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Вечный меч и огонь льда ──永遠の刀と氷の炎──

Вечный(ヴェチヌィ) меч(メェチ) и() огонь(アゴヌィ)льда(リダ)

まだロシア語始めて4か月ぐらいなのでフリガナ間違っていたらごめんなさい。


ノベルアップ+に同じものを掲載しています。


ロシア語部分は翻訳機を使いました。

ここはロシアのとある高等学校。しっかりとした作りの建物に二重窓が冬の厳しさを匂わせている。

校庭に植えられたニセアカシアの木が風に吹かれて残った枯れ葉が冷たい空気に囁きを残す。


Анна(アンナ), почему(パチムー) ты(トゥィ) любишь(リュビィシ) Японию?(イポニーユ)(アンナ、ねえどうしてあなたは日本がそんなに好きなの)」

ナターシャは振り返って後ろの席のアンナに尋ねた。ふたりとも色が白くてプラチナヘアで精巧な人形のような美しさをたたえている。

アンナは夢見がちな少女で、漫画やライトノベルに書かれている事と現実の区別がつかないようだった。


Я() думаю(ドゥマユ), самураи(サムライ) прохладно(プロハラドゥナ)(サムライがカッコいいから)」

アンナは日本にサムライがいると信じていた。ナターシャはびっくり箱のふたを開けた時のように目を見開いてから告げた。


Сегодня(シボードニャ) в() Японии(イポンニィ) нет(ニエット) самураев.(サムラエフ) Полиция(パリィツャ) придет,(プリディト) чтобы(チトブィ) поймать(パイマチ) тебя.(テブヤ)(今の日本にサムライはいないわ。いたら警察に捕まる)


それでもアンナはナターシャを否定した。


Я() уверен,(ウベリィヌ) что(シトー) он(オン) где-то.(グジェトゥ)(彼はきっとどこかにいるわ)」

アンナは固く信じていた。姿は違えどサムライの心を持った日本人がいると。



 数年後、アンナは一人の旅行者として日本に降り立った。知り合いもいない当てのない旅。アンナは独学で必死に日本語を勉強してなんとか話せるようになっていた。


 観光案内を見て日本の神社仏閣をまわる。日本的な場所を訪れれば、サムライの心を持った人がいると信じて。一日たち二日たち三日目になってもそれらしい日本人には出会わなかった。


 疲れた足取りでホテルへの道を急いでいたアンナは何故か妙な場所に入り込んでしまった。

「道は覚えているのにおかしい」

アンナは元来た道を引き返そうとしたが、なぜか同じ場所に出てしまう。歩き疲れたアンナはその場にしゃがみこんだ。


「異国の女め」

誰もいないのに野太い声で呟きが聞こえる。アンナはあたりを見回すが自分しかいない。


「まがまがしい物を連れた異国の女めが」

声はだんだん大きくなってくる。アンナは悲鳴を上げた。恐怖の声は悲しくこだましただけだった。


「あれ変だ」

アンナの手足は動かせなくなり、身体は見えない糸で縛られたようになった。


「そこまでだ」

聞いたことのない男性の声が響くと、反対側から一人の日本人が現れた。彼は何もいない空間に手をかざすと印を結ぶ。同時にさっきの声の叫びが聞こえて、アンナは金縛りから解けた。


「雑魚のくせに」

男は空間を目で追った後にアンナの方を振り向く。黒い髪に端正な顔立ちのスエット姿にGパンというどこにでもいる若者だった。


「最近外国人を狙って雑霊が悪さをするのさ。君ケガはなかったかい」

「ありがとう」

「あれ、まだ何かい・・・・・・いやなんでもない」

「私はアンナ、ロシアから来ました」

「俺は朽木京介、俳優の卵だ」

「タマゴ?」

「初心者ってことかな。日本語は大丈夫」

「少し」

「そして見ての通り、副業で除霊もしている」

「あー悪霊退散ね」

アンナは漫画から得た知識を思い出した。イポニーツのコミックスで一台ジャンルになっていたからだ。


「まだ、何か憑りついているようだな。ちょっと除霊した方がいいかもしれない。名刺を渡しておくから何かあったらアパートに来な」

「お金かかりますか?」

「今回はサービスでいいよ」

話しが終わると朽木はアンナの前から去っていった。アンナはホテルの方へ足早に戻っていった。






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