保健室で出来事。
目を開けたらそこはとても美しい顔と大きな桃が2つあった。
「あ、やっと起きましたねー。」
甘酸っぱい声で話しかけてくる女の人がいた。
「ここは??あなたは??」
「ここは保健室よ。そして、私は部活・サークル勧誘委員会3年の吉沢楓です。あなたが正門前で奇声をあげて倒れて、ここに運ばれて来たのを私がちょうど看病していたところなのです。」
自慢げに鼻を鳴らしながらこっちを見てきた。そんな無邪気なドヤ顔に見とれてると、吉沢先輩が質問をする。
「君の名前は?あとなんで正門で奇声なんてあげてたの?」
彰憲は顔面を引きつる感覚を感じた。それもそのはず、(大学生にもなって人に注目されるなんていえない。)まぁ一般的には問題ないのだろうけれど、彼の夢が政治家ということも関係しているのだろう。きっと彰憲と同じように、人の注目浴びるの苦手な政治家もいるとおもうよ!!たぶん!!!!
とりあえず自己紹介だけして、その先のことは後から考えることにした。
「えーっと僕は法学部政治学科1年のさk」
名前を言いかけてる途中で吉沢先輩が物凄いテンションで彰憲の話を遮る。
「え!政治学科の!!!私もなの!!」
こちらが少し驚いていると、吉沢先輩がハッとし冷静さを取り戻した。
「ごめんなさい。この学校政治学科の学生だけ極端に少なくて、違う学年の人に会うとテンション上がっちゃうのよ。今度はちゃんと聞くからもう一度おねがい出来る?」
確かに、この学校の政治学科の人数少なさは異常だ。経済学部などがひと学年500人程度なのに対し、政治学科は30人いるかいないかだったはず。でも、それだけでこんなにテンション上がるものなのか?と、思いながら自己紹介の続きをしようとした時。
「おい、楓なにしてるそいつが起きたならさっさと行くぞ。」
どこからともなく現れて不機嫌そうに、ぶっきらぼうに吉沢先輩を呼ぶ声が廊下から聞こえた。
「あ、ちょっと待ってよ柴田君!」
慌てながら、ドアの方へ向ってる吉沢先輩が保健室を出るギリギリのところで彰憲に声をかける。
「また今度どっかで自己紹介の続きやろうね!あと、君の具合が良くなるまで寝てていいからね!」
そう言って吉沢先輩はウインクしながら小走りで走っていった。
「吉沢先輩可愛いな~あと胸大きかったな・・・」
小声でつぶやいた彰憲は、少しの間悶えたあとに、吉沢先輩の言う通り寝ることにした。特に具合は悪くなかったが、この余韻に浸りたいのであった。