episode23
「「ギ、ギリギリセーフ...」」
普段なら20分前には店にたどり着くところ、走ったにもかかわらず到着したのは5分前。何故そうなったかというと、道で迷子になっていた女の子を交番に届けるというハプニングがあったからだ。泣いている女の子を明楽があやしている間に、雅臣は店長の佐々木に遅刻するかもしれない旨を連絡したのだった。幸い、女の子の母親はすぐ現れたのだが、女の子が明楽にベッタリになってしまったのだ。どうにか女の子をなだめて母親に引き渡すと、二人は再度猛ダッシュしたのであった。
「あれ?二人共間に合ったんだ?」
店に入った瞬間に佐々木が声をかけてきた。
「連絡くれて事情教えてくれたんだし、急がなくても良かったんだよ?まぁ、早いに超したことはないけどね。」
「いやいや、店長。今日シフト薄いって言ってたじゃないすか。」
「ハハッ。そうなんだけどね。だから助かったよ。」
「雅臣先輩。そろそろ着替えないと...」
「あ、そうだね。それじゃオレ達仕度してきます。」
「ハーイ。今日もこき使われてね♡」
そんなやり取りをして、明楽と雅臣は店に出る仕度を整える。そして他の店員達と挨拶を交わすと仕事を始めるのであった。カランコロンと扉が開かれる音がしたため明楽は出迎えに行くと、そこにはクラスメイトの女子二人が立っていた。
「キャー!明楽君ギャルソン姿似合ってるー!」
「カッコイイよ!」
「いらっしゃいませ。来てくれて嬉しいよ、二人共。」
明楽は二人を席に案内すると「注文が決まったら呼んでね。」と言い去っていった。その後に入れ替わるように雅臣がお冷やを席に届けに行くと、二人は「小鳥遊先輩?!」と再度テンションを上げた。
「いらっしゃいませ。二人は明楽のクラスメイトなの?」
「ハ、ハイ!この喫茶店ヤバくないですか?!学校の王子が二人して働いてるなんて!あ、カフェオレ一つ!」
「私、メロンソーダで!」
「ハハッ。ありがとう。かしこまりました。」
二人がキャイキャイしていると、他の客達も明楽と雅臣に見惚れているのであった。
「いやぁ、王子様が二人もいると店の雰囲気に活気が出て嬉しい限りだよ。」
「現に、明楽君入ってくれて女性客倍増しましたよね(笑)」
「店長、オレ達を客寄せパンダにしようとしてません?」
「えー、ソンナコトナイヨ(笑)ホラ、仕事仕事!」
腑に落ちない二人であったが、佐々木に促されるまま仕事へと戻るのであった。




