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ワンモアチャンス!!  作者: ちーまる
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一歩

 あーたんとアネさんは私の様子を見ながら、レモンティーを飲んでいた。

 私は、ようやく涙が止まったのを確認しつつ二人にお礼を述べておかなきゃと思い

「二人とも、今日は本当にありがとう。実は人前で涙流したのも初めてでして・・・」とょっと照れながら言うと

 あーたんは飲んでいたレモンティーをこぼしそうになりながら

「絵莉、プライド高いでしょ?今度からはそんなプライド捨てなよ?絵莉には私とアネさんがついているんだから」と言うので私は

「うん。分かった。今度からは何でもあーたんとアネさんに相談するね」と言いながら私は自分の顔をパンっと両手で叩いた。


「気持ちの切り替え完了です!」私がそう言うとアネさんが


「じゃ、本題に入ろうかしら?絵莉ちゃん、その莉菜ちゃんとは正式にお付き合いしているのかしら?」アネさんは目をキラキラしながら言ってきて私は、顔をしかめた。


 あーたんが「ちょっとアネさん、いきなり過ぎる質問でしょ!確かに気になるけどさ」とあーたんが私の方を見ながら返事を待っている。


 私は今日の放課後に起きたこと、これまでの莉菜からの呼びだしされていたことについてなどをこと細かく二人に説明した。


 二人は私の話を聞き終わってから口をポカーンと開けていたが、あーたんが


「ちょいまち、それってまだ付き合っているわけではないけど、桜さんの気持ちが絵莉に向いたら付き合うってこと?」って聞いてくるので私は頷くことしかできなかった。


「何かレベルの高いゲームやらされている感覚になりそうだけど、少なくとも桜さんは絵莉に興味があるし、絵莉のことを恋愛対象としてみたいってことだから、これからの絵莉に期待って感じかね?」


そう言いながらあーたんはクッキーをもぐもぐ食べながら言うなか、アネさんが頷きながらレモンティーを飲む。飲んで一息ついてから


「莉菜ちゃんは莉菜ちゃんで一人葛藤しているのね。でも良かったんじゃないのかしら?これから堂々と莉菜ちゃんとも接することもできるわけだし。それよりも二人のキスの話が気になるわね」


とニヤニヤしながらアネさんが言ってくるのをいいことにあーたんも


「本当に気になる。あの桜さんがそんな大胆で攻める側なんて、そして絵莉は案外されたらされるがままな感じもまたねー」

とニヤニヤしながら言うので私は顔を赤らめながら「キスの話はもうこれでおしまい!!!」と言いながら皿に沢山盛りつけられているクッキーをもぐもぐと食べた。


 そんなこんなで時間はもう五時を過ぎていたことに気づき、アネさんが


「じゃ、今日はこの辺でおしまいにしましょうか。あなた達、明日も学校なんだからもう帰りなさい」と窓から外の景色を見ながら言っていたのだが、窓の外からでもよく知る人物が店の前を通り過ぎて行ったのを私は見逃さなかった。


「今の莉菜ちゃんじゃないかしら?部活帰りかしら?絵莉ちゃん、早く追いかけないと彼女が遠くに行っちゃうわよ。少しでも一緒にいる時間を作らないと!」とアネさんも莉菜だと確信したのであった。


 あーたんは私にカバンを投げながら「絵莉、早く行きなよ!私はこのまま真っすぐ帰るからさ」と言ってくれて私は二人にペコリと頭を下げて店のドアを開けて莉菜を追いかけた。


 莉菜、どこにいるの。どっかのお店に入ったとか?とりあえず私は周りの店をグルリと見た。大通りはとにかく店とビルが沢山ある。


 私は「あーもー!!!莉菜!!!どこにいるの!!」と私は人目も気にせずに叫んでいると


「ちょっと、恥ずかしいから叫ぶのはやめてくれないかしら?人目につくような真似はしないで」

 と背後から私の大好きな莉菜がいて私は思いっきり莉菜を抱きしめた。


 莉菜は一瞬力を込めて離れようとしたが、直ぐに力をぬき数秒間黙っていた。


「もういいかしら?いい加減そろそろ離れてくれないとギャラリーがさらに増えるわよ」と言われ


私は莉菜から離れ周りを見てみた。そこには「いいねぇー。若いって青春だね~」などと言いながら私と莉菜を見ているギャラリーが何人かいて、私は顔が真っ赤になるのを直ぐに感じながら莉菜の手を握ってその場から走り出して、少し静かな公園まで走った。


 私は「莉菜、ごめん!抱きしめるつもりはなかったんだけど我慢できなかった」と謝ると莉菜は


「もういいわ。いつもの絵莉に戻ってるみたいだし、ただもう少し理性を保って欲しいわね」と言いながら公園のベンチに座るので、私も隣りに座ることにした。


「ところで莉菜、こんな時間に何してたの?」私は普通に気になったことを莉菜に聞いてみると


「校内の点検よ。私の仕事だからね。校内点検していたら絵莉の机の中からノートがでてきたの。申し訳ないと思いつつも絵莉のノート見せてもらったわ。でももう心配なさそうね。安心したわ」そう言いながら私にノートを渡してきた。


「ノートの中身みたんだ。ごめんね。莉菜に心配をかけるとか私失格だな。でも、もう大丈夫だから。私が莉菜のこと守るし、ずっと傍にいるから!」と莉菜に言うと


莉菜は冷静に

「まだ正式に付き合ってはいないのだけれど、そうね。その気持ちは嬉しいわ」


と言いながらカバンの中をゴソゴソとしながらミカンジュースの缶を二つ取りだし、「はい、どうぞ」と私にくれた。


「ありがとう。でも何でミカンジュース?と言うか私の分までなぜ?」と聞くと


「絵莉は質問するのが本当に好きなのね。ミカンジュースは幼少期、二人で飲んでいたからよ。絵莉の分があるのはたまたまよ」


と言いながら莉菜はゴクゴクと飲んでいた。喉乾いていたのかな。さっき走らせちゃったせいもあるよねと思いながら私もゴクゴクと飲んだ。


 私は無言で一気に飲み終えてから「この缶は宝物にしなくては!」と言うと


莉菜は「なにバカなこと言ってるの?ただのゴミでしかないわよ」


と言いながらゴミ箱に缶を捨てながら言ったので、


「ゴミじゃないもん!莉菜が初めてくれた物だから大切にするの!」と私が言うと


莉菜は「呆れた子ね。これからもっと接することも多くなるのに」と言いながら私の方へと来ながら、私の膝に座ってきた。


「あの莉奈?どうしたのかな?」私は顔が赤くなるのを感じながら莉菜の瞳を覗くように聞くと


「いちいち聞かなくても分かるでしょ?」と莉菜は少しだけ頬を赤らめながら私の顔に近づいてきて、

 私の唇が莉菜の唇と重なった。


「んっっ・・・」と思わず莉菜の声が漏れてしまったのを私は聞き逃さなかった。


 私は莉菜から唇を離して「莉菜、大好きだよ」と言いながら今度は私から莉菜の唇に近づきいつもより少し長いキスを誰もいない公園でした。


 莉菜はある程度してから、私の膝から下りて


「ねぇ、私デートというのをしてみたいのだけれど絵莉してくれるかしら?」と言われ私は目をパチくりしてしまった。


 莉菜も色々努力というかチャレンジしてみようと思っているんだな。と私は改めて思い「もちろん!どこに行きたい?希望はある?」と聞いみたら


「絵莉に任せるわ。楽しみにしているから今週の日曜日にしましょう」言うので私は「OK!分かったよ」と言いながら二人で途中まで帰ることに。


 ある程度歩くと「ここで別々ね。また明日学校で」と言いながら莉菜は帰って行った。


 私は莉菜が見えなくなるまで見続け私も帰ることにしようと歩きながらデートについて考えてみた。

 はて、デートってどこに行けばいいの?つか、なにすればいいの?


 そう、「大見え切ったのはいいけど私デートとかしたことないじゃん!!!!

 やばーい!!!!明日、また二人に相談だー!!!」と叫びながら私は家へと走って帰った。


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