光の中への一歩
窓から夕焼けの明かりが差し込む部室で莉菜はようやく泣き止んだ。
泣き止んだ莉菜の顔は、両目が赤く腫れており、顔は赤くなっている。
私はそんな莉菜を見ながら、何て声をかけてあげればいいのかと頭の中で考えていると莉菜から話しかけてきた。
「絵莉は本当に私をどうしたいの?私は少しずつではあるけど莉菜を恋愛対象として見れるようになってきていたのに・・・・どうしてそんなひどいことができるの・・・・」
莉菜はそう言いながらまた黙ってしまった。
あぁ・・・・私は本当に愚か者だ。この世のクズだと改めて思ったが、何とか声を絞りだし話す。
「莉菜、今回のことは本当に弁解のしようもないよ。謝ることしかできなくて本当にゴメンね。莉菜がそんなに私のことを想っていてくれてたなんて凄い嬉しかった。だから今回だけは許してとは言わないから、今後の私を見ていてくれないかな?私、莉菜にはちゃんと告白もしたいし・・・・」
そこまで言い切ると莉菜がこちらを見ながら
「絵莉は本当にズルい人よね。私をこんなに振り回しておいて、今後の私を見ていてくれですって?言われなくても今後の絵莉のことは、今まで以上に見るわよ?でももうチャンスはないと思いなさい」
莉菜はそこまで言うと大きく息を吐き、深く深呼吸をし始めた。
私はどこかホットした自分がいるのとこの先の私の言動に気をつけないといけないぞ!と言い合っている2人の自分がいる。
私は両頬をバシっと叩き気持ちを入れ替える。
そして莉菜に話しかけようとした時、莉菜が私の顔を見ながらある要求というかお願いをしてきた。
「さて絵莉、あなたには今回私を悲しませたとても重い罪があるわ。だから明日、私の買い物に付き合いなさい?色々買いたい物が沢山あって荷物持ちの人が必要だったから・・・・ちょうどいいわよね・・・・」
そこまで言って莉菜は私の顔を見ながら不敵な笑みを浮かべながらこちらを見ている。
莉菜に頼まれたら断るわけにはいかないじゃんと思いながら私は真面目な顔をしながら返事をする。
「もちろん!何でもするよ!明日の何時頃にどこで待ち合わせする?」
「そうね。じゃ午前10時ぐらいにテレビ塔の前で待ち合わせでどうかしら?」
「うん。わかった。10時ね。明日楽しみだなー」と私が言うと莉菜はどこか一瞬だけ微笑んだように見えた。
明日からまた莉菜と楽しい生活を送れるようにと私は心の中で誓った。




