episode24
バイトが終わり、いつも通り明楽は雅臣から家に送ってもらい家へと帰ってきた。「ただいま。」と家に入っていくと、玄関に見慣れたローファーが置かれていた。明楽は「こんな時間に?」と思いながらリビングへと入っていった。するとそこには母とお茶をしながら談笑している薫子の姿があった。
「ただいま。薫子、来てたんだ。」
「えぇ。親戚からリンゴが送られてきたからおすそ分けに。」
「明楽、明楽!貴方も隅に置けないわねぇ!」
「お母さん?あの、一体...」
明楽の母は口に手を添えて「オホホ」と笑っている。明楽は訳がわからないでいると、薫子から「ごめんなさい」と言われた。
「薫子?」
「おばさんとお話しするのが楽しくてつい小鳥遊君の事を話してしまいました。」
「...小鳥遊君て...勇真の事...?」
「えぇ。」
薫子からの返答に明楽は「なんて事を...」と天を仰いだ。
「まさか明楽に男の子の影が2つもあるなんて!お母さん、嬉しすぎてどうしましょう!お赤飯でも炊いた方がいいかしら?!」
「お母さん、落ち着いて...」
明楽の母は少し暴走気味になってしまっていて、明楽の言葉は届いていないようであった。
「薫子。君、一体どこまで話したの?」
「どこまでって...全部?」
「全部って...ハァ...。」
明楽は重いため息をつくと母に向き合った。
「お母さん。とりあえず深呼吸しようか?」
「え?!まぁまぁ、私ったら!ごめんなさいね!」
「落ち着いてくれるならそれでいいよ。薫子、時間は大丈夫?」
「あら。長居しすぎてしまいましたね。私はこれで帰ります。」
「おばさん、お茶ご馳走様でした。」と言うと薫子は席を立ち玄関へと向かっていった。
「お母さん、私薫子を見送ってくるよ。」
「はぁい。薫子ちゃん、また来てね!」
「ありがとうございます。お邪魔しました。」
明楽が薫子を見送ろうとすると、薫子は「そうそう」と言葉を紡いだ。
「小鳥遊君が明楽のバイト先を詮索してましたよ。」
「...もちろん教えてないよね?」
「えぇ。でも時間の問題かもしれませんね。」
「まぁ、別にバレてもいっか。」
「あら?いいんですか?」
明楽は薫子の問いかけに「うん。」と応えた。
「最近は大型犬に懐かれたと思うようにしたからね。」




