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6.ユーミ風呂上がりの牛乳を所望する

6.ユーミ風呂上がりの牛乳を所望する


しばらくすると、魔王城は見違えるようになった。

至る所に電灯が設置され、上下水道が完備。

キッチン、トイレ、洗面台、風呂などなどの設備も作られ、生活が向上していった。

代わりに夜でも仕事ができるようになり、ブラック化が進んだというマイナス面もあるが。


そして、その発端がユーミだと知ると、魔王城で働く者たちはこれまでとは見方を変えた。


「ユーミ様の要望が発端なんだと」

「はあ?それマジ?」

「デンドロニウム様が言ってたからマジ」

「……それって、もしかして天才すぎてパンピーが理解できなかったってヤツじゃね?」

「まさかー!w」

「それはないwww」

「いや、時代を先取りしすぎてオレらが分からなかったってことかも」

「そーいや、子供の頃から変なことばかり言ってたらしいじゃん」

「あー、それ聞いた事ある」

「じゃあ、やっぱり天才なのか……?」


という具合に魔王城内で噂されるようになった。

噂というものは一人歩きするもので、次第に尾ひれが着いて領内に流布されるようになる。



公爵家にも噂が届いていた。


「え、あのユーミが!?」

カイナスは噂を聞いて困惑した。

まだ部隊に復帰せず、ダラダラと家に居続けている。

それも、ユーミが当初の見合いを忘れて魔王城改造に力を入れ始めたからなのだが。

「そんな頭の良いヤツだったか?」

「それはユーミ様に失礼というものでは?」

使用人のダークエルフは咎めるように言った。

「ふん、周知の事実ではないか」

カイナスは言ったが、

「ユーミ様の要望を実現した結果、魔王城の環境は向上しました。

 これはユーミ様が今まで言われて来たような愚か者ではないという証明になりますね」

使用人は正論を吐いた。

「む、しかし、実際に動いたのはデンドロニウム殿だと言うじゃないか」

カイナスは意固地になっている。

「確かに」

だが、使用人は折れない。

「ですが、デンドロニウム様はこれまで機会はあったのに、魔王城の環境改善を実現できてません。

 ユーミ様のご要望があったから進んだと思われますが?」

「……」

カイナスは黙ってしまった。

「アニキ、ユーミは変な事ばかり言うけど誰も実際に試してこなかっただけなんだよ」

いつの間にか、グラナドスが来ていた。

ソファに座ると、使用人はお茶を淹れる。

「オレは信じないぞ」

カイナスはお茶を飲みながら、言った。

「アニキは強情だなあ」

グラナドスは呆れている。



「あー、極楽極楽」

風呂に入ってサッパリしたユーミはオヤジっぽく言った。

「ここで牛乳があればサイコーなんだけど」

「ユーミ様」

侍女がお茶を持ってやってくる。

尻尾があり、肌が緑がかっている。

メイドっぽい格好をしている。

「ありがと」

ユーミはお茶を一口飲む。

「ところで牛乳とはなんですか?」

侍女は聞いてきた。

侍女はアニスと言う。アントラスと同じデビル族の女の子で、孫娘だ。

「あーね、牛っていう動物の出すミルク」

「ああ、人間の国にいる動物ですね」

ユーミが言うと、アニスは納得したようだった。

「ミルクはご用意できますが……?」

「いや、お茶に入れるヤツじゃなくて、ミルク自体を瓶詰めにしたものが良いんだよ」

ユーミは力説したが、

「はあ?」

アニスには理解されなかった。


風呂上がりに牛乳という文化が魔族の間で流行る……かも?

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