深い闇
今私の目の前にいる美人で綺麗な人が物凄く怪訝な顔をしながら私の靴を踏みつけてる。
「あの、莉菜痛いんだけど・・・・」
「私に踏まれて嬉しいでしょ?」
完全に激怒してるよ。これは・・・・
私はあーたんにヘルプを求め目で訴えるが、あーたんに無視される。
あーたんめ・・・・後で覚えておけよ・・・・
などと考えながらとりあえず目の前で激怒してる莉菜の機嫌を直さなくてはいけない。
「ねぇ、莉菜別に無理とは言ってないからさ、嫌なら私とあーたんだけで行くから機嫌直してくれないかな?」
私がそう言うと莉菜はため息をつきながら私の足をさらに強く踏んできて私は思わず
「痛いよ!」
と言うと莉菜は口を開きだした。
「絵莉は何も分かっていないのかしら?私も鈍感だけど、今の絵莉は私より鈍感よ?」
私は自分のどこに絵莉を怒らせるとこがあったのかと考えてみたら、私は自分がどんだけ馬鹿なことを言ったのかを今になって理解した。
「絵莉、あなたは私という人間がいながら、女の子が沢山出迎えてくれるメイド喫茶に行かない?と誘ったことに対して私は怒りを感じているのよ」
莉菜の顔は怪訝そうな顔から、物凄く悲しみに溢れている顔になっていた。
私は莉菜の顔を見て、私は莉菜を物凄く傷つけてしまった自分に苛立ちを感じていく。
自分の大切な人なのに、私は軽い気持ちで莉菜を誘ってしまった。
「本当に私は馬鹿だね。莉菜という大切な人が目の前にいながら・・・・」
莉菜は悲しそうな顔をしながら私の目を真っ直ぐに見つめながらある事を言い出した。
「絵莉、私はあなたのことを恋愛対象として好きになりたいと思って私なりにあなたのことをもっと知りたいと思ったりしていたけれど、今回のことに関しては正直ショックだわ・・・・」
莉菜はそう言いながら教室を出て行ってしまった。
あーたんが私の傍にきて私の様子を伺いに顔を覗いてくる。
「絵莉?大丈夫か?話は聞いていたけど何かゴメンね。私のせいで・・・・」
私はあーたんの顔を見ながら
「あーたんのせいじゃないよ。私が軽率だったんだよ。今は莉菜とは少し距離を置こうと思うから、今日はあーたんに付き合うよ」
私がそう言うとあーたんは
「絵莉?本当にいいの?やけくそになってないかい?」
私はやけくそになっている自分がいるのも分かるが、今は一人で行動するよりあーたんと一緒にいた方が今さっきの出来事を考えなくて済むという逃げの口実を自分に作っているのを分かっていながら私はあーたんに
「そんなことないよ。でも今回限りだけだよ」
私があーたんに言うとあーたんはどこか納得のいかない顔をしつつも頷いた。
そんなこんなで放課後になり、あーたんと二人で大通りにあるメイド喫茶の前まできた。
どうやら店はビルの中にあるらしく私はあーたんの後について行く。
店の目の前の扉にきてあーたんがニッコリしながら
「ここだよ!店の扉もカワイイでしょ!ハート型で!」
といつになくテンションが高い。
本当に来たかったんだろうなと思いながら私は
「そうだね。扉がハート型って凄く珍しいしカワイイね」と応えた。
あーたんはどこか誇らしげに腕を組みながら首をこくこくと頷きながら
「じゃ、扉を開けるよ!」
と言いながら扉を開いた。
開いた瞬間数人のメイドさんが一斉にこちらを見るなり大きな声で
「お帰りなさいませ!お嬢様!」と出迎えてきて私はビックリした。
あーたんはというと、凄く興奮してるのが分かるくらい鼻息を荒くしながらニコニコしている。
私はそんなあーたんを見て思ったことは、あーたんはとにかくカワイイ女の子が好きなんだなということが良く分かった気がする。
メイドさんに席まで案内され私とあーたんはピンク色のソファーに座った。
テーブルはハート型で、メニュー表が置いてありメイドさんが物凄くカワイイ笑顔でメニュー表を手渡しで渡してきた。
私は軽く会釈をするようにしてメニュー表を貰い、メニュー表を見て値段にビックリし私はあーたんの顔を見て
「なにこの値段!ファミレスの方が安いじゃん!」と言ったのだがあーたんには何も聞こえてない状態らしい。
今のあーたんはどうやらこの店で一番人気のメイドさんらしく何やらチェキを撮ったりしてもう大興奮しているさまだ。
私はこれはダメだなと思い適当にソフトドリンクを注文することにした。
直ぐにメイドさんがきて注文したソフトドリンクを持ってきてくれたのだが、普通に渡してくるのではなく良く分からない魔法みたいな言葉を言いながら渡してきたので私は頭の中が?マークになった。
普通に渡せば良いのではないかと私は思いながらもペコリと会釈をすると、なぜかメイドさんが私の隣に座りだし、一言
「お嬢様?何か悩み事でもあるのですか?わたしでよければ聞きますよ?」
とニコニコしながら言ってきたのである。
私はそんなにひどい顔をしているのかと思いつつあーたんの方を見たのだが、あーたんはまだ終わりそうにないからこのメイドさんとお話して時間をつぶそうと思い話すことにしてみた。
「えっと、大事な人を傷つけてしまい悲しい顔をさせてしまったんだよね。私が軽率なことを言ったばかりに・・・・」
そう言うとメイドさんは私のことを見透かしてるかのように話してきた。
「お嬢様本人に自覚があるのであれば、それは必ず関係を修復すべきですね。なぜなら、お嬢様もどこか悲しい顔をしていますので・・・・」
私はメイドさんの顔を見ながら、私は今そんな悲しい顔をしているのか。
「メイドさん、ありがとう。あなたは素敵なメイドさんですね」
と言うと、メイドさんは顔を赤くしながら
「お嬢様の悩み事を聞いたりするのもメイドの仕事ですから!さっ!このジュースを飲んで大事な人のとこに行ってきてください!」
私はメイドさんが渡してくれたジュースを一気飲みし顔をパンっと叩き気合を入れた。
「メイドさん、私行ってくるよ。ちゃんと向き合って解決してくる。連れのあーたんのことはよろしくお願いします。お金はここに置いておくので!」
私はそう言いながらダッシュで莉菜の家に向かうことにした。
店を出る瞬間メイドさんに「行ってらっしゃいませ!お嬢様!」と言われ私は片手を上げ勢いよく走りだす。
私は走りながら考えていた。せっかく莉菜といい関係になってきたのに私は本当に馬鹿なことをしてしまった。とにかく莉菜に合わないと何も始まらない。
待っててね。莉菜。今行くから!!




