次の作戦
空は快晴、そして私の心も久々に超絶快晴である。
そう、今私は莉菜と学校にゆっくりゆっくりと通っている最中。
昨夜のママの話から、今日ママに言われたのが
「莉菜ちゃんの怪我が治るまで私の家から通うようにしなさい」
という話が提案されたのである。
莉菜は最初遠慮していたが私がほぼ強引にここに居るように言ったら大人しく頷いてくれたのだ。
なのでこれからは二十四時間、莉菜と一緒にいれるということ。
嬉しすぎて私は朝からニヤニヤが止まらないのだが、横では松葉杖を器用に使いながらゆっくり歩いている莉菜がいる。
私はそんな莉菜を見ていると莉菜がちょっと頬を赤くしたのでなおさらニヤニヤが止まらなくなってしまった。
すると莉菜は一度歩くのを止めて私の方を向きながら
「絵莉、あなた私と二十四時間、一緒に入れるのが嬉しいからそんなにニヤニヤしているんでしょうけれど、私はお世話になる分、あなたにはがっつり勉強を教えるから覚悟しときなさいよね」
と言ってきた。
私はこないだのスパルタ勉強を思いだして冷や汗がタラタラと流れてくるのが分かるくらい制服が汗で濡れている。
「いやいや、そんな勉強を教えて貰わなくても私は大丈夫だよ!しっかり勉強しているから!」
私は苦し紛れな嘘をつきながら、ゆっくりとまた歩き出した。
後ろからは恐ろしいオーラが出ている莉菜がいるが私は気にしないことにする。
莉菜は軽快に松葉杖を使いながら私の傍にきて、目で何かを訴えていたが私は知らないフリをすることに。
そのまま数分間歩くと、学校の校門が見えてきて私はやっと学校に着いたのかと思いながら莉菜と教室に向かっていく。
教室に入ったら既にあーたんがいて手を振っていたので手を振り返した。
莉菜の座席に莉菜のカバンなどを置き、私はあーたんのとこに向かう。
「おっは~。朝からラブラブな登校をしていますな~」
「おはよ。ラブラブね。途中からは少し恐ろしかったけどね・・・・・・」
そんな会話をあーたんと私がしていたら花咲先生が教室に入ってきて、いつも通りのホームルームが始まり、私の大嫌いな勉強が昼休みまで続いた。
昼休みは莉菜の座席のとこに向かい私とあーたんとの三人でお弁当を食べている。
お弁当を食べながらあーたんは思いだしたと言わんばかりにあることを話してきた。
「二人ともさ、旅行どこに行くの?絵莉の告白旅行!」
私と莉菜は食べていたご飯が変なとこに入りそうになり、思いっきりむせる。
「ちょっとあーたん!急に何言うんだよ!」
私はあーたんの頭を軽く叩いた。
「いやだってさー、今夏でしょ?旅行でしょ?絵莉達の告白旅行気になるな~と思って」
莉菜はため息をつきながら私の顔を見る。
やめて、そんな怖い目で私を見ないでくださいと心の中で思いながら私はあることを思いついた。
「ねぇ、莉菜の脚が完治するまでまだかかるじゃん?だから三人でどっか近場の旅行でもいいから行ける用にバイトしない?莉菜の分は私が出すし」
私が提案するとあーたんは嬉しそうにコクコク頷く。
莉菜は好きにしなさいみたいな目をしていたので、OKということだなと確信。
「じゃ、これからどこかバイトできるとこ探さないとね」
あーたんはニコニコしながら言うので私は頷いた。
バイトかぁ。私は旅行の他にもまだお金が必要なのだ。
莉菜にバレないように気をつけないとなぁと思いながら、窓から見える快晴の空を眺めながらこの先のことを考える。
どうか莉菜が泣いて喜んでくれますようにっと!




