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フレディとフレディア

作者: 瑞目叶夢

ある森の奥に大きな湖があり、それはそれは美しい金魚のフレディアが居ました


 フレディアはその森の女王様で

どの金魚よりも美しく大きな金魚でした。

そして、この森では満月の夜は生き物たちが人になって踊る夜があり、

フレディアもその日は美しい朱い髪で朱色のドレスを着た姿で美しい歌を歌うのです。


そして今晩も満月です、フレディアは、その美しいひれで、湖を優雅に泳いでおりました。するとそこに、ひらひらと青く大きな蝶々が飛んできました。


その蝶は本当に美しくフレディアは、自分の自慢のヒレよりも美しく思い、水面まで行きました。


「そこの蝶さん、お名前をお伺いしたいのですが」


すると蝶はびっくりしました。


「わぁ!なんて美しい金魚さん!私の名前はフレディ、隣山から越してきたものです」


「まぁ!あなた私と一字違いなのね!素敵だわ!私の名前はフレディア!お友達にまりましょう!」


フレディアは、嬉しそうに尾びれを振り、とても喜びました。

フレディは、喜んで友達になりました。


そしてその晩の満月、フレディアは、フレディを踊りに誘いました。

フレディは、青い髪に黒い燕尾服を着ていました。


フレディアは、生まれて初めて地面に足をついて踊りました。


フレディと踊るダンスはフレディアにとって今までで一番楽しいダンスで、

フレディアは、一晩中フレディと踊り

それは、森の生物達も微笑ましく見惚れるほどで


だから忘れていたのです、森の生物達は満月の夜しか人になれない事を


月が沈み太陽が登る明け方、フレディアは、湖からとても離れているのに

月の力は弱まり、どんどん人の形をなくします


「あ、あぁやだ待って!」


必死に走るフレディアをフレディも湖へ運んで上げようとしましたが、手が羽に変わってしまい助けることが出来ません


「フレディア!フレディア早く湖へ!」


早く早くと気が急くばかりで、足は尾ビレにかわり手を伸ばしても胸ビレになりフレディアは、あと一歩という所で、陸地で金魚になってしまいました。


「あぁ!フレディア!僕が!僕が陸地になんて誘ってしまったから!」


フレディは悲しみました。


「いいえ、フレディ、私がお月様との水辺で歌い続けるというお約束を

忘れてしまったのがいけないのです、

だからどうか気にしないで」


フレディアは、とても優しく言いました。

それでもフレディ諦めることができず、周りにいた、動物達に助けを求めました。


そして、カエルが言いました。


「私のこの長い舌で、彼女の体を湖まで引っ張りましょう!」


そして、ミミズが言いました。


「ならば私は、仲間を集めて彼女が怪我をしないよう、その下を柔らかくしましょう」


そして鳥が言いました。


「ならば私達は、彼女が乾かないよう、葉っぱでお水をかけましょう」


そして、フレディは、言いました。


「あぁ!僕は何をすればいいだろう、僕には何も力が無い!」


すると、池の金魚が言いました。


「フレディ、あなたはぜひその美しい羽と声で、彼女を元気つけて頂戴!貴方には、その力があるわ!」


「そうか、フレディア、フレディア!頑張って!すぐにみんなが助けてくれるから頑張って!」


そしてミミズが仲間を連れてきて土を柔らかくして、鳥が水を運び、カエルが彼女を自慢の長い舌で引っ張ります。

そのカエルを湖の金魚達も手伝います。


よいしょよいしょよっこいしょ!ボチャン!


そしてフレディアは、、湖に入ることが出来ました。


「あぁ!カエルさん鳥さんにミミズさんそして、金魚達とフレディ!皆さんどうもありがとう!おかげでまた、この湖に戻れた!本当に本当にありがとう!」


フレディアは、それはそれは喜びましたが、フレディはとても落ち込んでい言いました。


「あぁ、フレディア、僕は何もしていない君に声をかけ、周りを飛んでいただけなんだよ、」


フレディがそう言うと、フレディアは、それはそれは優しい声で、


「いいえ、フレディ、貴方がみんなを集めてくれたから私は、助かった。貴方が声を掛けてくれたから私は、元気が出たのよ、何もしてないなんて事無いわ」


フレディはその言葉に感激しました。

そして、フレディとフレディアは、何度も満月の晩に、仲良く歌を歌い続けました。


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