ワクワクへの一歩
バイト情報の雑誌などを読んでいたら空はもう真っ暗になっていた。
今私はあーたんとバイト情報の雑誌を読みふけっている最中で、とにかく時給のいいバイトを探すのに必死だった為に時間を気にしないでずっと探していた状況だったのだが、スマホから着信があり誰だろうと思い電話に出たら莉菜からの電話で私はヤバいと思いながらも電話に出ることに。
「絵莉?あなたいつまで遊んでいるの?お母様が帰りを待っているわよ。早く帰ってきなさい」
莉菜は一方的に言うだけ言って電話を切った。
あーたんは私の顔を見てドンマイ!と言いたそうな顔をしている。
何だろう、あーたんのこと叩いてやりたいと思いながらも、その感情は抑えてそろそろ帰らないとなと思っているとあーたんがバイト情報の一部を指しながら言ってくる。
「絵莉、このバイト良くない?時給千円超えの短期アルバイト」
私はあーたんが指を指している箇所を見る。
内容はゲームセンターでのアルバイトで景品の品出しやゲームの機械の設置などと書かれている。
私はその内容を見てこれなら稼げるからいいなと思いあーたんに
「うん、これいいね!友達同士でもOKって書いてるしここにしよ!」
あーたんも頷いたのでそろそろこの辺でお開きにしようと思ったら、聞き覚えのある声が、私を呼ぶのであった。
「二人ともこんな時間に何してるのよ?」
そうアネさんである。私のヒーローでもあるアネさん。
「アネさんこそ何してるんですか?お買いものですか?」
私がアネさんに聞くとアネさんはニコニコしながら頷く。
「で、二人は何してるの?」
「バイト探し!受けるとこは決まったけどね」
あーたんは嬉しそうに言っておりアネさんはそうかと言うようにポンっと手をうつ。
「ちょっとそんなとこのバイトじゃなくて私のとこでバイトしない?そこよりもお金出すから!」
アネさんは目をキラキラさせながら言ってくるので私とあーたんはとりあえず話を聞くことにした。
「実はね、明後日から私二週間お店閉めなきゃいけなくて、お店を休むしかないかな~と思っていたのよ。でも二人が私のお店でバイトしてくれたら店を休むこともしなくて済むしどうかしら?」
なるほどと私は思いあーたんにどうする?と目で伝えるとあーたんが
「時給千円超えるならいくらでもお手伝いする!」
と言いだしたので私も指でグッとした。
アネさんは大喜びし、私とあーたんはアネさんのお店でバイトをすることに決めたのだが、でも二週間じゃそんなお金稼げないなと思いアネさんにそのことを聞くとアネさんは
「大丈夫。私の恋愛が上手く言ってるから、時給とか関係なく一人給料15万でどうかしら?」と言われ私とあーたんは
「「よろしくお願いします!」」と頭を下げた。
「じゃとりあえず明日私のお店に来てね」
とアネさんは言いながら帰って言ったので私とあーたんも帰ることに。
私は家のドアをソロソロと開けながら入る。リビングにはママと機嫌の悪い莉菜がいた。
ヤバい。かなり機嫌が悪い。そんなことを考えているとママが
「ちょっと、帰ってくるの遅すぎよ。せっかくオムライス作ったのにもう冷めてるわよ。それと莉菜ちゃんに寂しい思いをさせちゃダメじゃないの」
とママから言われ私はペコペコと頭を下げる。
「遅かったわね。こんな時間まで何していたのかしら?勉強はするわよね?」
莉菜が冷静になりながら私のことを見ている。
お願いだからその目はやめて。
本当に怖いなと思いつつも私は莉菜にアルバイトの件を話すことにした。
「あーたんとアルバイト探ししていたんだけど、何かアネさんのお店でバイトすることになったんだよね。で、とりあえず明日アネさんのお店に行く」
私は言い終わった後にペコリと頭を下げた。
莉菜はため息をつきながら
「バイトすることに関しては何も言わないわよ。ただ遅くなるならちゃんと連絡入れなさいよ。私もお母様も心配するんだから」
莉菜は耳を赤くしながら言うので私は莉菜の頭をワシャワシャと撫でながら、オムライスをせっせと食べることにした。
そんなこんなでもう夜の11時を過ぎようとしていることに気づき、私は明日の準備をしなくてはと思い適当なスポーツTシャツにジーンズを用意してベットにダイブする。
隣を見るとそこには、目をゴシゴシしながら眠いのを我慢しながら本を読んでいる莉菜と目が合う。
「やっと電気を消せるわね」
莉菜はそう言いながら私の部屋の電気を消す。
私の部屋の電気はリモコンで操作ができるので、莉菜にいつでも使えるように渡しているのである。
「眠い中、遅くまで付き合わせてごめんね。おやすみ莉菜」
私は莉菜の頭を撫でながら数秒で寝付いた莉菜を見ながら、私も直ぐに深い眠りについた。
朝目覚めると、隣には私の顔をジーット覗きこんでいる莉菜がいる。
私は目をゴシゴシこすりながら莉菜に
「おはよー。莉菜、起きるの早いね。今日は学校休みなのに」
そう言いながら私は莉菜に抱きついた。
「ちょっと離れなさいよ。絵莉、今日アネさんのとこに行くんでしょ?寝ぼけてないで早く準備しなさい」
私は莉菜からスライムを剥がすような感じで離された。
私はちくしょーと思いながらスマホを見たらあーたんから着信がきていたので、あーたんに電話することに。
「絵莉~。起きるの遅いぞ~。アネさん、昨日何時に集合とか言ってなかったから聞いたんだけど、そしたら準備でき次第二人できてと言われたからさ。電話したんだけど、今から準備して出れる?」
私は頭をかきながら
「ん~。今起きた~。でも着替えれば出れるよ~」
私がそう言うとあーたんは
「じゃ、ロビーで待ってるね~。実は今、絵莉のマンションのロビーにいるから。じゃ、はよ下りてこいよ~」
あーたんはそう言って電話を切った。
私は数秒間思考が停止したが、直ぐに動きだす。
急いで洗顔、歯磨き、着替えを済ませる。
「じゃ、莉菜行ってくるね!」
私はそう言って部屋を出ようとしたら莉菜に服を引っ張られて何事じゃ!?と思いながら莉菜の方を見ると、莉菜は顔を赤くしながら
「早く帰ってきなさいよね。行ってらっしゃい」
と言いながら私を見つめていた。
莉菜はたまに甘えん坊になると言うか何かよく分からないけど、とにかく私の理性を崩壊させようとしてくる時がある。
理性が崩壊する前に出なくてはと思い私はにこやかに莉菜の頭を撫でながら
「行ってきます」と言いながら部屋をでた。
急いでロビーに行くとそこにはあーたんがソファーに座って待っていたので私はダッシュであーたんのとこに向かう。
「お~。おはよって、莉菜大丈夫?顔真っ赤じゃん」
あーたんは音楽を聞いていたのかヘッドホンを取りながら言ってくる。
「大丈夫大丈夫。じゃ、アネさんのとこに行こうか」
私は平静を装ってあーたんに言う。
実際大丈夫じゃないけどね!
あーたんはどこか納得でいない顔をしていたが、立ちあがり歩きだす。
私はあーたんの隣りを歩きながら二人でアネさんの店に向かうことに。
バイトって初めてだからワクワクするなと思いながら私はまた一歩歩きだした。




