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5.ユーミと都市計画

5.ユーミと都市計画


公爵家の息子たちそっちのけで、エレキの話が進み出した。

デンドロニウムは元々構想があったようで、この機に一気に実現させるつもりのようだった。


とりあえず魔王城に併設する形で、発電機が作られた。

生活空間にだけであるが、電気が通うことになった。

電線を通すために工事が行われた。


「……この電球って言うの、便利だな」

ロドリゲスは電灯を見ながら言った。

「わーい、これが文明の光だよ、お父様w」

ユーミは無邪気に喜んでいる。

「ふむ、文明の光か」

何気なく言った言葉だったが、ロドリゲスの心に刺さったようだった。


「ユーミ様、エレキの使い心地は如何ですか?」

デンドロニウムがやってくるなり、聞いてきた。

なんだか眼鏡の奥で目を輝かせている。

「うーん、まだ光がチカチカしたりするんだよねぇ」

ユーミは指摘した。

「うっ、それは電気が安定していないということですかね」

「そーなんじゃん?」

「電気の安定が課題ですか…」

デンドロニウムは思案顔になってしまう。

「それからさあ、水道を」

ユーミは構わずに続ける。

「水道ですか」

デンドロニウムは思案顔のまま言った。

「発電機の動力は木材を燃やして湯を沸かしたもの、つまり蒸気を使用していますが、沸かした湯をそのまま流すのはどうでしょうか。

 ただ捨ててしまうより経済的ですし。

 金属の管を通して湯を通せば……」

「ん、まあ、やり方は任せるよ」

ユーミは面倒くさそうに答える。


こんな感じでやり取りをしてゆき、デンドロニウム主導で「都市計画」が実行されていった。

公爵家の息子の事は完全に置き去りになっている。



「どうなってんだ、魔王の娘と面会する話は!?」

公爵家では、息子の1人であるカイナスが叫んでいた。

怒りを露わにしている。

公爵家は狼獣人の家系である。

カイナスは武芸を嗜むだけあって男っぽい容姿をしている。

「えー、なんか立ち消えになってますね」

使用人が目を合わせずに言った。

肌の色が浅黒く銀髪。

ダークエルフのようだ。

「なんじゃそりゃあ!」

カイナスは怒りのあまりのけぞった。

「ユーミって言えば、自堕落でなんもせんとはいえ、一応美人でスタイルも良いんだよ!」

「見てるの、外見だけですね」

使用人はジト目である。

「折角帰ってきたのに、立ち消えとかないわ!」

カイナスはブンブンと腕を振った。

軍人なので普段は部隊に在籍している。

「アニキ、うるさい」

三男のグラナドスがやってきた。

何もせず家にいるだけの引きこもりニートである。

痩せて陰気な感じの男だ。

「おや、グラナドス、まだ仕事決まらんのか?」

カイナスはイヤミな笑顔を見せる。

「黙れ、オレに合う仕事があればいいんだが、ないんだ」

グラナドスはうそぶいて、そっぽを向いた。

「ふん、オルドスは?」

カイナスはニートな弟に興味を失ったのか、使用人に聞いた。

「オルドス様は研究所から戻ってきてません」

使用人は答える。

「そもそもオルドス様は、この見合いには乗り気ではないようですね」

「じゃあ、オレがもらっても良いよな?」

カイナスは怒りも忘れて喜んだ。

気分が変わりやすい質らしい。

「ちょっと待てよアニキ、オレがいるだろ」

グラナドスが言った。

「はあ? 仕事もしてないヤツが結婚って、ないわー」

カイナスの中では、自分が結婚相手で決まったようだった。

「仕事すればいいんだろ! すぐ見つけるさ!」

グラナドスは張り合った。

実は、ユーミの事が好きらしい。


ひょんなことから都市計画が始まります。

魔王城は急速に近代化してゆきます。

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