episode6
雅臣と夢のLINE交換をした後、明楽は薫子と共に薫子の家へと向かった。
「それにしても...まさか小鳥遊先輩から連絡先交換を申し出てくれるなんて良かったですね。しかも上手くいけば同じバイト先で働ける様に...」
「薫子!一旦ストップ!急展開過ぎて頭がついていってないんだ!」
「あら、まぁ...」
薫子が今までの流れを整理するかの様に言葉にすると、明楽は顔を真っ赤にしながら彼女の言葉にストップをかける。
「...夢でも見ているんだろうか...コレが小鳥遊先輩のLINE...先輩とバイト...」
明楽はそう小さくブツブツと同じ事を呟いていた。
薫子はそんな彼女の様子を見て「明楽がこんなにポンコツに...」と思ってしまった。そうして気づいたら薫子の家の前に到着していた。
「ほら、明楽。入りますよ。」
「...うん...お邪魔します...」
「あら!明楽ちゃん!いらっしゃい!さぁさぁ入って。」
「おばさん、こんにちは。」
薫子の家の中に入ると、彼女の母親に出迎えられ、明楽はいつもの様にあいさつをする。
「母さん、これから少し込み入った話しをしますから、お菓子とジュースは私が持っていきます。明楽、先に私の部屋に行っていて下さい。」
「わかったよ。」
「明楽ちゃん、ゆっくりしていってね!」
「ありがとうございます。」
そうして薫子はお菓子とジュースを準備する為にキッチンへ。明楽は薫子の部屋へと向かう。薫子の部屋の中へ入ると中央に置かれたテーブルを挟む様に置いてあるクッションへと腰かけ薫子を待つ。少しすると、お菓子とジュースを持った薫子が入ってきた。
「明楽、お待たせしました。」
「ありがとう、薫子。」
薫子は持ってきた物をテーブルへと置くと明楽の向かいのクッションに座った。
「さてと...まずは来週の調理実習の話しですね。どうするんです?」
薫子が問いかけると明楽は顔を真っ赤にしながら下を向き「うん...」と小さく頷き言葉を続ける。
「小鳥遊先輩にはクッキーを渡せたらと思っているよ?でも一体どうやって渡したらいいか...あ!そうだ、靴箱にでも入れて...!!」
明楽は名案とばかりに言ったが薫子はため息を吐きヤレヤレとしながら彼女に現実を告げる。
「明楽。多分ですが小鳥遊先輩の靴箱はクッキーで溢れかえりますよ?それに誰かからかわからないでしょうし。」
「たしかに...だったらどうやって渡したらいいの?!」
明楽は涙目になりながら薫子に言う。すると薫子は呆れながら彼女に秘策を告げた。
「貴方、小鳥遊先輩とLINE交換したんじゃないですか。それで小鳥遊先輩にメッセージを...」
薫子が話終わる前に明楽は「ムリ!!」と叫んだ。
「だっていきなり「クッキーどうですか?」なんて送れない!!」
それを聞いて薫子は深くため息を吐きながら「だったら...」と続けた。
「「バイトを紹介してもらうお礼でクッキー受け取って貰えませんか?」でいいんじゃないですか?」
薫子がそう文章をおこすと、明楽は目をランランにしながら彼女を見て「流石薫子!」と大きな声を出した。
「それなら私でも出来るよ!ありがとう!」
「貴方の事ですからお礼は考えていたんでしょう?」
「...うん。でも良いものが思いつかなくて...そっか、クッキーを渡せばいいのか。」
明楽は「目からウロコだよ。」と冗談交じりに笑った。これで今日の作戦会議は幕を閉じ、二人はおやつタイムへと入るのであった。




