episode22
明楽の"王子スマイル"をくらったクラスメイトは「眩しすぎるよ、明楽君!」と明楽に抱きついた。最近こういったスキンシップをとる女子生徒が増えた気がする。そう思いながら昼食を終えるのであった。
午後の最初の授業は国語で、大半の生徒が居眠りをしたり教師の朗読を聞き流したりしている。明楽も例外ではなく、眠気と戦いながら窓の外を眺めていた。そこはグラウンドで、丁度体育の授業が行われていた。そして、その中に見知った顔...雅臣の姿があった。クラスメイトとふざけ合っている様子は普段とは違って見えて、新しい面を見れた事に嬉しく思い、つい笑みを零す。すると、雅臣の視線とかち合った気がして、バッと顔をそらす。そして、そろりとグラウンドへと目を戻すと、雅臣が明楽に笑顔を向けて小さく手を振ったのだった。今日のバイトの待ち合わせまでに平常心を取り戻さなければと、明楽は眠気の去った頭で授業に向き合うのであった。
「それでは今日の授業はここまで。」
あれから残りの午後の授業も乗り越え放課後となった。明楽は急いで仕度を整えで正面玄関へと向かう。途中沢山の女子生徒から「明楽君、また明日!」と声をかけられ、それに笑顔で応えていった。そして、ローファーへと履き替え外に出ると雅臣はまだ来ていなかったので、LINEで「玄関で待ってます」と送信した。すると、スグに既読になったのにビックリしたが、後ろから「明楽!」と声をかけられた。そこに居たのは待ち人の雅臣であった。
「遅くなってごめんね。クラスの奴らに捕まって...」
「いえ!私も今来た所なので大丈夫ですよ。」
雅臣は「そっか。良かった。」と笑顔で応えた。走って来たようで、乱れた呼吸だったが、少し息を整え落ち着かせると、「それじゃ行こっか。」と言い二人でバイト先へと向かった。
「そういえば、明楽午後イチの授業、グラウンド見てたでしょ?」
「え?!」
いきなり痛いところをつかれてビックリしてしまう。
「オレ手を振ったのに気づいてくれなかったの?」
雅臣が珍しく、イタズラっ子の様な態度で問いかけてくるので、いたたまれなくなり、「...気づきました。」と小声で白状した。
「だろうと思った(笑)手を振った瞬間顔を背けるんだもん。」
「...スミマセン。」
「謝らなくていいよ。顔を真っ赤にした可愛い反応見れて満足したから。」
「雅臣先輩、意地悪くなってません?」
「そんな事ないよー。あ、ちょっと時間おしてるね。少し走ろ!」
そう言うと雅臣は明楽の手を握り走り出した。明楽は、「これ以上感情を乱さないでぇ!」と心の中で叫ぶのであった。




