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13.ユーミとリン

13.ユーミとリン


勇者一行は再起を図るべく考えを巡らせていたが、良い考えは浮かばなかった。


「問題はさぁ、魔法を封じたのに何か訳の分からない道具みたいなので覆された事なのよね」

僧侶がふて腐れた感じで言った。


結局、その訳の分からない道具の正体は分からなかった。

それもそのはず、この世界には元々存在しなかった技術なのだから当然である。


「どうにかできんもんかな」

戦士が言ったが、

「訳の分からん道具のことなんか分からん」

勇者は匙を投げた。



ユーミは魔王になった。

そしたら、すごく忙しくなったので、配下に必要な人材を登用した。

オキュペディウス、チェン・シェン・ロンは元から魔王城の役職に就いている。

なので、新たにデンドロニウム、フォボス家の面々を任命した。

贔屓である。


「良かったじゃん、ニート脱出したね」

ユーミはグラナドスに声をかける。

「……うん」

グラナドスは小さくうなずいただけだった。

相変わらずコミュ障である。

グラナドスはオキュペディウスの所属する管理部に配属されていた。


「オレは? オレは?」

カイナスが自分を指さして言った。

褒めてもらいたくでしょうが無いといった様子だ。

「はいはい、カイナスもチェンさんの所に配属されて良かったね」

ユーミは気のない感じで言う。

「あー、なんか違くね?」

「兄さんは黙っててくれないか」

オルドスがジト目で見ている。

オルドスはデンドロニウムと一緒に魔王城の研究室に配属になっている。

正確には研究所の魔王城分室だ。

「ふーんだ」

「拗ねても可愛くないよ」

カイナスとオルドスはお互いそっぽを向く。


「まあまあ、2人とも仲良くね」

ユーミは適当にあしらって、仕事に戻る。

ちなみにロドリゲスは前魔王としてユーミのサポートに徹している。

ゴンザレスもユーミのサポート役として配属。

仲が悪いのか良いのかよく分からない感じで仕事している。



「ユーミ様、おはよーござまーす」

小柄な女の子が挨拶した。

チェン・シェン・ロンの娘のリン・シェン・ロンである。

東洋風の服装に、髪をお団子にまとめている。

ひたすら明るい女の子だ。

「お、リンちゃん、おはよー」

「ユーミ様、あのねー、あたしねー、お仕事してねー」

ちょっと頭が足りないのかな、という感じはする。

「うん、すごいねー」

ユーミは生暖かい視線で見守っていくつもりだ。


「うみゅー、あーねー、あたしねー」

というのが口癖だ。

頭はいまいちでも、戦闘力は高い。

意外なようでそうでもないかもしれないが、武術の腕前は高い。

父親のチェン・シェン・ロンが幼い頃から英才教育を施したからである。

鴛鴦華美流の使い手として育ったワケだ。


「エンオウカビじゃなくてぇ、ユェンヤンホワメイですよー」

「は? なんて? どこの方言?」

ユーミは聞き返した。

「ユーミ様、方言じゃないー、これは東国の言葉なのー!」

リンはプンスカと怒ったが、

「あはは、かわいーなぁ、リンは」

ユーミは笑って誤魔化す。


サンライド・ミドル王国の東には「ゴンフー・ミンホワ・ジョレン国」がある。

長いので誰も正式名称で呼ばない。

通称、東国。

チェンたちの出身地でもある。

チェンたち東国の魔族は人間との勢力争いの末、西北に位置する魔族領へ移住した。

そのため東国の文化に慣れている。



「あ、いたいた、ユーミ様」

「探したよ」

デンドロニウムとオルドスがやってきた。


ユーミは大広間で執務中……ということになっている。

大半の時間はこうしてだべってるだけである。


「色々と調べて見たところ、人間たちの生活水準は低下の一途を辿っています」

オルドスは言った。

「それこそ、勇者に頼ってひっくり返さなければいけないくらいに」

デンドロニウムが続けた。

「ふーん」

ユーミは興味なさそうにしていたが、

「じゃあ、それを促進させれば自滅させれるんじゃん?」

ふと気付いたように言う。

「そうですね」

「文明を支えるのに必要なのはネットワークですからね」

デンドロニウムとオルドスは、うなずいている。

「そのネットワークがなくなれば自然と衰退してゆきますよ」

「むしろ、積極的に分断してゆけば」

「あー、そうね、その辺は任せるわー」

ユーミは適当である。

だが、有能な部下が揃っているので、なんか適当に間に合ってしまうのである。


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