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竹取的な


今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむいひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば…


「せっっっまいわ、ぼけー!!!!」


口の悪い女子高生がいました…




そこからさかのぼること(?)数時間前…

「あー、だるー、しんどー、ねむー」

おっさん…いや、花の女子高生、竹山香久耶は古文の教科書、辞典を枕に、机に突っ伏してホームルームが終わるのを待っていた。

そんな彼女へ向けて…かどうかはわからないが、教壇に立つ教師は、いかに昔のの特撮映画が素晴らしく、現在のCGだらけの映画が嘆かわしいかを永遠と語り続けたのち、

「…では、明日から夏休みではあるが、大きな怪我をしたり、家出したり、そういうことがないように!!」

と、唐突にありがちな注意事項をのべ、おそらく1年の内で学生にとって最も楽しみな長期休暇が始まった。


「ほんと、無駄話長すぎでしょ、あの特撮マニア…」

と愚痴る、イライラ度マックスの親友、音姫の言葉に対し、苦笑いをしながらも香久耶は今日のこれからの予定を頭に思い浮かべ、自転車を押してあるいていた。

「それで?香久耶は夏休みどっかいくん?」

「うん、まあ、このままばあちゃん家にいくんよ。なんかこないだの台風で庭がヤバいことになってるらしくて、掃除要員だわ。そのまま何日か泊まるつもり」

香久耶のおばあちゃん思いな言葉を聞いた音姫は、興味なさそうに、ふーん、と聞いていたので、

「帰ったら連絡するから、それまでに宿題終わらしといてな」

「え?」

真面目な音姫の宿題をあてにした一言を最後に、香久耶は勢いよく自転車で走り出した。

香久耶の祖母の家は、香久耶の学校から自転車で約20分ほど行った山の中にあり、庭の先には竹林があった。

20分も真夏の空の下、山道を自転車で登ってきた香久耶は祖母への挨拶もそこそこに、冷凍庫からアイス、脱衣所からタオルを取り出し、庭にある井戸へと向かった。

香久耶の祖母の家には、いかにもな古めかしい、それこそ某呪いのビデオを観ると現れるという女幽霊が出てきそうな井戸がある。今では珍しい桶で汲みあげる方法で水を取り出せば、その水は夏でも冷たく、真夏の身体を冷やすのにはもってこいであった。


いや、裸で浴びるわけではない、足だけ水に浸けて涼を取るのである。香久耶、露出狂ではない。


「やっぱ冷たいしきもちいわー」

井戸のヘリに腰掛け、汲んだ桶の水に足をつけて涼んでいたのだが…突如としてバランスを崩し



…気づいたら竹の中

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