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ワンモアチャンス!!  作者: ちーまる
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スパルタ美人

素敵な香りが私の鼻孔をくすぐる。


 ヤバい。緊張するな。だって二人っきりだし、莉菜のいい匂いがするし。


 そう私は今、莉菜の部屋にいる。


 タクシーで送ったあと私は莉菜の部屋で、莉菜のお着替えなどを手伝ったりしていた。

 もちろん、心を無にしてお手伝いをしている。


「やっぱりスカートはラクね。普段ジーンズとかはいていたとしたら、今よりも着替えに苦労していたわ」

 莉菜はそう言いながら自分のお気に入りだという淡い水色のスカートを見ながらニコニコしている。


「莉菜ってファッションとか好きだっけ?」

 私は普通に疑問に思ったことを口にすると、莉菜は少し目つきを鋭くしながら私の口元を手で掴んできた。


 痛い。どうやら私は地雷を踏んだようですね。だって莉菜はそこまでファッションに興味がないと思っていたし、どっちかと言うと読書家だしと思いながら私は莉菜にされるがままになっている。


「絵莉、学校での私は真面目に勉強や風紀を守ろうとしているけど、これでも年頃の女なのよ。ファッションにだって興味あるわよ」


 莉菜はそこまで言って掴んでいた口元を解放してくれた。


「はい。そうだよね。ごめんなさい・・・・・・」


 私はとりあえず大人しく謝る。


「ところで絵莉は今日帰るのかしら?泊まって行くわよね?」

 莉菜は私に顔を近づけながら子犬のようなかわいい目をしながら言ってくる。


 何これ。私の理性持つかな。でも莉菜を一人にするわけにはいけないから泊まらないとなとそこまで考え私は莉菜を見ながら答えた。


「もちろん、泊まるよ。ご飯とか私作るから何食べたい?あとそんな目で見られると理性が保てないからね」


 莉菜はいまだキョトンとした顔で私を見ている。私に対する新たなイジリですか。


「今の私は普通よ?絵莉が変に意識しているからよ。ご飯は、チャーハンが食べたいわね」


 莉菜はそう言いながら私から少し離れた。

 むーん。莉菜との距離感が狂うけど、かわいいから別にOKだ。


「チャーハンかぁー。よし任せて!冷蔵庫の中見させて貰うね」


 私はそう言いながら台所に行き冷蔵庫を開けた。


 中身は~っと思いながら開けてびっくり。

 食材が沢山あるのはいいんだけど、何でスキンケア用品が冷蔵庫に入ってるわけ?


 私は莉菜に聞くことにした。

 だって気になるじゃんかよ!


「ねー莉菜、何で冷蔵庫にスキンケア商品が入ってるわけ?私初めて見たよ。冷蔵庫にスキンケア商品何か入っている冷蔵庫」


「絵莉ってオシャレや美容好きなくせに、知識は浅いのね。化粧水などは冷蔵庫で保存しておくと長持ちするのよ。効果も落ちないわ。知らないとは逆に驚きね」


 莉菜はどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべながら言ってくる。


 あれれー?私、勉強では莉菜に負けるけどファッションやスキンケアの知識に関しては負けてないと思ったのに私完全に負けてるじゃん。


「莉菜には頭が上がらないね。とりあえず食材を買いに行く必要はないから夕方まで何しようか?」


 そう、まだお昼過ぎの午後になったばかりで流石に夕ご飯を作るのには早い。


 莉菜は考え込むようにしてポンっと手をうちながら言ってきた。


「なら絵莉の勉強を見てあげるわ。もうすぐ学期末試験じゃない。特別授業をしてあげる」


 莉菜はどこか教師めいた顔つきになり私の返答を待ってる。


 私的には勉強は勘弁だけど、逃げられる雰囲気じゃないし、でも莉菜に教えてもらえるならいいかなと思い私は頷くことに。


 そして勉強は直ぐに始まった。全教科のお勉強が・・・・・・

 やっぱりヤダ。もうやめたい。


「絵莉、こんな簡単な問題も解けないの?解けるまで勉強は終わらないわよ!」


「あの莉菜、私そろそろ疲れたんだけど休憩はないのかな?もう六時間以上勉強させられているんだけど・・・・・・」


 そう、私は休む時間もない状況で勉強を教えられているのだ。

 と言うか莉菜こわいよ。勉強のことになったら鬼だ。


 絶対これからは莉菜に勉強を教えて貰うことだけはしないでおこうと胸に誓う。


「あと一つ問題がクリアできたら終わりよ。さぁ、早く答えなさい!」


「分かりません!もうギブアップ!ここまで頑張ったんだから許してください!」

 私は懇親のどげざをかました。


 もう無理。本当に無理。恐怖だよ。こんな勉強。


 莉菜の顔をそーっと見てみると莉菜はため息をつきながらこちらを見ている。


 そんなため息つかないで下さいよ。私頑張ったんだから。


「分かったわ。今日はこの辺で終わりにしておきましょ。よくスパルタ授業についてきたわね。偉いわ絵莉」


 私は莉菜の目つきがいつもの莉菜に戻ったのを確認しホット安堵した。


「スパルタ過ぎて泣きそうになったよ。さて、ご飯作っちゃうね」


 私はそう言いながら立ちあがろうとしたら莉菜が私の頬にキスをしてきた。

「よく頑張りました。今のはご褒美よ」


 本当に莉菜はズルイ。ちくしょう。また勉強教えて貰おうかなとか思っちゃうじゃんかよ。


「ありがと。じゃ、ご飯作るから莉菜はゆっくりしていてね」


 私は手早く調理を開始し、あっという間にチャーハンを作り終えて莉菜と一緒に夕ご飯を食べることに。


 味の方は好評で莉菜はしっかりとチャーハンを食べ終えてソファーでボーっとしている。


「莉菜、疲れているでしょ?もう横になりなよ」

 莉菜は眠たそうな目をゴシゴシしながら頷く。


 もうかわい過ぎて無理です・・・・・・


 そんなことを考えながらも莉菜を支えてあげながら寝室に向かった。


 莉菜の寝室は黒色をベースにして作られている部屋だった。

 ベットの色も黒。でもベットのシーツなどはサテンのつるつるとした生地になっており、肌触りがとてもいい。


 莉菜をベットに寝かせて私はベットに座る。


 莉菜は目を直ぐに閉じ、眠ってしまった。


 まだ体力も完全に回復していないのに強がっちゃって。


 莉菜の頭を撫でながらだんだんと私の目も閉じそうになる。

 まだ莉菜の寝顔を見ていたい。


 でも睡魔には勝てなかったらしく、私は暗い闇に落ちていった。

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