いざ戦場に!!
今私と莉菜は街中を歩いている。
これから二人で最初に向かう先は、某ランジェリーショップである・・・・・・
そう私はこれから自分自身との闘いになるであろう戦場に、莉菜のランジェリー選びの買い物に付き合うのだ。
私は平静を装っているが内心ドキドキで心臓が止まるんじゃないのかというくらい緊張している。
何せ、自慢じゃないが私は女子がよく綺麗な刺繍などが施されている下着は持っていなくて、基本上下スポーツブラにパンツなのだ・・・・・
そんな人間に、キラキラ女子力全快のランジェリーショップはハードルが高すぎる・・・・・・
頭の中でそんなことを考えていたら莉菜が私の顔をチラッと見てきたので
「莉菜?どうかした?私の顔に何かついてる?もしくはまぬけな顔をしている?」と笑いながら聞いてみると莉菜はクスっと笑ってきた。
何その笑顔?かわいすぎるんですけど!!いや、いつもかわいいんだけどね!?などと自問自答している姿を莉菜は見破ったかのように
「あなた、私のことかわいすぎるとか思っていたんじゃないかしら?あなたは直ぐ顔をに出やすいから分かりやすくて面白いわよね。あ、店はすぐそこよ」
「莉菜は何でも見通せる力でも持っているのですか?女神さまですか?」
「女神さまか・・・・・・そうね、少なくともあなたのことなら見通せるかもね?」
莉菜はそう言いながら、目的のお店である某ランジェリーショップのドアを開けて私を来るのを待っている。
私は気合いを入れる為に両頬をパンっと叩き莉菜の後をついて行く。
中に入るとそこはピンクと黒を基調にした内装で少し照明が暗い感じのちょいエロい感じがする店だった。下着は、私の予想通りきらびやかな刺繍などが施された綺麗でかわいい下着が沢山ある。
私はもう恥かしくて手で顔を覆ってしまい、直ぐにその手を戻した。
危ない危ない。変な人に思われてしまったら困る。
そんなことを思いながら莉菜の後をついて行くと、店員さんが声をかけてきた。
「いらっしゃいませ~って、莉菜さんじゃないですか!お久しぶりですね!」
「えぇ、お久しぶりですね。店内を見て回ってもいいかしら?」
そう莉菜が言うと店員さんは身振りでどうぞと言いながら私たちの傍から離れて行く。
「さてと、ぐるっと見て周りましょうか。」
「うん。さっきの店員さんとは顔見知りなの?」
私は気になったので聞いてみると莉菜は若干うんざりそうな顔をしながら
「そうね。ここに通い始めてから、何かと私にまとわりついてくる困った人って感じかしら。見た目はご覧の通り綺麗な美人さんだけど何を考えてるか分からない人よ。早く辞めてくれることを願っているんだけどね」
「えっ、それって莉菜のことが好きだからだよね?何それ。莉菜のことは私が守るから店員のことなんて気にしないで下着選びに専念しなよ!」
私は先ほどの店員のことをチラッと見た。やっぱり莉菜のことをずっと見ている。
莉菜に何かしたら絶対にフルぼっこだなと考えを巡らせていると莉菜が私を呼んでいた。
イカンイカン、今は莉菜のお付き合いをしているのだったと頭をクールダウンしてから莉菜の方を向いた私はまた全身がヒートしそうになる。
「この赤色のブラと黒色のバラが刺繍されているブラ、どっちがいいかしら?迷ってしまって・・・・・・」
莉菜はそう言いながら両方のブラを手に取り私に見せつけてくる。
私は恥ずかしながらせーいっぱいに
「いや、どっちもいいと思うよ?莉菜の好きな色にしたらいいんじゃないかな」
と答えたのだが莉菜は
「それ答えになっていないのだけれど?あなたに選んで欲しいのよ。少しくらい私の気持ちを読み取る術を身につけなさいよ・・・・・・」
莉菜はそう言いながら頬を赤く染めていた。
私はそこでやっと莉菜の考えを理解することができた。
莉菜は私の好みのやつにしようと思って言ってきているのか。なら私もちゃんとその期待に応えてあげないとダメだよね。と私の頭の中で脳内会議が行われ決めることに。
その結果
「私の趣味でいいなら黒色のバラが刺繍されているやつがいいかな。何て言うか赤色もいいんだけど莉菜はクールで大人の女性だから黒がいいと思う!」
と私は莉菜に言った。
莉菜はニコッとしながら赤色のブラを元に戻して、上下揃えるようにする為か黒のショーツを手に取りながら
「あなたの決めた色にするわ。素敵なデザインだしこれに決まりね」
そう言いながら莉菜はレジの方に向かって行く。
私は歩きながらこれから買う莉菜の下着姿を想像して見た。ダメだ。変に理性が飛びそうになる。
想像することを止めて、莉菜の会計のレジに行くとそこにはさっきの店員が対応しており、明らかに何か莉菜を口説こうとしているのが分かった。
と言うものの私は昔から相手の言ってる言葉を、相手の口元を見て何を話しているのかを分かってしまうというスキルを持っているのだ。
莉菜のことを口説こうなんていい度胸してんじゃん。相手が女性でも私の莉菜に手を出したらタダじゃおかないぜと、私は怒りがフツフツと湧きあがってきたのでとりあえず莉菜のとこに向かった。
会計も終わり品物を受けとったにも関わらず莉菜を何かと引き止めようとする店員。
「あの、私たちこれからまだ予定があるのでそろそろ失礼しますね」
と莉菜が言うと店員はどこか納得いかないような顔をしていた。
これはいよいよ私の出番か!?と考えていたら思いもしない助っ人がきて、私たち二人に声をかけてきたのである。
「あら、絵莉ちゃんと莉菜ちゃんじゃないのー。こんなとこで時間潰してていいのかしら?貴重な時間は上手く使わないとダメよ」
そう言いながらお店に入ってきたのはアネさんだった・・・・・・
私と莉菜は一瞬思考が止まったが、どうやらアネさんは私たちが困っていることに気づき、機転をきかしてくれたのであろうと理解した。
莉菜はアネさんの機転を無駄にしないように
「では私たちはこれで。アネさん、素敵な買い物ができますように」
莉菜はそう言いながら私の手を引いて店を出て行く。
後でアネさんに連絡しておこ。助けてくれて助かったし。
私と莉菜は店を出て少し歩いてから二人で疑問に思ったことを離した。
「アネさんに助けられたけど、アネさん何でランジェリーショップにいたんだろ?」
「あなたアネさんがどんな人か知っているわよね?普通の女子より、女子なんだから色々研究しているのよ。何にしても助かったわ。でももう、あそこのお店には行けないかしらね。品ぞろえも豊富だから気にいったお店だったんだけど。また新しいお店探さないとダメね」
莉菜はそこまで言うと疲れたのかフーっと大きく息を吐いた。
「莉菜、疲れてるでしょ?どこか喫茶店にでも行かない?それにアネさんにも連絡しとかないといけないでしょ?」
莉菜は頷きながら私に寄り添って歩く。
私はそんな莉菜がかわいくてたまらんなぁーと思いつつ、いつ莉菜にちゃんと告白しようかなと考えていた。今の莉菜って私のことかなり好きだよね?でもまだちょっと早いかな?などと考えていると、莉菜から痛いお言葉を言われた。
「さっき下着選んで会計に向かう途中、あなた私の下着姿想像していたでしょ?想像するのは勝手だけど、場所をわきまえて想像した方がいいわよ?あなたは直ぐ顔にでるんだから」
私は女神さまみたいに微笑んでいる莉菜を見ながら、告白をするのはもうちょい様子を見てからにしようと決めたのである。




