表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンモアチャンス!!  作者: ちーまる
19/35

決意とバイバイ

レモンティーの香りって何でこんなに素敵な香りなんだろう?

私はレモンティーを一口飲みフーっとため息をつく。

 店の中を見ると相変わらずオシャレな飾り付けをされている店だなと思う。


 そう、私は今アネさんのお店にいるのだ。

 莉菜が先に帰ってしまった後、私はアネさんに泣きつき今こうしてアネさんのお店の中にいる。


「で?少しは落ちついたかしら?」

 アネさんはテーブルに置いてあるクッキーをぼりぼり食べながら半分心配、半分呆れ顔で私に言ってきた。

 そんな顔しないでよと思いながらも私はコクコク頷きながらまたレモンティーを飲む。


「絵莉ちゃんって、もっとグイグイいくタイプと思ったけど違ったわね」

「アネさんの中での私ってどんな人間なんでしょうか・・・・・・」


 私がそう聞くとアネさんは、腕を組みながら考えポンっと手をうちながら

「そうねぇ、私の中での絵莉ちゃんはオオカミかしら?莉菜ちゃんに直ぐ手を出していそうなイメージ」

 と言ってきた。


「アネさん、私にそんな度胸があるのならとっくのとーにしていますよ」

 とドヤ顔で言う。


 そう、そんな度胸があるのならとっくのとーに付き合ってるし、色んなことだってしていますとも。

 だけど私は臆病になっているから前に進めないんだ。

 そんなことを考えているとアネさんはため息をつきながら私の手を握りながら


「絵莉ちゃん、過去に縛られていたら前には進めないわよ?莉菜ちゃんを見てみなさいよ。莉菜ちゃんはもう前に進んでるし絵莉ちゃんのことを待っているのよ?あんな美人な莉菜ちゃんをいつまでも待たせて置くのはかわいそうじゃないの?大丈夫、絵莉ちゃんはここ数カ月で心身ともに成長してるわよ?過去の自分とバイバイして先に進みなさい!」


 私はアネさんの言葉を聞いたとたん何かがふっきれた気がした。

 いつまでも過去の自分を引きずっていてはダメなんだよね。

 莉菜は私のことを待っていてくれているんだから。


「アネさん、ありがとう。私、前に進むよ。莉菜にもう一度ちゃんと告白するよ!カッコイイとこをちゃんと見せつけないとね!」


「そうよ!その意気よ!絵莉ちゃんなら大丈夫。あ、いい物あげるからちょっと待っていなさい」


 アネさんはそう言いながら、お店の小さいアクセサリーコーナーのショーケースから何かを取り出して戻ってくる。

 基本アネさんのお店は香水を専門に取り扱っているのだが少しだけアクセサリー関係も販売していたりするのだが・・・・・・


「これ、お守りとして身につけておきなさい。恋のパワーストンだから効果てきめんのはずよ?」

 そう言いながら渡してきたのは淡いピンク色の石がいくつもついていてキラキラと輝いているブレスレットだった。


「アネさん、これ絶対高いよね?こんな高そうな物貰えないよ!」

「いいのよ!絵莉ちゃんの為だもの。私からのプレゼントということで受け取りなさい」


 アネさんは言ったら聞かない性格なのを私は知っているのでここはありがたく貰っておこうと思い、さっそく左腕にブレスレットをつけてみた。


 うん。イイ感じ。


「アネさん、ありがとう!大切に使うね!」

「やっといつもの絵莉ちゃんらしくなって安心したわ。さて今何時かしらね?」


 思えば何だかんだアネさんとこーやって話していたら外はいつの間にか空は夕焼けに染まっている。

 そういえばスマホをカバンの中に入れたまんまだったなと思いスマホをチェックしてみたら、そこにはあーたんからの着信がざっと12件以上きていた。


 何だこれは。あーたん何かあったのかな?

 私が不思議そうな顔をしてスマホを見ていたせいかアネさんが不思議そうな顔をしながら私を見ている。

「何かあーたんから沢山着信がきていたみたいで。こんなに着信くることないから不思議で・・・・・・」


「ふーん。電話かけてみればいいじゃないの」

 アネさんに言われ私は頷きながらあーたんに電話をかけることにした。

 コール音が鳴った瞬間にあーたんが電話にでる。


「あーたん?ゴメン。今までスマホ放置していた。どうかした?」

 私が気楽にそんなことを聞くとあーたんは怒りながら私の心臓を止める一言を言ってきた。


「絵莉!今どこにいるの!?花咲先生から連絡がきたんだけど、桜さんが事故に遭ったから直ぐに病院に来てくれって。私はもーちょいしたら病院に着くから、絵莉!お前も早くこい!場所は大通の総合病院!急ぎなよ!」


 それだけ言ってあーたんは電話を切った。


 私はあーたんが言っていたことを繰り返す。

 莉菜が事故に遭った?

 ウソでしょ?

 嫌だ嫌だ嫌だ。


「絵莉ちゃん!どーしたの?」

 アネさんの声で私は我に帰り涙を流しながら

「莉菜が事故に遭ったって」


 アネさんは一瞬固まったが直ぐに動きだし

「絵莉ちゃん!泣いてないで急いで病院にいくわよ!」


 私は頷きながらアネさんの後を追った。


 何でこうなるんだよ!

 前に進もうとした時に何でこんなことが。

 莉菜、お願いだから無事でいて!!


 神様、お願いだからこれ以上邪魔しないで!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ