episode21
昼休み、明楽は薫子と共に昼食のお弁当を食べていた。薫子は周りに勇真がいないことを確認すると、バイトの事を聞いてきた。
「明楽。昨日のバイトはどうでした?あなたの事だからそつなくこなしたのでしょうけど...。」
「あぁ。とても良いところだよ。店員さんは皆いい人ばかりだし、お客様も話しかけてくれたりする人が多かったね。...まぁ、女性から連絡先をすごい聞かれたけど。」
薫子は「やっぱりか」という顔をしてお弁当をつつく。
「あなたは本当に生粋の王子様気質なんですから...。お断りはしたんでしょう?」
「もちろん。角の立たないようにね。」
「小鳥遊先輩とはどうなんです?」
薫子が雅臣の名前を出した途端、明楽の手がピタリと止まった。そして沸騰するのではないかというくらい顔を真っ赤にさせた。
「な、何かあったんですか...?!」
「いや、先輩と何かあったわけじゃなくて、親が...ね...。」
「明楽のご両親?何があったんです?」
明楽はしどろもどろになりながら昨晩の事を薫子に話した。雅臣が母親とバッティングしてしまったこと、婿になってほしいと言っていたことなどなど...。
薫子は黙って明楽の話しを聞いていたが、内心では「先輩は外堀から埋めるタイプか...」と思った。
「なるほど。それで?今日もバイトがあるんですか?」
「うん。また先輩と待ち合わせて行くよ。」
そんな話しをしているとクラスメイトの女子が「ねぇねぇ!」と話しかけてきた。
「私の他校の友達がいつも行く喫茶店に昨日も行ったらしいんだけど、イケメン店員さんが二人いたって言ってて!その一人ってもしかして明楽くん?!」
「お店の名前は"喫茶四季"かな?」
「そーそー!やっぱりそうなの?」
明楽が「うん。」と応えると、そのクラスメイトは「やっぱり!」と興奮気味に返事をした。
「その子がすごい明楽君の事気に入ってて、その子女の子だよって教えたんだけど、それでもあり!だって(笑)」
「あはは...なんか複雑だな(笑)」
「その子明楽君に会うために毎日通うかもって言ってたよ。」
「それはなんだか申し訳ないな...」
明楽は少し困ったように言うとクラスメイトは「大丈夫大丈夫!」と明るく応えた。
「その子もともと毎日のように通ってた子だから安心して!今度は私も一緒に行くし!」
「本当?それは嬉しいな。」
明楽はとびきりの王子様スマイルでクラスメイトを悩殺したのであった。




