事件のあった日
事件当日。
覆面をした数人のグループが監視カメラの映像に写っている。
警官たちがその映像を眺めていた。
犯人グループは五人。確かに五人いる。しかしーー。
「おい、これ見ろよ!!」
若い警官がその場所を指を指す。
「なんだなんだ?」
入ったばっかの新人刑事が言う。
若い警官が指差している場所には、つい先日犯人だと通報された女が確かに写っている。
しかしこれは犯人と言うよりは、被害者である。
何せ、犯人グループの一人に腹部を刺され、救急搬送されている様子がバッチリと写っているのだから。
その頃、取調室では主任が例の女の取り調べをしているはずだ。
主任に伝えなくてはーー。
刑事は急いで取り調べ室に向かった。
コンコン。ガチャリ。
軽くノックをすると刑事は中に入っていく。
「ーー主任、大変です!!」
「なんだ?どーした??」
顔色一つ変えずに、主任は言った。
主任の耳元で何かを囁いている。
ハタから見ていると、とてつもなく不愉快だ。
「ーー何なんだ?何をコソコソやっているんだ??」
不愉快なまま、少し声をあらげる。
「ーーいえね、あなたがあの強盗事件の犯人だと匿名の電話がありましてね。こちらでその件を調べていたんですがね、、」
穏やかに主任は語る。