙を作ったのだった。



 しかし、その件で一つ分かったことがある。







「《霊卓》の《ポルターガイスト》はご存知の通り自身を中心とした半径1メートル以内じゃないと使えない。しかし、《霊卓》が『裏世界』にいたはずなのに《ポルターガイスト》が使えたってことは?」




「『裏世界』の座標は、もとの《ガーデンコール》と全く同じ場所で登録されてるってことだろ?だから、《ポルターガイスト》は使えるし、バグ技疑惑も深まった」


「おぉ!その通りだ。『裏世界』がバグ技だと言われる理由に、『裏世界』に行ってもマップの現在位置に変化がないことが挙げられてた。よく見抜くなぁお前ら」


「「(たまたまなんですけどね!)」」



 《霊卓》と《カタクリフト》は同時に胸を撫で下ろす。





「まぁとりあえず、時間は稼げたが、チーターの追手は来てる。出来るだけ《真実の敵(トゥルーエネミー)》との戦闘に繋げたくないんだが………」



「いや、来るかどうかはわからんぞ?」

「は?と言うと?」




「俺がぶん投げた場所は、『裏世界』じゃない《ガーデンコール》の中じゃ一番危険な場所だからな」






 〉〉〉






 《ガーデンコール》。


 それは、惑星丸々一つを使った広大すぎる花畑。


 様々な花が咲き乱れ、あらゆる樹木が美しく生えている。




 この惑星は、どこもかしこもが絶景ポイントであり、カップルのデートスポットとしても人気である。



 ちなみに、《霊卓》と《女傑》がコンビで《ガーデンコール》にきた理由はデート目的も多少含まれている(《錬金翁》は承諾済み)。





 そんな《ガーデンコール》であるが、植物園であると同時に、もう一つの役割を果たしている。



 それが、この《メビウス》内に存在している、すべての植物の保存である。






 《メビウス》に新たな惑星が生まれたり、《メビウス》運営が他ゲームなどとコラボしたり、新たなゲームが《メビウス》内で再現されて、新たな植物が出てきたり。



 そんな状況下で毎度公式により《ガーデンコール》はアップデートされ、新たな植物を保管する。




 そんな植物たちの中には、当然危険な植物も存在する。



 例えば、誤って触れれば即死する毒草。


 例えば、魔法薬として作れば惑星一つを消し飛ばすことができる高エネルギー貯蔵花。





 例えば、あややるものを食い尽くす雑食植物。









 《カタクリフト》は、自身の腕を鞭のようにしならせ、敵の団体を一纏りにしてぶん投げた。


 今頃、全員縛り上げられ身動きも取れずに、()()にいるだろうな。











 その雑食植物のみを隔離して保管しておく為の区域に。



 確かに、《ガーデンコール》はPvP(プレイヤー対戦)は認めていない。




 しかし、雑食植物はどちらかと言うとエネミー。





 全員まとめて、雑食植物に消化されてればいいさ。











 〉〉〉






「とまぁ、投げた方向がアッチだからね。たぶんバクバクされて、そう簡単にこっちには来れないだろうな」



 《カタクリフト》はあっけらかんと説明する。



「はぁ〜ん。《ドクター》を筆頭としたチーターと争ってるってマジなんだな。《睡魔》も無茶なことしやがる」


「まぁ真人はしょうがないよ。プレイヤー対戦大好きだし」



 さすがの《隼鬼》も呆れていたが、《霊卓》は最も近くで《睡魔》を見てきた者として肯定する。





「じゃあ、俺から大量のポーションをぶん取って行ったのもそのチーター達に対抗するためか?」


「そっちこそ、なんでこんなにポーション持ってるんだ?って思ったが、そうか《真実の敵》か」





「そうだ、だから《睡魔》を呼んだんだが………。まぁ、結果的には、エネミー相手なんだから《霊卓》が来てくれた方が大助かりか」


「ん?どーゆう事です?わたし《コロッシウム》で見てましたけど、さすがの《霊卓》さんでも、《睡魔》さんほどの能力(アビリティ)、《錬金翁》さんほどの思考まで到達できていなさそうでしたけど」




 《隼鬼》の「大助かり」という言葉に《風姫》は疑問符が浮かぶ。



 それに、《隼鬼》はアイアンクローをキツくしながら答える。



「その代わり《霊卓》は、『先読みの力』が発達している。所謂「頭の回転」と言うよりも、それは「心理学」に近い。相手を誘導する、知識と経験則によって成る。しかし、それをするには相手の行動パターンを読み取る必要があるわけだ」



「し、ししょー……わたし、それいじょうはしんじゃう………」



 瀕死になる《風姫》に、《カタクリフト》が補足説明を加える。



「プレイヤーの場合は、ありとあらゆる行動パターンが次から次へと出てきて、本来なら「先読み」なんてしてる間に倒される。だから、《霊卓》はそんな思考の中で《睡魔》と並んでプレイヤーと戦えるほどにその思考を上達させたわけだ」




 つまり、《霊卓》の「先読みの力」は、本来エネミー相手だと全て当てはまるようなものに昇華し………。














 《霊卓》のみで戦えば、ノーダメージでクリアできる可能性もあるのだ。







「ま、突っ立ってるだけなのもつまらん。《真実の敵》に向けて歩きながら話そうか」





 そういって、《隼鬼》を先頭にして、それぞれの強みを引き出せるシチュエーションについて語り合いながら歩みを始めた。









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