記録100_バッテン
祝!100話!!
まさかこの駄作製造機である僕がここまで書けるとは思いませんでした
これも偏に皆さんが読んでくれているおかげです
今までありがとうございます
これからも、変わらぬ想いでご支援をよろしくお願いします。
「《雲》」
【牛歩】の型、最終奥義とも言うべきか。
刀一本で再現する域を超えるほどの剣技。
その剣技は確かに、一歩一歩を踏みしめるような歩みだ。
しかし、その刀はあらゆる者の目視を許さず……。
「……なんですか?何故か……目が霞んで、見え、ない………」
「マズいぞ………どこから来るんだ!?」
《咎人》も《愚聖者》も、余裕をかます暇を失い焦っている。
それが、風走一刀流、【牛歩】の型、《雲》のチカラ。
あまりに自然に振るわれる刃は、実際には見えているのに、それを気にすることができないのだ。
《隠者》の能力のような、極限まで薄められた影のようなものだ。
存在感が限りなく薄ければ、視界の二分の一を遮っていても気になることはない。
灯台下暗し、というわけだ。
現実の世界では、そのような剣技が再現できるわけないだろう。
しかし、これはゲームだ。
極めれば、ゲームの仕掛け無しで、相手に認識させない剣を習得することは可能だ。
ゲームの仕掛け無しでそんなことができるなら、現実ならできるのではないか、と?
まぁ、理論上そうなるかもしれない。
まぁ、《メビウス》発売前まで人気のあった、ちょっと昔のFPSで壁を登ったり、崖から飛び降りて無傷で済んだり、あり得ないくらい銃弾に耐えれたりするのと一緒だ。
ゲームの身体能力だからこそなせる技であり、ゲームの身体能力と全く同じように体を鍛え上げれればできるが、そうでもなければ無理だ。
まぁつまり何を言いたいかというと。
《隼鬼》が作り出した風走一刀流を使いこなした《風姫》は、能力を使わず、技術のみで《潜伏者》の使う能力、《隠者》を再現したわけだ。
いや、これは《風姫》がすごいよりも、《隼鬼》の異常さが目立つ。
能力無しの技術のみで、あのチートを再現する方法を見つけ出してしまうゲーマー。
やはり、能力以外の部分でさえも最強でなければ、《四天王》が務まらないことを示している。
それほど、この功績は偉大であり、それに並ぶ《睡魔》、《錬金翁》の四天王、そして《ドクター》、《ジェムド》の旧《四天王》達がどれほどの脅威かがわかる。
その脅威を前にして尚、あの啖呵が切れる《愚聖者》と《咎人》。
何かあるとは思っていたが……。
まさか、現実の方でけしかけてくるとは。
多分あれだろう。
《錬金翁》の惑星で《錬金翁》と《ドクター》が一対一で戦った時に、分身体ではあったが触れられた、と言っていた。
ならば、その時点で《ドクター》の能力でハッキングされて住所を覗かれていてもおかしくはないな。
今の《カタクリフト》や《風姫》はゲーム内で苦戦中だから、おじいちゃんには苦しいかもしれないが、俺たちには無理だから自力で何とかしてもらうしかないか。
まぁしかし、現在の《愚聖者》と《咎人》には余裕がない。
当然か。
こんな今までずっと見てきて『雑魚』と断定してきたプレイヤーが1番のダークホースだったのだから。
《風姫》の不可視の刃は、気づかぬ間に《愚聖者》の横を通り、腕が落とされる。
「!?はぁ!?なんで、いつ、どこからぁ!!」
「チッ、クソ……。《罪》にもかからないということは、彼女は能力を使っていない」
まぁ、当然能力なんて使えるわけないだろう。
《風姫》の能力である《武功超過》。
《事象》であるこの能力は、抜き身である状態の武器のチカラを倍増させる。
抜刀の速度を何倍にも引き上げられ、振り抜くチカラが、手刀の風圧で岩が切れるほど強くなる。
それが、抜き身である状態ならばいつでも続く能力。
《事象》の能力は自身の意思で操れない代わりに莫大なエネルギーとなる。
つまり、《事象》の能力を操ることができれば、事実上の最強だ。
それが克服したのが《隼鬼》なのだが、それはまぁ置いといて。
《隼鬼》の弟子である《風姫》もまた、『抜き身と断定するための範囲をどこまで指定するか』という考えのもと、この能力を制限している。
そのため、能力を使えば酷いことになるため、能力を使わずにここまできている。
そして、ここで能力を解放する。
そこは、《愚聖者》と《咎人》の背後だ。
能力を解放するということは、《雲》をやめるということだ。
そして、次の型。
風走一刀流、【隼】の型。
その最終奥義とも呼べるものを、最大火力で背後から放つ。
その型名こそ………。
「罰天」
バッテン。
そう呼ばれる最終奥義が、空から放たれた。
どれだけつまらなくとも、一言コメントや、辛辣でもいいので評価をお願いします。
それだけで頑張れる気がする…っ!




