無事に終了?
バイトを始めてかれこれ約束の二週間のラスト日。
私はいつにもまして、バイトに励んでいた。
それもそのはず、こないだ莉菜の水族館が好きだと言う事を知ってから、必ずこの旅行は成功させなくてはと心に誓ったのである。
お店の中は、結構お客さんも来ているので何かと忙しい。
あーたんも最終日とあってか、いつもとやる気が全然違うように見えるのは気のせいだろうか。
そんなこんなで、私とあーたんはラスト日を無事に終えることができた。
二人でアネさんの帰りを待っていると、アネさんが元気な声で入ってきたので私とあーたんは
「「お帰りなさい!」」と同時に言いながらアネさんを出迎えた。
「ちょっと、あなたたち二週間で何か大人びた感じになったわね~。仕事は大変じゃなかった?お疲れ様」
アネさんはそう言いながら、カワイイ柄の封筒に現金を入れ私達に手渡してくれる。
私とあーたんはお互い顔を見ながら
「「ありがとうございます!」」と言いながらジャンプしたりして喜んでいた。
アネさんはそんな私達を温かい優しい目で見ていたので私は
「アネさん、どうかしましたか?あと旅行?的なことも楽しめましたか?」
と聞いてみるとアネさんは顔を真っ赤にしながら
「それはもう楽しんだわよ!二人のおかげで私は最高のバカンスを楽しめたわ!毎日の夜を思いだすわ。あんなことやそんなことなど」
と絶対聞いてはいけない言葉が続いたので私はちょっと変なことを想像してしまった。
「とにかく二人のおかげで助かったわ。本当にありがとう。ところでそのバイト代なにに使うのかしら?」
アネさんはテンションが高いまま質問してくるので、あーたんが
「私と絵莉、そして莉菜の三人で旅行に行くんだよ。そして絵莉は莉菜にもう一度告白するんだよ」
と言うとアネさんは
「あらま、小樽何て素敵な所を選んだわね。絵莉ちゃん、いよいよ勝負の時ね。ちゃんとプランは考えてるの?」
アネさんは真顔になりながら真剣に聞いてきた。
さっきまでのアネさんはどこへいったんだろうと思ったが、そんなことは気にせずに私はとりあえず考えてることを話すことに。
「莉菜、海の生き物が好きみたいなんで水族館の中とかで告白しようかなとか考えてるんですけど」
と言うとアネさんとあーたんが、いきなり笑いだしたので私は少しイラっとした。
「絵莉、水族館で告白とか、人が沢山いるのにいいの?それに莉菜のことだからお魚に夢中だと思うよ」とあーたんが言うとアネさんは黙って頷く。
私はよく考えてみることにした。水族館に行き、魚を見て楽しむ莉菜、そんな楽しむ莉菜を見ている私。そして出口まであっという間に着き終わる。
うん。これはダメだなと私は再確認した。
あーたんは、うなだれる私を見ながら
「だから、告白する場所とかは私に任せておいて。ちゃんと二人だけの場所を作るから。だから絵莉は早くプレゼントの用意をしなね!」
そう言いながらあーたんは、クッキーをモグモグしている。
「うん。分かったよ。あーたんに任せる。私はプレゼント選びをって、そうだ!アネさんにお願いがあるんです!」
私はとても重要なことを思いだしてアネさんに飛びつくとアネさんは手で落ち着けと言っている。
私の考えてるプレゼントはアネさんの協力無しでは絶対にゲットできない。
あーもー。
私は頭をわしゃわしゃしながらあーたんにあることを聞いた。
「あーたん、旅行いつ行く?まさか直ぐに行くとか言わないよね?」
あーたんはポカーンとしながらスマホを見つつ
「んとね、ホテルの予約とか先にとっておいたこと言ってなかったっけ?ちょうど一週間後だよ」と何食わぬ顔で言うあーたんを見て私は、アネさんに泣きついた。
「アネさん!莉菜のプレゼント作るのに協力してください!」
私はアネさんに懇願するとアネさんは優しい笑顔でもちろんよと顔で言ってる。
これから一週間、本気で莉菜のプレゼント作りに励まないと。
そして私はとりあえず渾身の力を込めてあーたんにチョップをしてやった。




