表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

427/428

コクーンの中に



 メーリカ艦長の命令後に、すぐに『シュンミン』は上空に上がる。

 するとすでに上空で待機していた僚艦の二隻が隊列を作り、カリン艦長の指揮する艦載機も順次『バクミン』に帰還していく。


「司令、カリン艦長より通信です。

 『無事に艦載機全機撤収が終わりました。

 被害なし』だそうです」


「良し、ではひとまずは『コクーン』に帰ろう。

 艦長、帝国の戦隊にも連絡を入れてくれ」


 俺は、カリン艦長の連絡を受けさっさとこのエリアからずらかることにした。

 旗艦艦長であるメーリカ姉さんもそのつもりだったようで、すでに帝国の戦隊とは連絡を取り合っており、俺達がこのエリアから離れるとすぐに俺達の戦列を護衛するように囲んで一緒にフェノール王国の首都宙域から帝国で言うところの戦列巡航速度で動き出す。


 これはダイヤモンド王国軍の巡航速度と一緒で、しばらくは4AUで移動していく。

 正直俺達の巡航速度はこの倍近くあるので、遅くは感じるが俺達のすぐそばまで敵さんの戦隊が……1,2,3と、え〜いつの間にか戦隊規模で3つも来ている。

 よく暴走しなかったな。

 戦力規模なら、ほぼ同等か、それ以上敵の方が勝っているのに。


 まあ、首都の王宮が一度占拠されているので、人質も考慮しての行動だろうが、バカはどこにでもいる。

 敵の暴走がなかったのは奇跡に近いのかもしれない。


 俺が、感慨に浸っていると、メーリカ姉さんが話しかけてきた。


「司令、帝国の戦隊司令から通信がありました。

『アイツラどうする』って感じのものですが、攻撃しますか?」


「いや、アイツラの方から手を出してこない限り、こちらからの攻撃は無しで」


「はい、返事をしておきますが、もし問題なければ理由も……」


「なんでもないよ。

 法的に被疑者護送中に、攻撃でもされれば反撃できるけど、ただついてくるだけならば、先制攻撃はまずいでしょ。

 王都にいる連中にどんな文句を言われるか……ね〜〜」


「まだ、被疑者逮捕の体を取りますか」


「それしかないでしょ、今回の作戦は」


「は〜〜、わかりました。

 引き続き警戒だけはしてまいります」


 俺達は帝国が誇る二個戦隊に守られながら割と近くまで来ていた『コクーン』に合流して、俺達の戦隊だけが『コクーン』内に入っていく。


 護衛してくれていた、また、そのうち1つは王宮内突入に際しても兵を派遣してくれた帝国の戦隊だが、引き続き『コクーン』の護衛に当たるそうだ。


 首都星では3つあった敵フェノール王国の戦隊も、『コクーン』までついてきたのは一個戦隊で、多分だが、残りはすぐに王宮に向かったのだろう。

 俺でもそうする。


 攻撃できるのならば戦力の逐次投入は避けるが、そもそもあの状況では俺達に攻撃など普通はできない。

 ダイヤモンド王国に所属する我々だけなら躊躇なく攻撃してきただろうが、グラファイト帝国が、その所属を明らかにして俺達を護衛しているのだ。

 

 もともと、今回の作戦に当たる前に、アミン公国側からも帝国の外交団がそれなりの兵力を持って近づいてきているのだ。

 フェノール王国の軍部もはじめはそちらを警戒していたのだろう。

 王宮が襲われたという情報を得てから、あれだけの兵力を揃えて現場まで駆けつけてきだだけでも上出来だと思うが、そもそも王宮が攻撃された段階でこの失点は誰も許してはくれないだろうけどとは思う。


 国力が段違いに違うグラファイト帝国相手に今更戦端を開けるはずもないのだ。

 もともと国力の大きなダイヤモンド王国との戦闘状態も続いている状況で、あり得えない。


 しかし、だからといって王宮の状況も掴めていない段階では俺達の行動を監視するしか手は残されていない。


 我ながらよくできた作戦だった。

 まあ、これは国力比で段違いな帝国のほとんど占領すると言わんばかりの兵力の協力あってのことだが、それだけ帝国側も『コクーン』が盗まれたことについて恨んでいたのだろうな。


 国王の身柄については、そのまま帝国に預けることになるけど、捜査については協力して共同で当たることになる……のだろう。

 ダイヤモンド王国の国内が少し心配にはなるけど、こればかりは、そもそも今回の作戦に投入したリソースの割合からして、主体が帝国になるから致し方ない。


 そういうふうに俺が思っていったのだが、でなければせっかく捕まえた犯人を政治取引に使われる恐れがあるからな、今の国内は。


「司令、『コクーン』から進入許可の管制が入りました」


「艦長、順番に管制に従おうじゃないか。

 順番は『シュンミン』が先になるのかな」


「はい、そうなります。

 ラーニ航宙士、指示に従い進入していく」


 今は戦闘状態を維持しているので、艦橋も船員が揃っている。

 操舵輪を握っているのは、『シュンミン』が改造された頃からの航宙士を務めているラーニ准尉だが、そろそろ彼女も昇進させないとまずそうだ。

 まあ、今回の逮捕劇で俺等には相当功績というのが溜まるだろうから簡単にできそうだが、そのあたりについても王女殿下にあったら相談していこう。


 俺達は『コクーン』からの管制指示に従い、お行儀よく順番に『コクーン』の中に入っていった。


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
今気づいたけど、アメリカがやっちゃったことぽっくてびっくりしたw
フェノール王国軍部はダイヤモンド王国より優秀ですね統制とれてる 被疑者逮捕を謳う事を避けたので、冷静な判断できたからかも
ところで。 この世界での戦時法から見て、 『戦闘時の異常な光量・音量・その他()の使用』 はどういう扱いでしょう? さらに非戦闘員に対する場合は? 一寸『戦時法違反 目つぶし』でググったら、 >ハー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ