俺の夕飯。
キミに抜き打ちチェックのようにたまに問われる
「夕飯はなんでした?」
素直に言いいますよ。
『コンビニ弁当です。』
昨日もその前もコンビニですね。かなりお世話になってます。
「サラダは?」
母親にも同じ事を言われたよ。
男は母親に似たタイプの人を好きになるとか聞いたことがあるが、キミは全く俺の母親に似てないと思ってたのに最近ちょっとずつ似てきた気がする。
姿とかじゃなく中身が少し似てきたよ。しっかりしてきたと言うか何て言うか…。
俺がダラシナイからかな?世話焼きさんになってきてますね。
『草食系じゃないのでいりません。』
「栄養が足らなくなっちゃうよ?」
でもなんか、嫌じゃないんだよね。
『デザートがあります。』
この一言に
「なになに?」
とてつもなく食い付くキミ。
誰が男は甘いものが苦手だと決めたのだろう。俺は好物です。チョコはあまり食べないけど。パフェとかケーキとかクレープとか普通に食べてますね。
その姿にキミは一瞬ビックリしてたけど、“一緒にデザート食べれる”って嬉しそうに笑ったのを昨日の事のように覚えてる。あの笑顔、可愛かった。
『今日は暑いのでアイスです。』
一途と言えば聞こえはいいが、偏食って言うのか、頑固と言うのか。
これって決めると同じものを食べる習性がある。
アイスといえば、ちょっと高価なやつのバニラだな。
「フルーツとかで足りない所を補うとかさ」
前に、母親にも同じ事を言ったことがあったが母親はフルーツなんて洒落た可愛いげのある物を言わず、青汁混ぜて食べろって言ってました。
でも、フルーツか…最近食べたのってなんだろ。てか、食べたのかな?今月食べた記憶がないぞ?でも
『タバコ吸うからビタミンは不足してるよね。』
「お肌に悪いです!!」
ビタミンと言えばお肌ですか。
シミ、ソバカス、吹き出物。キミが怖い怖いと言ってるが
『俺、女子じゃないから気にしてません。』
「健康のために」
健康か。
職場で健康診断したけど、健康優良児でした。これ、ちょっと自慢なんだよね。
『好きなもの食べてれば元気いっぱい』
人生一度きりだからさ、好きなもの、美味しいものを食べて過ごしたくない?
「そーかもだけど」
『好きなもの食べて、お腹いっぱいの方が幸せでしょ』
「そーだけどさ」
なんだろ。今日のキミはなぜかいろいろと噛みついてくる。
いつもならデザート食べたとか言えば、私はこれ食べてあれ食べてそれ食べたいとかそのまま話がそれて“今度一緒に行こうね”というパターンなのに。
『どうした?』
キミはちょっと考えてから言い出した。
「いっぱいね、ずっとね」
茶化したり、揚げ足をとったり、意地悪言ったりしないでちゃんとキミの言葉を
『うん』
素直に聞こう。
「一緒にいたいからね」
『はい』
俺もキミと
いっぱい、ずっと一緒にいたい。
「長生きしてほしいの」
キミらしいちょっとずれててカワイイ発想。ちょっと笑いそうになる
『うん』
離れているからこそなのかな。そういう考えになるのは。
「好き嫌いはダメよ?」
『はい』
「よし!」
“長生きして”とか、はじめて言われた。
でもそうだよね。遠距離になってる分電話では毎日連絡とってるけど電話する時間が限られて携帯越しにしかキミと接することができなくって笑っていても笑顔が見れない。泣いていてもなにもしてあげられない。
一緒にいれるようになったら、いっぱい、同じ時間を共有しよう。そのために長生きしなきゃですね。
そうだ。
「キミが作ってくれても良いんだよ?」
俺、一人だから偏った食事になるんだよ。キミが居てくれれば、管理してくれれば、きっともっと健康だよ。
『あんまり、レパートリーがないんですが』
恥ずかしそうに小声になるキミ。
「作ってくれる?」
『頑張ります』
すっごくうれしい。
「よろしくお願いします。」
たのしみにしてるよ。