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ワンモアチャンス!!  作者: ちーまる
24/35

とりあえず学校へ

朝の太陽が眩しい・・・・・・


 隣りを見るとスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている莉菜がいる。


 莉菜の髪の毛をそっとなでる。本当に艶のある綺麗な黒髪で美しい。


 私は今何時なのかなと確認する為にスマホを見るとにした。

 画面にはママからの着信が沢山きているし、あーたんからも連絡が沢山きてる。


 あちゃ~ママに連絡するの忘れてたし、あーたんは何の用事だろうと思いながらとりあえずあーたんに電話してみることにした。


 あーたんはワンコールで電話にでる。

「絵莉!ちょっと今どこにいるの?莉菜の家にいるんだろうけど学校どうするの?先生方は状況を知っているから遅刻扱いでも大丈夫って言ってるけど、絵莉と連絡とれないと話しにならないし」


「えっ、今何時?ウソ!もう11時過ぎ!?」


「そうだよ。莉菜の具合はどう?とりあえずのんびり学校においでよね。じゃ!」

 あーたんはそう言いながら電話をブツリと切った。


 私、どんだけ疲れていたんだよ。あっ、ママにも連絡入れておかないと。

 ママにはメールでいいや。


 メールで今回起きたことをこと細かく連絡したら直ぐに返信が返ってきた。

 内容を見て私の目が点になる。


 そこに書いてある内容は、「そんな大変なことになっているのに一人で面倒なんて見れないでしょ。家に連れてきてしばらく一緒に暮らしなさい」という内容だった。


「お邪魔にならないなら、ご厚意に甘えさせてもらおうかしら」


 私はスマホを見ながら、莉菜が遠慮しそうな気がするなとか色々考え込んでいたら、いつの間にか横から声がかけられて、私はビックリのあまりスマホを手の中でわたわたと落とさないようにするハメになった。


「莉菜、起きていたの?体の具合はどう?あーたんから連絡があって遅刻で学校に行ってもいいみたいだけど行く?」


「もちろん。行くわよ。私としたことがとんでもない寝坊をしてしまったみたいだわね。絵莉、私の制服を取って。直ぐに準備して行くわよ」


「そんな急がなくても大丈夫だよ。もーちょっとゆっくり動いていこうよ」

 私は欠伸をしながら莉菜の制服をハンガーから取り出し、莉菜に手渡す。


「着替えは手伝う?手伝う必要があるならお手伝いするけど?」

「いいえ。昨日より痛みもひいてきたから着替えくらいなら大丈夫よ」

「絵莉、あなたも準備しちゃいなさいね」


 莉菜はそう言い終えるなり、直ぐに制服に着替え始めたので私は視線をそらしながら部屋を出て行き軽く直ぐにでも食べれるトーストとスクランブルエッグを作ることにした。


 何せ莉菜には痛み止めの薬などが処方されているからな。ちゃんと食べさせて飲ませないと。


 私はいつもよりてきぱきと行動をしあっという間に二人分の朝食兼昼ご飯を作った。


「莉菜~。学校に行く前にご飯食べて薬飲まないとダメだよ~」

 莉菜は松葉杖を着きながらリビングに来て椅子に座った。


「絵莉、ありがとう。本当に助かるわ。」


 その後はさっさとご飯を食べ終えタクシーを呼び、二人で学校に向かう。


 学校に着き、莉菜のカバンを持ちながら教室までの道のりをゆっくりと歩きながら進んで、やっと教室に着く。


 学校に着いた頃はちょうど五時限目が始まる直前で、クラスの女子達は莉菜の松葉杖姿を見て、驚きの声をあげる。

 そりゃそうだよね。びっくりしない方がおかしいっつーの。


 莉菜を座席に座らせて私も自分の席に着く。

 ふーっと一息ついてから上半身だけを思いっきりそらし、あーたんに手首を捕まえられた。


「おはようさーん。絵莉との一泊はどうでしたかな?」

 あーたんはニヤニヤしながら言ってくる。

 私の気持ちも知らないで楽しみやがって。


「スパルタ勉強をさせられて死にそうになった。でもおかげで少しは今度の学年末試験では良い点数が取れそうかな。いや、取れないと莉菜に殺されかけるわ・・・・・・」


「何だか大変そうだったみたいだけど、結果オーライなら良いんじゃないかな」

「そうだね。授業は寝るのでノートの書取よろしく~」


 あーたんは呆れた顔をしながらも仕方ないなぁという感じで了承してくれたので、私は授業中がっつり寝ていた。


 気づけば授業も終わり、今私は職員室に呼びだしを食らっている状況である。


 先ほどがっつり寝ていたのが相当に目立っていたのか、注意されてしまった。


 先生には以後気をつけますとか適当に反省した顔つきをし、職員室から出て行く。


 疲れているんだから仕方ないじゃんかよーと思いながら私は教室に戻り、莉菜とあーたんのいる場所にテクテク向かう。


 教室の中は相変わらず、莉菜の怪我を心配する声が絶えない。

 莉菜はクラスの女子に囲まれていて対応に追われている。


 邪魔だな。あーたんは何してんだよと思いながらあーたんの座っている席を見るとあーたんは呑気に本を読んでいる。


「あーたん、莉菜のこと助けてあげといてよ。流石の莉菜も質問攻めに疲れてる顔をしているじゃん」


「えっ?わー本当だ。いつの間に。ゴメンよー。本を読み始めると周りの声が聞こえなくて。よし助けに行きますか。」


 私とあーたんは莉菜の傍に行き、クラスの女の子達をどかして莉菜を助けに行く。


「莉菜、大丈夫?顔色が悪いよ。窓際においでよ」

 莉菜はやっと来たの?って感じで私のことを見るので、心の中で私は謝っておきます。


「はぁ。やっと解放されたわ。もっと早く助けに来てくれてもいいんじゃないかしら?二人とも」


 莉菜は疲れきった顔で私とあーたんに向かってそんなことを言ってくる。


「まぁまぁ、あとは帰るだけだし私の家でゆっくりするといいよ」

「お母様にご挨拶しなくてはいけないわね」


「えっ、絵莉の家に行くの?私も遊びに行きたい!絵莉、私も行っていい?」

 あーたんは目をキラキラさせて言ってくる。


「いいよー。じゃ三人で私の家で何かして遊ぼうか。今日はママもいるから紹介するね」


 あーたんは嬉しそうに帰る準備を始めたので、タクシーを呼ぶことに。


 なんかたまにはいいよな。家の中で三人で遊ぶのも。


 タクシーは五分くらいで校門の前に着き、私達は仲良く三人で私の家に行くことになった。


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