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第四章:放課後


僕が向かっている『待ち合わせ場所』とは僕ら5人がよく利用する場所だ。巨大な木が中心にあり、そこから色々な方向へ道が枝分かれしている。街や学校など様々な場所に行けるため僕らは事あるごとにその場所を利用している。



ようやく待ち合わせ場所に着いたが、そこに剛毅と啓介の姿は未だなかった。どうやら少し早く来てしまったらしい…


拓斗

「…あれ?まだ来てないな…」


学校からは一緒に帰って来ていたのでそこまで時間は掛からないだろうと思いその場で待つ事にした。


「あ、拓斗?」


拓斗

「…え?」


後ろから誰かに呼ばれ、振り返ると美紗が立っていた。制服を着ている…下校途中のようだ。


拓斗

「まだ家帰ってないの?」


美紗

「うん、教室の掃除が長引いてちょっと帰るの遅くなっちゃった…」


拓斗

「そうなんだ。」


僕は掃除当番じゃなかったことに少しホッとした。掃除当番の中でも教室の掃除はサボる人が多く、美紗のように時間が長引く事もある。

ちなみに僕は、前に啓介と同じ班になった時に仕事を押しつけられた事をきっかけにこの掃除当番が嫌いになった…



美紗

「…怒ってるの?」


拓斗

「え…別に怒ってないよ。」


どうやら、顔に心の感情が出てしまったらしい…

僕は何かと感情が顔に出るらしく、そのせいでトランプではほとんど勝ったことがない…

頑張って感情を表に出さないよう作り笑いをしてみたこともあったが、

『なんかキモチわるい』

と、不評だったためそれ以降努力する事もなく、半分諦め状態である。


美紗

「そう?……それより拓斗は?」


拓斗

「僕はこれから剛毅と啓介とゲーセン…」


美紗

「えぇ!?またゲーセン?」


美紗は間髪を入れず返してきた。


拓斗

「いや…啓介が新しいゲームが出るらしいから一緒に来るか?って。僕はただ付いてくだけ…」


美紗

「…そうなんだ…」


チラッと腕時計を見ると時刻は4時5分、待ち合わせ場所に来たのは3時45分くらいだったので、かれこれ20分は待たされている…


拓斗

「剛毅も啓介もまだかなぁ…」


美紗

「…あのさ、拓斗…今週の日曜あいてる?」


拓斗

「え?…確か部活は入ってなかったはずだけど…」


少し間を置き美紗は言った…


美紗

「…じゃあさ、今週の日曜一緒に映画観に行かない?丁度チケットが2枚手に入ったんだ…」


断る理由も無いのでOKすることにした。


拓斗

「…うん、いいよ。」


美紗

「やったぁ!それじゃあ日曜日の朝10時にここで待ち合わせってことで…」


拓斗

「うん、わかった。」


美紗

「…じゃあ、私はこれから用事あるから帰るね…バイバイ…」


そう言って美紗は走り去っていった…





それから5分……


ようやく剛毅と啓介が到着した。


拓斗

「遅い!!」


思わず発する言葉に力が入ってしまう…


剛毅

「わりぃ、コイツ昼食の時食い過ぎちまって…」


啓介

「…お腹壊しました…」


拓斗

「…あれ?さっきまでピンピンしてなかった?」


啓介

「…家に帰るまでは大丈夫だったんだけど…帰ったとたん急に……オェ…」


拓斗

「ちょっ…大丈夫?」


怒って説教してる場合ではなさそうだった……と言うか何で来たの?と僕は思った。


啓介

「…ああ…大丈夫だ…それより早く行こうぜ…さっき友達から新しいゲームが出るのやっぱり今日だったってメール来たからさ…」


剛毅

「凄い執念だな…」


同感だ…今までゲームへの執念だけでここまで出来る人は見たことがない…そう思った。


啓介の容体も気になるが、とりあえずゲームセンターに向かう事にした…




ゲームセンターの前に着くと、入り口のドアにポスターが貼ってあった 。

『レジェンドファイト3〜本日解禁〜』

今日から出るゲームと言うのはどうやらこの格闘ゲームらしい…


啓介

「うおぉぉぉぉ!!!」


啓介はポスターを見るや否や全力疾走で店の中へ消えていった…


剛毅

「やれやれ…」


僕と剛毅も啓介の後を追い、店の中へ入っていった…



中に入り奥に進むと台に座った啓介がいた。今は運よく台が空いている。

既に啓介は両替を済ませ、100円玉を並べ待っていた…


啓介

「フフフ…待っていたぞ。」


拓斗

「??」


僕は啓介が何を言っているのかさっぱり判らなかったが、剛毅は話を理解しているようだった。


剛毅

「また俺にやられたいか?」


啓介

「へっ…今日は負けねぇぜ!」


剛毅

「判った…やってやるよ。」


剛毅は少しめんどくさそうに台に座った。


啓介

「おい、両替しなくていいのかよ!今回は長期戦になるぜ。」


剛毅

「お前はこれで十分だよ。」


と言って剛毅は財布から100円玉を取り出し、啓介に見せた。


啓介

「コイツ…後で後悔させてやるからな!」


2人はゲームを始めた。


拓斗

「啓介…本当に大丈夫?」


啓介

「ああ、今日こそはアイツをコテンパンにしてやる!」


そっちを心配した訳ではないのだか…まあ見る限り大丈夫そうなので黙って観ている事にする。


啓介

「よし、ゲームスタートだ!」






15分後…


啓介

「くっそぉ!また負けた…」


剛毅

「今ので1000円だな…そろそろ止めたらどうだ?」


いつもならこれくらいで諦めるのだが、今日の啓介は違った…


啓介

「ま…まだだ…ちょっと待ってろぉぉぉぉ!」


啓介は両替機の方へ走っていった…


2人

「ハァ……」


僕と剛毅は深いため息をついた、普通ここまでするか?と…


1分も掛からすに啓介は戻ってきた。


啓介

「…今日は絶対勝つんだ…稼働日である今日しかチャンスはないんだ…」


そう言って啓介は再び台に座った。…その健闘ぶりを観てか少しギャラリーが集まってきた。


拓斗

「なんか人集まってきたね…」


啓介

「うおぉぉぉぉ!負ける気がしねぇ!」


剛毅

「やれやれ…仕方ねぇな…」


再び2人の戦いが始まった……






さらに15分後……


啓介

「ま…負けた…」


剛毅

「これでさっきと合わせて2000円だな。」


啓介

「まだだ…まだ勝負は…」


と、再び財布に手を伸ばす啓介…だが先程と様子が違う…


拓斗

「…どうしたの?」


啓介

「…金切らした…」


ガクッ


啓介は体力も限界にきたのかその場に倒れ込んだ…


拓斗

「啓介!?」


啓介

「…もう限界…昼飯…恐るべし…」


先程のツケがまわってきたのだろう…

啓介はその場から動かなくなった。

他の人に邪魔になりそうなので近くのベンチに寝かせておく。


『啓介…剛毅に相当勝ちたかったんだろうな…』



一方剛毅はその後も連戦連勝を重ね、たった100円でこのゲームを制覇した。


剛毅

「…そろそろ帰るか。」


拓斗

「うん、そうだね。」


僕と剛毅は帰る準備をして啓介の寝ているベンチへ向かった…


剛毅

「おーい、啓介そろそろ帰るぞ。」


啓介

「んー…もうお腹いっぱい……」


食べ物の夢を観ているらしい…

呼んでも起きないので、剛毅は啓介のお腹目掛けてかかと落としをした。


啓介

「ぐはぁ!」


かかと落としをモロに喰らい啓介は目を覚ました。


啓介

「な…何すんだよ!?」


剛毅

「いや、呼んでもお前起きなかったからさ…」


啓介

「あぁそうですか……って、なワケねぇだろうがぁ!」


剛毅

「あはは、わりぃわりぃ。つい腹が隙だらけだったんでな…」



時計を見ると既に時間は6時…

まだ2人は言い争いをしている。


拓斗

「ねぇ、とりあえず帰らない?暗くならないうちにさ…」


剛毅

「そうだな…帰るか。」


啓介

「待てよ…まだ話は……ちょっ…置いてくなって…」




空は既に暗くなりかけていた…

3人は急いで家路についた。



今回は主に放課後の出来事のお話でした。文章の構成がまだまだ下手ですが、これからも頑張ります。読んで頂きありがとうございました。

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