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2.ユウミ魔王の娘になる

2.ユウミ魔王の娘になる


気付くとそこは魔界だった。

ユウミは魔王の娘として生まれた。

名前はユーミ・エンケラドゥス。

魔王である父はロドリゲス・エンケラドゥス。

エンケラドゥス家は代々魔王を継承する血筋だ。


ユウミはユーミとして、数十年間、魔王の娘として育ち、そして跡目を継ぐことになった。


「ユーミ、お前もそろそろ一人前だ。次期魔王として自覚を持たなければならない」

大きな牛の角を持つ中年の男、父親のロドリゲスがユーミに言う。

恰幅が良く、その容貌は威厳に満ちている。

「はーい、お父様」

ユーミは生返事。

本を見ている。

恋愛小説だ。

ユーミにとっては、テレビもスマホもない魔界では、恋愛小説が唯一の娯楽だ。

日がな一日、恋愛小説ばかり読んで過ごしている。


ユーミの自堕落振りにはロドリゲス始め、王周辺の部下たちも諦めが着いていて、もはや誰も指摘すらしない。

「てか、さっさと婿を決めて政権を盤石にしてくれ」

ロドリゲスは本音を言った。

さっきのは建前だったらしい。

「母さんが早くに亡くなって、私1人で育ててきたお前を手放したくはないが、そうも言ってられない状況なのでな」

「んー、分かったー」

ユーミは適当に返事する。

ロドリゲスが重要な事を言ってるのに気付いてもいない。


「お前にこんな話をしても仕方ないだろうが、今、魔界は二つの勢力に分れているんだ」

「へー、そーなんだ」

「我がエンケラドゥス家を中心とした勢力と、もう一つの公爵家を中心とした勢力があってな、公爵家とは幾度も激突している。

 できれば公爵家の者と婚姻を結んで政情を鎮めてくれたらありがたい。

 政略結婚にはなってしまうが、な」

「えー、やだなー」

ユーミは露骨にイヤそうな顔をしたが、

「あ、でもー、相手がイケメンの金持ちなら考えてもいいよ」

そのすぐ後にはコロッと態度を変えている。

「……」

ロドリゲスは少し無言になり、

「公爵家の3人の息子を覚えてるか? 昔よく遊んだろう? 今は皆、イケメンになったそうだ」

そして言った。

「はあっ! それを早く言ってよ、お父様!」

ユーミはバカみたいに喜んで、

「こうしちゃ居られない、お化粧、お化粧!」

自室へ駆け込んでいく。

「はあ……」

後に残されたロドリゲスは深くため息をついた。

「我がエンケラドゥス家も私の代で終わりか」


魔王の娘となったユウミは自堕落な生活をしていました。

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