初戦闘ですよ。
そんな時に、落ち込んでる時に限ってー
「プローター出現!プローター出現!全隊員持ち場にて待機!なお、『テイク』は司令部に集合!繰り返すー」
えちょちょ!?タイミング悪すぎねえ!?こちとら基礎訓練終わったばっかりだぞ!?まさか個別部隊での訓練も始まってないのにいきなりの実戦!?流石にないよな!? な!?
「『テイク』初出撃だ。」
やっぱりありました。流石にありました。
「個別部隊訓練はおこなってないが、基礎訓練で覚えた内容で倒せると思われるタイプだ。安心しろ。」
千代田さんはそう言いながら結構緊張してるのが見え見えだ。
おいおい。唯一の軍人での能力者がそんなでいいのか。だがそんな彼の心に気付いてるのは自分だけみたいだが。
「今回出現したのは『戦車型不発弾侵食突然変異細菌生物』ーまあ、実物見たらわかるだろ。」
「「「うわあ・・・」」」
画面に映し出されていたのは、すっかり荒野と化した旧東京を蹂躙する、戦車みたいな何かしらだった。
すぐそばに映る海上自衛隊の護衛艦からミサイルが発射され命中するが、効果無しのようだ。
「今回出現したプローターを、「チハ」と呼称する。今回は初戦だ。あまり無理はするな。」
・・・とまあ、いろいろあって。
「ひるむな!!撃ちまくれ!!!」
無数に頭上を飛翔する戦車砲弾。海上からの艦砲射撃。塹壕で体を震わす私。
何も考えらんねえ。なんかあるとしたら、脳内に某TVアニメE◯Aで、敵が第三新(以下略)に攻め込んで来たときの、迎撃するときに流れるあのBGMぐらいだ・・・
チハは横須賀から上陸。付近を蹂躙しながら、現在の日本の首都「山梨」に向けて時速約25キロで進行中。現在旧羽田。
意外と足が遅いものの、体に当たった砲弾を、まるでゴムのように弾き返して周囲に被害を及ぼす。
「聞こえてるか!?応答しろ!?おい!!!」
無線から聞こえてくる隊長の声で意識が戻り、最前線から前線基地に呼び戻された。
逃げることだけには体が応えてくれた。
「見ていた通り、ゴムだ。」
「「「ですね。」」」
「そこで、」