4 仲間との出会い
髭面の男の名はランド・アルといった。零士は街の入り口での一件以来アルと共に行動していた。
アルもあの三人組と同じく、例の武闘会に参加するためにリーアに訪れたのだ。
「零士よ、まずは腹ごしらえとするか。」
「はい。朝から何も食べていなくて、お腹が空いてたんです。」
「素直でよろしい。」
二人は飲食店を見つけ、席に着いた。
「親父!まず上手い水をくれっ!!二杯頼む!」
零士は字と言葉は理解できたのだが、単語の意味がわからず注文をアルに任せるのだった。
「ところで坊主、お前も武闘会に出るのか?」
「いえ、そんなつもりはまったくないです。それより実は、僕はこの世界の人間じゃないんです。」
「なんと!?転生者か!」
「うぅむ、聞いた事はあるが実在するとは、思わなんだ。」
「え?もしかすると他にも僕みたいな人がいるんですか?」
「うむ、すまん。あちこち旅はしたが、こうしてお目にかかったのは初めてだ。」
「そうですか、でも転生者の話しはあるんですよね?」
「うむ、何やら特別な力を持って現れると言い伝えにはあるがな。坊主も何かあるのか?その特別な力とやらを」
「一応は…」
「やはりか、こんな話しもあるぞ。この世界に滅びの厄災が降りかかるとき、転生者が現れる。とな」
「坊主が転生してきた理由は、それではなかろうか?」
「滅びの厄災?」
「この世界は、今までも何度か厄災に見舞われていてな。俺が子供の頃にもあったんだ。」
この世界では、たびたび厄災と呼ばれる魔族や巨竜の危機に見舞われているのだとか、それらに対抗する為に、国は優秀な者を集め強固な軍を作ろうとしているのだ。
そして、その為に武闘会を開き、参加者から見込みのありそうな者を騎士団としてスカウトをするのだ。
「坊主はこれからどうするつもりだ?」
「もし零士がよければだが、俺としばらく一緒に行動をせんか?俺は騎士団への入団に興味はない、俺の目的は厄災の噂の調査だ。」
アルは人柄もよく、そして豪胆で腕も確かそうで、この世界にツテの無い零士からすれば非常にありがたい話しだった。
「ありがとうございます、ですが僕にはやらなければいけない事があるんです。ただ…」
「ただ?」
「実はそれが分からないんです。だからアルさんにご一緒したいのですが、いつお別れするか分からない自分では、迷惑じゃないかと」
「そんな事は気にするな。坊主のやるべき事が分かれば、その時考えればいいだけの事だ。それに、俺は今仲間を集めているところだし、坊主以外も誘うつもりだ。その為にリーアにやってきたのだからな」
「それじゃあお言葉に、甘えてよろしくお願いします」
零士は右も左も分からないこの異世界で頼りになりそうなアルと仲間になった。
友軍勢力 一人
種類 ランド・アル(人類)
武装 両手剣
(クリティカル30%)
クロスボゥ
防具 プロテクトアーマー
(耐実体兵装)
マジックマント
(耐魔法攻撃)
「仲間になるやつの実力を知るには、実際に戦うのが一番だ、まずは武闘会に出るぞ。」
「はい」
彼らはまだ見ぬ仲間を求め、武闘会の会場に足を向けるのだった。
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