記録113_明かされる情報
《スターロウ》の決死の覚悟により手に入れた情報を、ウィルスなどの危険要素を取り除いて保存したUSBメモリ。
《スターロウ》が《メビウス》の端末をハッキングされて人質となる直前に取った、《ドクター》でさえ予測できなかった行動。
彼は見事に成し遂げ、俺たちへと繋いで見せた。
「ちょっと待ってろよ。すぐに開けて確認する。話はそれからだ」
船のPCに差し込み、すぐに情報を読み込む。
《ドクター》がひけらかしていた情報は……。
位置情報と、文を撮った写真であった、位置情報に連動して《メビウス》内のマップが開かれる。
その位置情報は、とある惑星二つをさしていた。
「《ガーデンコール》と、《炎葬の獄星》だな」
どちらも、《メビウス》の創立当初から存在している惑星の内の一つであり、《ガーデンコール》は、ただひたすらに花壇が広がる惑星だ。
色とりどりの花があってキレイだが、見慣れてしまうとただのデジタルであり、量産型の美しい景色を眺めるだけの惑星となって、なぜこの惑星があるのか、価値が曖昧になっていた。
そこでのこの情報だ、やはりあの惑星は花があるだけでは無く、何かがある。
また、《炎葬の獄星》はドクロや炎と言った不謹慎なもので溢れており、PvPというより、PvEに重きを置いていて、モンスターのバリエーションも豊富で、更に倒されたとしても惑星の入り口からまたやり直せる蘇生ボーナスまで着いている。
しかし、PKを犯した場合、その惑星から追放されて宇宙を彷徨うか、コンピュータのレベルがMAXのエネミーと戦わなければいけなくなる。
そのため、治安は良い、対エネミーでコンテニュー可能だから気軽、それでいて実践経験を積むにはちょうど良いくらいの強さのエネミーがいることでかなり重宝されていた。
しかし、その惑星にも何かがある。
そして、問題はもう片方。
この写真は2枚であり、両方とも石板に彫られた碑文を撮ったものであった。
その碑文はとても古いようで、石板には大量の苔が生えているが、碑文だけはとても読みやすい状態だった。
きっと、この碑文はとても重要な役割を担っているから、苔で見えなくなることがないようにプログラミングされた、ってことか?
碑文には、こう書いてある。
片方、赤の碑文には「血肉を捧げよ。正しき道で焚べるなら、さしては神が現れん」
もう片方、緑の碑文には「嗜虐の限りを花に尽くせ。そして、怒れる主の待つ広場へ向かえ」
神……、主……………?
赤の碑文は、《炎葬の獄星》での儀式?の手順を示しているのか?
神を呼ぶ儀式、神か……。
そして、もう片方の緑の碑文は、《ガーデンコール》にまつわることだろうが、嗜虐の限り……そして、主が待つ広場………。
何か、特殊なNPCってことか?
この情報を、《ドクター》がチラつかせたってことは、この情報はかなり有効的なものにつながるだろう。
「予定変更だ。《隼鬼》よりも、こっちのほうが優先たけぇ!!」
「え、師匠怒るんじゃないですか?それ………」
「………《睡魔》が寝たのが悪い。それに………」
「「「??」」」
「臣長さんに会わなくていいと思うとせいせいするからね!」
全員は、《錬金翁》の宣言に一斉にため息を吐いた。




