episode15
学校内は明楽、雅臣、勇真の三人の噂で持ち切りだった。明楽は一日に何度も好奇の目を向けられたが、その度に薫子はじめ、くらすの女子生徒達が威嚇をし守っていた。
そんな中、噂の的の一人である雅臣も、クラスの中で皆に質問攻めされていた。
「ねぇねぇ、雅臣君はいつから明楽君の事狙ってたの?」
「1年の小鳥遊ってお前の親戚なんだろ?」
「...ぶっちゃけ王子の事狙ってるってビックリなんだけど(笑)」
などなど、良い質問もあれば、最後の質問の様にあまり気持ちの良いものでは無いものもあった。
「...明楽はとても可愛らしくて素敵な女性だよ。...君達と違ってね?」
「「ハァッ?!」」
「ちょ、雅臣君?何言ってるの?」
「君達があまりにも明楽の事を悪く言うものでつい。ね。」
雅臣がそう言うと、明楽の事を王子と仰ぐ女子生徒達と、クラス中の男子生徒達から「良く言った!」と賛美の声がかけられた。
「雅臣君!私達、応援してるからね!」
「雅臣、お前1年坊主に負けんなよ!」
「...ハハッ。ありがとう。」
雅臣はかけられる声援に笑顔で応えるのであった。
そして、"早く明楽に会いたい"と思うのだった。
明楽は休み時間には学校中の目に、授業中は後ろから送られてくる勇真の視線に当てられ、一日休まるヒマ無くただただ疲れを感じるのであった。そんな中、スマホを確認すると、来週から入るバイト先の店長である佐々木からLINEが送られてきているのに気づき、慌てて開いた。するとそこには、「急で申し訳ないけど、明日から来てもらう事は可能かな?」と書かれていた。続けて「もちろん、雅臣も入ってるよ!」と送られてきて少し安堵をし、「はい。大丈夫です。」と返信をした。明楽がスマホを弄っているのを見た女子生徒が、「明楽君。」と声をかけてきた。
「スマホ見て何か嬉しそうな顔してたけど、どうしたの?」
「ん?あぁ。実は明日からバイトする事になってね。」
明楽がそう応えると、クラス中が興味津々と色々聞いてきた。
「えー!明楽君バイトするの?どこでどこで?」
「学校から駅に向かう途中にある喫茶店だよ。」
「あぁ!あそこか!結構人気のあるお店だよね!」
「あれ?でもそこって...」
「?」
疑問を持った女子生徒が、近くに勇真の姿が無いのを確認すると、小声で訊ねてきた。
「...そこって小鳥遊先輩も働いてるよね?大丈夫?」
「あぁ...実は雅臣先輩からの紹介で入るんだ。」
「!そうなんだ!」
彼女は心の中で、「これは小鳥遊先輩が一歩リードかな?」と思うのだった。




